韓国歴史ドラマに嵌(ハマ)るツボ

特集 韓ドラここが知りたい ドラマで知る歴史
①~④では、「韓国史の紹介」を駆け足でしたが、これからは、歴史ドラマに嵌るツボについて考えてみた

まず、嵌るツボその1。主役以外にも魅力たっぷりの人物が多いこと。魅力的な登場人物が多ければ、自分だけのヒーローも見つけやすい。これって、ジャニーズやモーニング娘。の売り方に似ている。そういえば、韓ドラにジャニーズファンが多く、ファンミやライブ会場で、スマップらジャニーズの団扇やペンライトで応援しているファンを良く見かける。

嵌るツボその2は脚本の素晴らしさ。「韓国史の紹介」であげたドラマのいくつかを製作順にならべると『ホジュン→チェオクの剣(茶母)→海神→薯童謠(ソ・ドンヨ)→朱蒙→太王四神記』となる。『チェオクの剣』を視聴したときソンベク(キム・ミンジュン)の強烈なキャラクターが気になった。朱蒙朱蒙
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数年後、『朱蒙』でヘモス将軍を見たとき、「ソンベクはヘモス将軍の化身に違いない!」と思った。その読みは的中で、脚本家はどちらもチョン・ヒョンス。ネット上では「ソンベク=ヘモス将軍」説が話題になっていた。『朱蒙』のもう1人の脚本家チェ・ワンギュはホ・ジュンの脚本家。『薯童謠』は『チャングム』の脚本家。つまり、視聴者のツボを知り尽くした人気脚本家が前作以上の思いを込めて描くのだから、おもしろくならないわけがないのだ。

嵌るツボ3はアクション。足の運びに注目してみよう。元来、日本には独特の「ナンバ歩き」という歩き方がある。陸上の末續選手がこの走りを取り入れたことでここ数年スポーツ界でも有名。簡単に言えば、手足を同方向にふり出し、摺り足で進む歩き方。これなら、草履も脱げないで、日本舞踊だって「チン・トン・シャン」と舞える。“直線的”でどこか潔い。対する韓国は踵(かかと)から踏み出す歩き方。韓国舞踊に見る身のこなしは“曲線美”。ゆったりと円を描くようで優雅だ。どちらがいいかはお好み次第だが、隣国でもこんなにも違う。そういえば日本の衣装の侍の裃(かみしも)は直線的で、韓国武将の衣装は、回ったときにきれいに広がるよう工夫され曲線的。

嵌るツボ4は台詞。現代劇以上に「まさに言葉の宝石箱や~」状態。恥ずかしい台詞も韓ドラなら、すんなり受け入れられるのはなぜだろう?昔から「男は目で恋をして、女は耳で恋する」と言う。モムチャン(体格のいい)の厚い胸板はさながら内臓スピーカー。ベルベットボイスで愛を奏でられちゃひとたまりもない。
他にも嵌るツボはいろいろあるだろう。衣装の豪華さ、音楽の素晴らしさ、意表をつくエンディング…。『冬のソナタ』に代表される現代劇は豪華1“洗練された韓国”というイメージをアジアに広め、歴史劇は“韓国史への興味”まで広めた。もちろん、韓国に都合のいいような描き方なので、他国で物議をかもしたりもしているようだが、歴史とは、所詮「一方に都合のいいようにまとめられているもの」。だからこそ、他国の歴史に書かれた自国を知ることは大切なのだろう。

好き嫌いに関わらず、韓流といえば『ヨン様』をはずせない。彼は数年前から、「韓国と日本だけでなく、アジア全体の文化交流のため共同作業で作品を作りたい。」と語っていた。『太王四神記』では、日本の久石譲を音楽監督に迎えた。一時代前の2国の関係からは考えられないことだ。彼のこのような活動が今回の『文化勲章』授賞という形となった。ペ・ヨンジュンは何百人の外交官が束になっても適わない『名外交官』かもしれない。

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MBC JAPANlで「朱蒙」配信中
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以下、「太王四神記」
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ペ・ヨンジュン、イ・ジア、ムン・ソリ、イ・フィリップ
監督/演出:キム・ジョンハク、ユン・サンホ
脚本:ソン・ジナ、パク・ギョンス