【李氏朝鮮時代】女たちの出番-チャングムが生きた時代

特集 韓ドラここが知りたい ドラマで知る歴史
今回はドラマ『宮廷女官チャングムの誓い』『女人天下』『チェオクの剣(茶母『ホジュン』などが描かれた時代。 (『韓ドラ』ここが知りたい!の「韓国歴史年表」で、全体の時代の流れをつかんでおこう)

【李氏朝鮮時代】(1392~1910年)
高麗王朝も北からは蒙古、南方からは倭寇に苦しめられ滅亡し、14世紀末には朝鮮最後の王朝李氏朝鮮時代が始まる。ここで表「ドラマの朝鮮王朝」を開いて欲しい。朝鮮王朝の前期は、儒教を基に国家体制を整えるために多くの争いが起きた時期。また、ハングル文字の考案など独創的な文化が発達した時期でもあった。ドラマは“英雄モノ”といわれるアクション作品が多い。ドラマ「龍の涙」「大王世宗」に代表される、表の紫に色塗られた作品だ。

しかし、5代目の文宗王からは、紫の作品は影を潜め、変わってピンクの作品がいっきに増える。これは、宮中のお家騒動、王の愛を巡るお世継ぎ問題を中心に描いた、いわゆる“宮廷モノ”で大奥のような作品だ。王朝の中期は、王の寵愛を受けた女性たちが、己と実家の繁栄のために政治を利用し利益を独り占め(壟断-ろうだん)することが多かった時代で、“女人天下”といわれた時代だ。ドラマ「女人天下」、「張禧嬪」、「王の女」、映画「王の男」などの作品に代表される。

そして、ピンクと一緒に増えたのがブルーの作品で、医学、料理、妓生(キーセン)などの“職業モノ”の作品だ。当時は、富をむさぼる一部の王族や両班、そしてそこにまとわりつく輩がもっとも栄えた時代でもあり、彼らの生活や趣味に直結した専門職が大きく花開いた時代でもあった。実際に、こういった職業に就いたのは、儒教しか学べない両班ではなく、中人と呼ばれる階級の人々だ(ただし、妓生は除く)。ここで代表されるのは、ドラマ「宮廷女官チャングムの誓い」「ホジュン」「ファンジニ」だ。(※ファンジニは、妓生の生涯を描いているが、愛欲だけでなく、芸に重きを置いた作品なので、青のグループとした)

ところが、一部の特権階級の富は、平民や賎民とたちの血と汗と涙から搾り取られたもので、当然期待されるのは、正しい政こと(まつりごと)を行う賢王や、経済を立て直すために正しい商の道を説いた作品だ。表の緑の作品で、ドラマ「イ・サン」「商道」などに代表される作品だ。

反面、王朝の中期以降は、表のオレンジの“義賊・捕物モノ”が一気に増える。政治を壟断する輩から金品を盗んで民に分配する“ねずみ小僧”や、悪者を取り締まる“銭形平次”のような作品がたくさん登場する。ドラマ「チェオクの剣(茶母)」「イルジメ」「新・別巡検」などの作品がこれにあたる。

表を頼りに、時代の流れをドラマで追ってみたが、史実とは大きく変わっていないことに驚く。さらに、もうひとつ、表「朝鮮王朝系図」を見て欲しい。ここには、王の名前の横に、前王との続柄を記しておいた。儒教の教えは、極論を言えば「年長者を大切にする」こと。つまり、何もなければ、直系の第1王子、つまり王妃の産んだ長男が「世子(セジャ)」と呼ばれるお世継ぎ=皇太子になる。それが、直系の長男以外の続柄に王位が移っているのは、急死など例外はあるが、何か事件や陰謀があったと見てもいいだろう。

歴史ドラマはある程度時代背景をはっきりさせているものが多いので、朝鮮王朝時代のドラマを見る場合、「ドラマの朝鮮王朝」の色分けを参考にして欲しい。日本の大奥のような作品が好きな方は、ピンクのドラマを時代の古い順に、当時の文化について描いた作品が観たい場合は、青の作品を選んで見ていけばいい。

もっとも、この色分けは、韓ドラおすすめ隊が実際にドラマを視聴して、一番心に深く残ったテーマでジャンル分けした、独自のものだということをご理解いただきたい。また、一部、視聴できていない作品については作品公式HPを参考にしている。後日、実際に視聴した時点でジャンルが変わることもあるので、こまめのチェックをお忘れなく!すべての表には、下端に更新日をつけているので、手元に残す場合は最新のものにしておくことをお忘れなく!

kandoratop【作品詳細】【「チャングムの誓い]を2倍楽しむ】
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以下、「チャングムの誓い」
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キャスト:イ・ヨンエ、チ・ジニ、ホン・リナ、イム・ホ、ヤン・ミギョン、ヨ・ウンゲ、パク・ウネ、ハン・ジミン、キョン・ミリ
監督/演出: イ・ビョンフン 、脚本: キム・ヨンヒョン