プロジェクトX挑戦者たち全12話

食洗機 100万台への死闘 〜赤字部門の40年〜  はてしない不況が続く日本で、飛ぶように売れる電化製品がある。「食器洗い機」。ここ数年、”買いたい電化製品”として常に上位にランクされる人気商品である。 しかし、その道のりは、まさに不遇だった。日本発の食器洗い機が開発されたのは、昭和35年。松下電器の洗濯開発技術者が、アメリカ製品をまねて作ったのが最初だった。だが、大きい図体に水の浪費。さらには、性能の悪さから”愚劣な商品”のレッテルをはられ、開発チームは縮小、辛酸をなめ続けた。 そこにチャンスが訪れた。昭和58年、松下が洗濯機事業の悪化に見舞われ、切り札として新たな食器洗い機の開発命令が下った。立ち上がったのは、若き技術者・谷口裕。入社以来、食器洗い機一筋の谷口は「アメリカのまねは捨てる」と、”流しの上に置ける小型化””汚れを確実に落とす洗浄性能”の日本型食器洗い機の開発に乗り出す。昭和61年、新製品開発が終了。販売戦略担当の楚田勝に会社がつきつけた課題は、普及率10%。新製品が生き残るための分岐点の数字だった。工場の才脇克己は大領生産を成し遂げる秘密兵器「回転治具」を考えた。 しかし、すぐさま営業から売れないと悲鳴が上がった。急速なシステムキッチンの普及による5000種もの新種の蛇口に対応できない。さらにバブル崩壊が襲う。赤字続きを理由に、プロジェクトは再び解散の危機に。 その時、メンバーは起死回生の秘策に打って出る…。 製品誕生以来、普及に40年もの長い時間を要した食器洗い機。プロジェクトが、会社の花形部署になるまでの苦闘を描く。
  • 日本
  • 田口トモロヲ/谷口裕/才脇克己/谷口智恵己
  • 再生時間 : 42分
    Windows Media Player
    3000k
  • 210円
    3日間
  • 2007年02月14日 ~

(C)NHK

100万座席への苦闘 〜みどりの窓口・世界初 鉄道システム〜  鉄道大国・日本。ビジネスや帰省など、人々の長距離移動を支えるのが、全国8000もの端末を持つ「みどりの窓口」である。東京のコンピューターと全国の端末とを結び、切符予約を発券する日本で初めてのオンラインシステムに挑んだのは、国鉄と電機メーカー日立の技術者たちだった。 昭和33年、高度成長に向う日本。しかし、駅の指定券売り場では怒号が飛び交っていた。指定券を取るのに半日も待たされ、ついには乗りたい列車が空席のまま出発する事態となった。原因は、手作業による受付方法にあった。抗議が国鉄に殺到した。「コンピューターを導入できないか」国鉄は日立とともに、予約の自動化に乗り出した。「マルク」と名づけられた座席予約システムは昭和35年、試験導入に成功。その5年後には全国150の駅に配置され「みどりの窓口」と名づけられた。 しかし、緒に就いたばかりの巨大システムは脆弱だった。各駅からの要求が集中する午前9時にはコンピューターがパンク。各地で切符の二重発券のミスも続発した。さらに、断行された大ダイヤ改正では、九州中の急行列車に大規模な配席ミスが起こる前代未聞の事件を起こした。システムの信頼はがた落ちとなった。国鉄側のリーダー・尾関雅則は、トラブルの原因はチームの組織にあると思った。「もうすぐ100万座席の時代がくる。同志にならない限り、プロジェクトの成功はない」尾関は驚くべき改革に乗り出し、新システム導入に鉄道の未来をかけた。情報化時代に先駆け、未知の技術の実用化に執念を燃やした人々の苦闘を描く。
  • 日本
  • 田口トモロヲ/尾関雅則/谷恭彦
  • 再生時間 : 42分
    Windows Media Player
    3000k
  • 210円
    3日間
  • 2007年02月14日 ~

(C)NHK