★四季シリーズ:秋の童話、冬のソナタ、夏の香り、春のワルツ ③ユン監督、色へのこだわり

特集 韓ドラここが知りたい 四季シリーズ
今回はユン・ソクホ監督のこだわりについて考えた。 他の四季シリーズは 【韓ドラここが知りたい!】へ

ユン監督の作品の一番の魅力は飽くなき『美』へのこだわりだ。ユン監督は1985年KBSに入局し、「人生のリピートマーク」で監督デビューを果たし、「私たちの時代の愛し方」「愛の挨拶」「プロポーズ」「ときめき」など多数の作品を手がけ、2000年から始まる四季シリーズへと続いた。

監督は当初から“映像の魔術師”と呼ばれるほど美しい作品作りをすると評判だったが、その美しさをアジア中に知らしめたのは四季シリーズだろう。そして、シリーズの映像の美しさは「色」へのこだわりから。

【秋の童話】 茶色をベースに赤を効果的に使っている。チュンソとウンソの愛を紅葉や夕暮れの赤に映したのか、決して多用しない赤が画面を引き立たせる。まるで抑えようとする二人の想いを象徴するかのようだ。

【冬のソナタ】 もちろん白。実は、監督は1996年に「カラー」という全16話の短編作を撮っている。この短編集の1,2話は「ホワイト」で、主人公二人が雪の中で戯れる美しいシーンがある。監督はことのほかこのシーンを気に入っており、これが冬・・・の原点とも言われている。

【夏の香り】 緑をベースに美しい海の色ブルーを効果的に使っている。美しい高原の爽やかな緑と、どこか懐かしい茶畑の深い緑など、微妙に変えて描いている緑が美しい。

【春のワルツ】 黄色。菜の花の色だ。韓国の素朴で美しい島に咲く一面の菜の花畑。ポイントに使っているのはピンク。ウニョンが好んでよく着る服にピンクが多い。やたらとピンクを着用しているのが気になる。残念ながらウニョンにピンクはあまり似合わないのでは?ピンクの服の出番が多いのは何か理由があるのでは?

実は、監督は秋・・・の色を黄色と赤としていて、春・・・の色を決めるとき、黄色は秋…で使ったので、春…はピンクにするつもりだとコメントしていた。ところが、春…を製作する上でどうしても菜の花の黄色が重要になり、後に秋・・・のテーマ色を茶色と言い換えたようだ。

どうも黄色という色は監督にとって相当思い入れの強い色のようで、他の色とは使われ方が違う。秋・・・では、監督は落ち葉の茶ではなく、赤く色づく前の黄色い葉を多く撮っている。また、一番の見どころである大人になったチュンソとウンソが船ですれ違うシーンで、ウンソが差していた傘の色は黄色。どうも秋・・・のテーマ色は黄色と赤と言った方がピッタリする。

他にも黄色には特別な意味を持たせている。冬・・・では、高校生のユジンが始めてチュンサンと出会ったときに着ていたコートの色が黄色。大人になったミニョンが教会や、雪の中で遊ぶシーンなど重要な場面でよく着るコートが黄色(カラシ色?)。

夏・・・では、ミヌが好きな花を黄色のバラとしている。ミヌが作業中のヘウォンの髪を結んでやる名シーンがあるが、作業する「恋人達の部屋」で黄色のバラが効果的に使われている。

ユン監督は若い頃から色にこだわる人だと自身で語っている。もしかすると、黄色は監督にとって“勝負色”なのかも知れない。

次からは音楽について。

[韓ドラここが知りたい!TOPへ][四季シリーズメニューへ]

KBS Download Mallで「秋の童話」配信中
KBS Download Mallで「冬のソナタ」配信中
KBS Download Mallで「夏の香り」配信中
  • 紹介したページには上の※印から移動できます

(C)KBS&KBSi All rights reserved.
秋の童話:ソン・スンホン、ソン・ヘギョ、ウォンビン
冬のソナタ:ペ・ヨンジュン(ヨン様)、チェ・ジウ(ジウ姫)
夏の香り:ソン・スンホン、ソン・イェジン
春のワルツ:ソ・ドヨン、ハン・ヒョジュ
監督:ユン・ソクホ