アトムの夢全33話

原子力を理解するために基本となる知識と技術をわかりやすく説明し、中学生と一緒に考える番組です。第11回「ウランを求めて」原子力発電の大切な燃料、ウランについての勉強です。まず、ウランの同位元素 234と 235と238があることを復習します。次にウランは世界中の鉱山に約450万トンしか埋蔵されていないこと、そして、原子炉で燃やすウラン235は全体のわずか0,7パーセントしか含まれていないことを伝えます。ところが、ウランは海の中に45億トンもあるのです。電力中央研究所では、海中からのウラン採集の研究も進めています。しかし、海中で炭酸ガスとしっかり結合しているウランを取り出すのは難しく、特に費用がかかります。現状では、日本はウランを輸入に頼っています。絶対量が少なくて、貴重な燃料であるウラン235、これをどう活用すべきか、中学生にいろいろな意見を考えてもらいます。そして、ウランの有効利用については、次回また考えよう、と今回を締めくくります。
  • 餌取 章男 日本科学技術振興財団 理事、立川 らく次 立川企画 落語家、麻布科学実験教室 中学部のみなさん 株式会社 創造教育センター、中村 政雄 財団法人 電力中央研究所 研究顧問
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原子力を理解するために基本となる知識と技術をわかりやすく説明し、中学生と一緒に考える番組です。第12回「プルサーマル」日本はエネルギー資源をほとんど輸入に頼っています。特に貴重な核燃料のウランは100パーセント輸入です。しかも、前回勉強したように、原子炉で燃やすウラン235は、天然ウランのなかにわずか0,7パーセントしか含まれていません。なにかウランの有効利用の方法は無いものか、改めて問題提起します。もう一度復習します。軽水炉の中で、どんな現象が起こっているのか。そこで、ウラン238がプルトニウム239に変わることを認識します。このプルトニウムを何とか利用できないものなのか、と考えます。ひとつの方法がプルサーマルです。使用済み核燃料から プルトニウムを回収する技術です。回収したプルトニウムは天然ウランと混ぜて、核燃料とします。これをMOX燃料と呼び軽水炉で使用します。ウラン有効活用のひとつの方法です。しかし、もっと有効な方法はないものか、それを次回考えよう、と問題提起して今回は終わります。
  • 餌取 章男 日本科学技術振興財団 理事、立川 らく次 立川企画 落語家、麻布科学実験教室 中学部のみなさん 株式会社 創造教育センター、
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原子力を理解するために基本となる知識と技術をわかりやすく説明し、中学生と一緒に考える番組です。第13回「高速増殖炉」貴重な核燃料であるウランの有効活用として、前回はプルサーマルを勉強しましたが、今回は高速増殖炉です。これは,プルトニウム239を燃料にします。<高速>とは原子核にぶつける中性子のスピードを減速させずに高速のままで利用すること。<増殖>とは核分裂したプルトニウムがエネルギーを出す一方で、原子炉の中にあるウラン238から新しいプルトニウムをつくってしまうこと。つまり、燃やしながら、新しい燃料をつくってしまうので、夢の原子炉とも呼ばれます。プルトニウムの核分裂のプロセスは軽水炉のウラン235の分裂と比べながら分かりやすく説明します。現在の軽水炉との相違点は、水の代わりにナトリウムを使用すること。ナトリウムは沸点が880℃と高いため加圧せずに高温が得られます。ここで、ナトリウムという元素の特徴をさらにくわしく中学生に説明します。人工元素であるプルトニウム239の有効利用を可能にする高速増殖炉、安全に十分な配慮をした上での実用化が待たれます。
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原子力を理解するために基本となる知識と技術をわかりやすく説明し、中学生と一緒に考える番組です。第14回「放射線を測ろう」核分裂で大量の放射線が出るので、放射線は怖い、という先入観がありますが、実は放射線は私たちの暮らしの中にも色々あるということを勉強します。放射線は波長の短い光、目に見えない光であることをまず復習してから、実際に測る実験をします。放射線計測協会が一般の人びとに放射線について分かってもらう意図で<はかるクン>という機械を作りました。マイクロシーベルトという単位で放射線を測ります。野菜から出る放射線は?加里肥料から出る放射線は?次に専門家が使うガイガーカウンターで測ってみます。野菜、海苔、大理石、湯の花など。それから、TV受像機やパソコンなどからも放射線を計測できます。このように、放射線は私たちの暮らしの中でたくさん出ているということを分かってもらい、なおかつ、放射線は暮らしに役に立つことを解説します。一時に大量に浴びると危険だけれど、それは普段私たちが1年間で浴びている量の100倍以上の量なのです。
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原子力を理解するために基本となる知識と技術をわかりやすく説明し、中学生と一緒に考える番組です。第15回「暮らしと放射線」放射線とは目に見えない光です。例えばX線、コバルト60などのガンマ線、電子であるベータ線、ヘリウムの原子核であるアルファ線などなど。これらが私たちのくらしのなかで役立っています。一番ポピュラーなのは医学利用です。レントゲンが発見したX線は体内の病気を見つけるのになくてはならないものになっています。人体を輪切りにして調べるCTスキャンも多く利用されています。次にMRI、磁気共鳴映像法が開発されました。これで調べれば、人体内部の形だけではなく、生体組織の化学変化まで分かりますので、人体のどこが悪くなっているのかより詳しく分かります。医学利用以外では、分子と分子の結合をより強くしたり、パソコンのフロッピーディスクの磁気の働きを安定させたり、植物の品種改良などに放射線は利用されます。将来、宇宙開発が進むと宇宙線の悪影響から人体組織を守るためにも、宇宙線を利用することになるでしょう。このように、原子力の研究のひとつの分野として、放射線の研究はとても大切なのです。
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原子力を理解するために基本となる知識と技術をわかりやすく説明し、中学生と一緒に考える番組です。第16回「核融合」地球の110倍も大きくて、表面の温度は6,000度、内部は6,000万度以上になっているかもしれない太陽。それは水素71%、ヘリウム27%、その他の元素2%からできています。この巨大なエネルギーのかたまりである太陽を地球上で人工的に作りたい、という研究が核融合です。核融合は二重水素、三重水素を使います。これらの元素を高温度下におくと、原子核のまわりをまわっている電子がバラバラになり、原子核同士が融合しやすくなります。この状態を(プラズマ)と呼びます。研究者たちはこの(プラズマ)をどうしたらつくれるのかを研究しています。そのためには炉のなかの温度を一億度にする必要があります。そして、核融合反応が起こるのは、わずか1/10秒ぐらい。最高でも一秒でした。これをもっと長時間にわたってつくるためにはどうすればよいのか。研究者たちは目下悪戦苦闘しています。地球上に人工太陽をつくるなんて不可能だよ、という声もあります。しかし、不可能を可能にすることが科学者の生きがいなのです。
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原子力を理解するために基本となる知識と技術をわかりやすく説明し、中学生と一緒に考える番組です。第17回「量子論」いま物理学は物質をより細かく分けることを研究しています。これ以上細かく分けられないはずだった原子を分裂させることに成功し、陽子、中性子、電子に分けられることが分かりました。これらの最小単位を粒子と呼びます。例えば、アインシュタインが光は波であると同時に粒である。といいました。この粒について研究する学問が量子論です。光を波として研究するのはアナログ的学問、粒子として研究するのはデジタル的学問です。ここで、アナログとデジタルの違いについて勉強しなおします。コンピューターは、すべての情報を数字の0と1で表現して計算するマシーンです。二進法とはなにか、についても勉強しなおします。そして、原子のことをデジタルに研究する学問が(量子論)なのです。原子核のまわりをまわっている電子がなにかのはずみで飛び出して、独立したものを光子(フォトン)と呼びます。この光子をより小さなものの研究に活用したりしています。原子力の研究は光子の研究にまで進み、物質のより細かい部分の解明に努力しています。
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原子力を理解するために基本となる知識と技術をわかりやすく説明し、中学生と一緒に考える番組です。第18回「顕微鏡の未来」原子力の研究は非常に小さなものの研究ということになります。人間の目は約0,1ミリ以下のものをキャッチできません。そこで顕微鏡の出番となります。理科の勉強で使う光学顕微鏡は、16世紀にオランダのメガネ屋さんが発明しました。光をレンズで絞って小さなものを拡大する仕組みです。しかし倍率300倍ぐらいまでが限界です。それより小さなものを見るためには、電子顕微鏡が必要です。電子顕微鏡とは、見たいものに電子をぶつけ、その電子の動きをモニターで見る仕組みです。もうひとつ、電波にはトンネル効果というフシギな性質があります。あるものに電波をぶつけると、そのもののなかに入り込んでしまう性質です。電子顕微鏡では、この電波のトンネル効果を利用してより小さな分子や原子を観察しています。原子の研究には電子顕微鏡がなくてはならない大切な道具です。
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原子力を理解するために基本となる知識と技術をわかりやすく説明し、中学生と一緒に考える番組です。第19回「原子力研究の未来」原子力の研究は、原子力エネルギーだけでなく、さまざまな分野に拡大されています。そのひとつが光子です。光子とは原子核のまわりをまわっている電子が、そこから飛び出して独立した動きをはじめたものです。光子はどんな役に立つのでしょうか。例えば、現代から未来へ、コンピューターがどんどん小さくなります。いまのデスクトップ型コンピューターが携帯電話ぐらいの大きさになるでしょう。こうした、小さなコンピューターをつくるためにには超微細な作業が必要です。手作りではとても無理です。そこで光子がコンピュータづくりの作業をするわけです。もう一つ、光子は医療の世界でも役立ちます。将来、患者の身体のなかに超ミニロボットを送り込んで、悪いところを治療する医療が考えられています。このミニロボットづくりにも光子が役に立つことでしょう。要するに、より小さくて、より性能のすぐれたマシーンができれば、私たちのくらしは便利になります。原子力の研究は、未来、より大きなエネルギーづくりと、より小さなものづくり、という二つの方向へ進むことでしょう。
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原子力を理解するために基本となる知識と技術をわかりやすく説明し、中学生と一緒に考える番組です。第20回「電気の時代」照明器材、テレビ、パソコン、冷蔵庫、エアコン、などなど、そして、電話、電車・・・。文明社会は電気に支えられています。電気は2000年以上前のギリシャ時代に静電気が発見されました。フルーツ電池で、電気の力をいろいろ試してみます。電気が暮らしに役立つようになるのは、発電機、電灯の発明以後です。この便利な電気にひとつだけ不便な点があります。それは電気がためておけない、ということです。だから、24時間休まずに発電し続けなければいけません。現在の日本では、水力発電、火力発電、原子力発電、自然エネルギー発電のベスト・ミックスで、人々に電気を供給し続けています。一方で、電気をためる蓄電池の研究も進んでいますが、ためられる電気はごくわずかなものです。くらしを支える電気。その電気を支えるもののひとつが原子力。原子力研究の重要性はここにあります。
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