富士山の科学全13話
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富士山の形を変えてしまうとも言われる大沢崩れ。ここを舞台に従来の土木工学的工法を乗り越える、植物生態学を利用した砂防プロジェクトが始まっている1、大沢崩れとはなにか?ヘリコプターによる空中撮影,大沢崩れの原因,規模、歴史、土石流災害・・・建設省富士砂防工事事務所の役割、調査工事の状況,困難さ、・・・大沢崩れのメカニズムえを解明するための様々な努力。解説は富士砂防工事事務所の花岡事務所長。2,大沢崩れによる土石流災害を解明し、被害を未然に防ぐための技術・・・大沢川の各所に設置された監視カメラとその情報システム、モニタールーム 3、土石流災害から市街地を守る大沢扇状地計画・・・遊砂地,沈砂地,砂防樹林,樹林帯補強工,膨大な数のコンクリートブロック・・・・4、植物生態学を利用した新しい砂防技術の研究が進んでいる。静岡大学の増沢教授のサポートでフジアザミを使った土壌浸食防止技術の実験が順調に展開中。フジアザミは荒地にも強いパイオニア植物。種苗の採取のために畑も完成。5、資材運搬のための新技術も開発・・・ラックピ二オン方式の富士HEARTシステム。国立公園内の作業のため,自然環境に配慮した特殊な鉄道。6、JICAのイラン人研究者が富士山と大沢崩れを視察,山の美しさと砂防技術のレベルの高さに感心。大沢崩れの対策は世界の砂防技術を牽引し,国際貢献にもつながっている。7、大沢崩れを知ることは富士山を知ること、その対策には富士山に関する、トータルな科学的知識が求められる。富士砂防工事事務所では多くの人に富士山を理解してもらうために、富士山の御中道を案内、ぐるっと360度と題したイベントを行っている。
植物の垂直分布をベースにスコリア地帯におけるパイオニア植物の山登りとそのパッチの生態学的役割を探求する1、ヘリコプターによる空から見た富士山の植物分布 2、静岡大学理学部増沢教授による解説….富士山と植物、スコリアと植物、パイオニア植物について 3、中山芳明先生による富士山のフィールド調査/ムラサキモメンズル、コケモモ、タイツリオウギ、オンタデ、ウラジロハナヒリノキ、ヤマホタルブクロ、カラマツ、中山先生の解説/森林限界、垂直分布、霧と植物 4、静岡大学理学部大学院学生によるオンタデ、ミヤマオトコヨモギのフィールド調査 5、中山先生の現地解説コタヌキラン、メイゲツソウ、フジハタザオ、ヒメシャジン6、増沢教授による解説 イタドリ、オンタデ、フジアザミなどのパイオニア植物の植生、生態学的役割/パッチと言う群落のシステム7、自然観察のおもしろさ、大切さ、富士山を世界遺産に登録していくためにーー8、青木が原樹海の森林生態、シラビソ林の自然環境、強風の中のカラマツ、その特殊な樹形/9、大沢崩れの砂防技術に利用されるフジアザミ、その優れた植物的役割10、タカネヒゴタイ、コガネギク、イワツメクサ、キオン、ミヤマニンジン、などの山地植物、高山植物の紹介
富士山の高さを初めてほぼ正確に測った伊能忠敬の測量技術から最先端のGPS衛星による位置確認システムまでを紹介する.千葉県佐原市の伊能忠敬記念館を取材.-伊能の学んだ天文学、伊能の使用した測量機材ーー学芸員の解説、伊能の学問の基礎、伊能の日本地図製作方法、伊能はなぜ富士山を計測したのか、その計測方法の謎ーーー正接タンジェントを利用 2、富士山の山頂、剣が峰にある二等三角点ー国土地理院はなぜここに基準点を置いたのか?三角点の存在目的は?国土地理院の担当者の解説3、海の上から見た富士山、海上から人間の目で計測する富士山ー静岡県田子の浦漁業協同組合のまき網漁、富士山で自分の位置を確認、海底の地形の目安とする.シラス漁の様子漁師の解説、日本水路協会による駿河湾海底地形図CG映像、海から見た富士山4、スペースシャトルから見た地球、そして富士山ー科学の進歩は私たちに宇宙からのまなざしを提供してくれるようになった.-------5、国土地理院の取材、GPSによる位置確認システム&衛星を利用した日本の地図製作システムー担当者の解説、GPSの計測実践6、電子基準点とはなにか?担当者の解説ーーー大地は常に動いている、富士山もまた動いているーGPSは新たな視点をもたらした.-7、GPSの時代から伊能忠敬の見た富士山を考える 8、富士山の計測の歴史は測量の科学技術の発展の歴史そのものであったー
富士山は山頂に測候所を持つだけでなく、この山にかかる雲の形によって地域の人々に天候の変化を知らせる観天望気の舞台でもあった。富士山の山頂、剣が峰に気象庁の富士山測候所がある。昭和40年に完成し、35年間太平洋と東海地方の雲を観測し続けてきたレーダー・・・戦後日本の復興と高度経済成長、科学技術の発展の証でもあった富士山レーダー測候所の職員による解説ーレーダーの仕組み、レーダーを守るドームの建築技術、高出力の電波を作り出すシステム、マグネトロン、台風の雲の形を映し出すブラウン管画面・・・アメリカIEEEからマイルストーン賞を受賞した遺産富士山レーダーの引退、保存、次世代のバトンタッチ技術について・・・牧の原の新しいレーダーシステムの紹介・・東京大手町の気象庁を訪ねる・・・富士山レーダーはなぜ引退したのか?次世代技術とは何か?21世紀を担う技術は、気象衛星・・・ひまわりのシステム、運行システム、能力、役割、について担当者の解説、宇宙の利用の可能性・・・・富士山レーダーが担ってきた雲の観測は、より高い所、より正確な技術に受け継がれていく。一方で、人間の目を使う観測も大切に受け継がれている。気象庁では、毎日視程と呼ばれる、大気の濁り具合を調査する観測が行われている。そして、この観測の目標対象物にじつは、富士山が利用されている・・・・。再び富士山測候所山頂で行われる視程観測、現在の測候所の観測作業、現況の観測機器、富士山の天候と雲の動きについて・・・・富士山の日の出早朝の雲の動き,ハイスピードで撮影した雲の変化・・・富士見のポイント,三つ峠を訪ねる。富士山と雲についての観測で知られる山小屋の主に聞く。観天望気は天気予報にとどまらず,自然を知り,地球の動きを知り,宇宙に思いを馳せるための地図ではないか・・・気象庁の研究者も観天望気に大きな文化的価値を認めている。
富士山の周辺では,たくさんの博物館が活動,自然環境の教育活動に励んでいる。又地域のNPOや学識者も力を合わせ世界遺産の登録を目指している。1、富士山周辺の公的博物館を訪ね、展示の特色を紹介すると共に、富士山を様々な自然科学の分野から描き出す。静岡県富士市立博物館・・・地学的展示、学芸員の高山病などについての解説、縄文・弥生の土器などの展示静岡県裾野市立富士山資料館・・・富士山の造山運動、鉱物学、湧き水のシステム、展示指導員の解説も熱心・・・裾野周辺の植物についての解説、元はうみだった富士山の痕跡ー発掘された化石の紹介と解説、気象庁富士山測候所の初期の観測機材の展示 山梨県立富士ビジターセンター・・・富士山をトータルに解説する博物館。気象情報、観光情報、インターネットを利用した山梨県内の科学研究機関の紹介。 山梨県鳴沢村のなるさわ富士山博物館・・・火山の爆発によって流れ出した溶岩に閉じ込められたティラノザウルス、富士山周辺のジオラマ模型、噴火する富士山の巨大模型、噴火によって生じた様々な岩石。火山弾・溶岩樹形・風穴、氷穴ー手で触って感じる富士山。2、 富士山を環境と自然科学の学校として捉えフィールドや研究の対象に活動する人々・・・静岡県立富士宮西高等学校のワンダーフォーゲル部は富士山を自分たちのフィールドの拠点と捉え、ごみ拾いなどの環境登山を行う。NPOの富士山クラブは登山者に不満の多いトイレ問題に取り組んでいる。トイレやごみ問題、環境問題の解決を通して富士山の世界遺産登録を目指している。日本植物学会のシンポジウムのテーマも、富士山の世界遺産登録・・・・出席したパネラーが語る富士山への思い。NPOふじ環境倶楽部は麓を含め、富士山の全体を守り、保全していくために、水源の森作りに励んでいる。博物館だけでなく富士山は自然環境全体がエコ・ミュージアムなのである
富士山はまぎれもない活火山。今も山頂の地下で低周波地震が続く。火山のマイナス面だけでなく、湧水などの多くの恵みをもたらしてくれる事も理解したい。富士山を地学の視点から取材・観察する・・・・1、元は海の底だった富士山。周辺で発掘された化石の数々。富士山の山頂火口、直径850m.噴火口からなにがわかるのか?宝永山の噴火の記録を調べる。登山道でよくみかける砂礫土壌、スコリアとは何か。これらの基本的な疑問について専門家に聞く。解説してくれるのは、静岡大学の小山助教授。2、富士山にはなぜ湧水が多く点在しているのか?忍野八海・柿田川湧水・富士五湖・白糸の滝・富士市湧水群・富士宮浅間大社湧玉池・・・・これら湧水群を地学的に取材富士山の雨、雪と湧水の関係を探る。解説は静岡大学の名誉教授、土先生。溶岩流の流れた地層のポイント、そして岩石の隙間に水がたまる・・・スポンジ説。富士山の湧水は圧力を受けた地下水である。・・・・・・・3、活火山としての富士山。噴火の歴史。もしもの時に備える必要はある。防災体制を作るためのコンセンサス・・・4、富士山の地下で深部低周波地震が観測されている。研究を進めているのは防災科学技術研究所富士山の地震の観測体制、その技術、傾斜計が特に大切。富士山の地震予知の可能性、低周波地震の分析、一般の地震との違いなどを解説してもらう。5、そもそもなぜ、ここに単独峰の高い山ができたのか?太平洋のプレート移動との関わりについて・・・富士山を生きている活火山として捉えなおす必要ーと同時に、富士山の恵みに対する理解と感謝が必要。NPOは地元の湧水を環境調査し富士山との関わりのなかで自然をとらえなおす活動を開始している。
シリーズ8作品目の本作品では、地底から探る富士山と題し、噴火と造山運動の痕跡を地学のフィールド調査から解説して行く。前半部に登場して頂くのは、山梨県環境科学研究所の地球科学研究室長,輿水達司さん。輿水さんは,富士五湖の湖底をボーリング調査し、湖底の堆積物を円柱状のボーリングコアとして採取している。分析の結果富士五湖の堆積物には大きな相違があり、富士山の噴火による堆積物には,地域の差が激しい事が解った。西の本栖湖には、玄武岩質の溶岩が大量に堆積、東の山中湖には,火山性降下物のスコリアや火山灰が多かった。偏西風で噴出物は東へ吹き飛ばされるからだ。こうした分析から、防災面でも,噴火のパターンや地域差を考慮した対策が望まれていることが判明した。番組中盤は、トピックス的な話題。甲斐の国で有名な地下資源,水晶と金を紹介。訪ねるのは,甲府市にある,クリスタル・ミュージアムと山梨中央銀行金融資料館。番組後半部は、学術市民団体・富士山火山洞窟学研究会の皆さんと共に青木ヶ原・精進湖登山道に溶岩洞窟を訪ね,富士山の噴火と溶岩流の痕跡を地底調査から解説して行く。表面の景観だけでは把握できない、地底探検ならではの富士山学を存分に味わってもら
静岡県と山梨県が共催した「富士山こども環境サミット」の三日間の模様を、地学・火山学・森林生態学の解説を交えながら紹介する。参加したのは、北は北海道、南は鹿児島県・屋久島からやって来た全国の小中学生、100人。こどもたちは、山梨県環境科学研究所,本栖湖、河口湖フィールドセンター、富士山新六合目宝永山の登山、インターネット壁新聞の制作、富士山メッセージの宣言を主体的に体験した。解説の場面では、富士山誕生の火山学、溶岩流、生態系の遷移、火山噴火の歴史、パイオニア植物と高山植物、溶岩樹型の生成について別途取材の映像を使って解りやすく説明する。その他、木工工作や、子供たち・主催者側の大人へインタビューも。全国の100人の子供たちは、富士山の初体験&総合的な環境学習を通して科学する心を育んだ。
静岡県水産試験場と山梨県水産技術センターの協力を得て、富士山水系の代表的な淡水魚を観察・解説する。主な魚は、山中湖のワカサギとブラックバス、山梨県富士湧水の里水族館でイワナ、アユ、ヤマメ、アマゴ、富士川でアマゴの降海型シラメ、静岡県水産試験場富士養鱒場でニジマス、ヤマトイワナ、アマゴ。水中撮影・研究者インタビューを交えながら解りやすく紹介する。特に、アマゴとヤマメの地域による棲み分け、両者の陸封型・河川生活型と降海型の神秘的な変異については、詳しく解説して行く。又、生物多様性の観点から、外来魚問題、人工放流問題にも触れる。(ブラックバス、ヤマトイワナ)
富士山の周辺に暮らす人々にとって、命の支えとなる水はそのほとんどが富士山の湧き水である。湧き水や湖から水路を通して日常使用する水を得ている。祖先達は、苦労してそのための土木工事を行った。又、湧き水は河川となり、交通面では、川を渡るための橋を架ける必要が生じた。本作品では、サブタイトルに記すように、富士山の麓の各地を訪ね、土木技術を通して「水に挑んだ人々の足跡」を科学的に振り返る。訪ねる土木産業遺産は、「河口湖新倉掘抜」、「甲州街道・日本三奇橋の一つ、猿橋」「富士川の雁堤」の3ヶ所。それぞれ地元の博物館の学芸員に概略説明を頂きつつ、現代の科学技術の観点から、山梨大学工学部・土木環境工学科の協力を得て、当時の土木技術の分析と構造力学的解説を行っていく。現地取材の映像とインタビューから得られるものは、当時の人々の驚くべき技術力と自然観察の力であった。
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