テクノ・ギャラリー全63話

NEC研究開発グループ主席研究員、名城大学理工学部教授、科学技術振興事業団・国際共同事業 ナノチューブ状物質プロジェクト研究代表の理工博士・飯島澄男さんの研究を紹介。飯島博士は、1991年、実験中に、炭素物質から、炭素原子でできたナノサイズのチューブ、「カーボンナノチューブ」を発見した。博士の発見によって、カーボンナノチューブは世界中から新しい材料として注目されることとなる。カーボンナノチューブの特徴は、第1にとにかく小さいこと。ナノレベルの材料になると、本来の炭素材料とは全く違った性質を持つ。今、特に注目されているのが、電気の伝導性。ナノチューブは、同じチューブでも、原子の並び方を変えたり、形を変えたりすることが出来る。その形の変異によって電気を通したり通さなかったりするのである。その他にも、いろんな特徴が見つかっているが、それは大型の高画質テレビの画面に使われたり、将来的な自動車・水素自動車の電池として使われたりと、研究が進められている。まさに、将来を担う新しい材料なのである。
  • 理学博士 飯島澄男 NEC筑波研究所、名城大学理工学部、科学技術振興事業団・国際共同研究事業、ナノチューブ状物質プロジェクト研究代表、中尾みち雄(ナレーター) 青ニプロダクション、
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寄生虫博士の異名を持つ、東京医科歯科大学教授・藤田紘一郎さんの研究をクローズアップ。戦前まで、日本人の約60%が感染していた寄生虫「カイチュウ」。戦後の徹底した駆虫政策のおかげで、現在の感染率は0.2%以下。しかし、藤田博士は、日本人が寄生虫を駆逐すると同時に、アレルギー疾患の感染率が高くなっていることに気がついた。花粉症、アトピー性皮膚炎、気管支ぜんそくなど、これらの病気はすべて、ここ30年間で急速に増えたものばかり。カイチュウの感染率の高い、東南アジアの子どもたちにアレルギーが見られないことから、寄生虫感染は、アレルギーから人体を守る何かをもたらすのでは、と考えた藤田博士は、ついに寄生虫からアレルギーを予防する物質を取り出すことに成功した。これは、花粉症やアトピーの特効薬を生み出す可能性を示すとともに、人類が寄生虫やばい菌を遠ざけ、無菌清潔国家を指向することによる、弱体化を警告するものなのだ……
  • 医学博士 藤田紘一郎 東京医科歯科大学、石井康嗣(ナレーター) 紅屋25時、
  • 再生時間 : 29分
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本日の主役、松岡勝が長年にわたって研究してきたのは「X線で見た宇宙」。X線を放射する天体の多くは、ブラックホールや中性子星などの高エネルギー天体が関係するので、これらの天体を調べるためには宇宙からやってくるX線を観測することが欠かせないのです。 国際宇宙ステーションで2004年の完成を目指して松岡博士が現在取り組んでいる宇宙観測プロジェクト「MAXI=全天X線監視装置」は、宇宙からやってくるX線を宇宙のすべての方向について捉えようというもの。つまり、ブラックホールや中性子星の宇宙地図をつくるのです。しかも今までに成功したものの中で最高の感度を誇るので、150億光年の彼方の宇宙が始まった頃にできたブラックホールや中性子星を宇宙地図に加えることが期待されています。 この全天X線監視装置は宇宙ステーションの特徴をじつによく生かしています。視聴者の皆さんにも、宇宙ステーションに乗ったつもりになって、そのことを実感していただきます。
  • 理学博士 松岡勝 宇宙開発事業団 宇宙環境利用研究システム招聘研究員(研究チームリーダー)、浜田治貴(ナレーター) 紅屋25時、
  • 再生時間 : 29分
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東京大学大学院農学生命科 獣医解剖学教室 金井克晃さんを紹介。金井さんの研究は性の決定のメカニズムを解明すること。アメーバが性を持たずに繁殖できるように、生物は基本的には異性を持たなくても繁殖ができるという。つまり生物の基本は女性であり、女性さえいれば繁殖が可能というのである。では何故、男は生まれたのか?進化の過程で男はどのような役割を果たして来たのであろうか?男や女の性はいつ、どの時点で決定されるのか?そのメカニズムはどのようになっているのか?生命現象の根幹に迫る研究を紹介する。
  • 農学博士 金井克晃(かない、よしあきら) 東京大学大学院農学生命科学研究科、中尾みち雄(ナレーター) 青ニプロダクション、
  • 再生時間 : 29分
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総務省通信総合研究所 電磁波計測部門 平磯太陽観測センター 秋岡眞樹さんの研究を紹介。秋岡さんの研究テーマは太陽である。地球上の生き物は太陽の恵みを受けて生きてきた。いわば、地球全体の支配者といえる太陽がどのような活動をし、地球にどのような影響を与えるのか調べている。太陽は光エネルギーの他にも、目には見えない高エネルギー粒子を放出している。この高エネルギー粒子を太陽風と呼ぶが、通常は地球の磁場が地球全体のバリアとなって、太陽風の侵入を防いでくれる。しかし、11年ごとに活発化する極大期になると、何倍もの太陽風が吹き荒れる為、地球の磁場が防ぎきれなくなる。そうすると、人工衛星が誤作動を起こしたり、北極近くの送電線やコンピュータに損傷を与えたりしかねないのだ。そんなトラブルを防ぐ為にも、秋岡さんの属する平磯太陽観測センターでは太陽の活動状況のデータを見て、太陽風がどの位吹き荒れ、地上にどのような影響を与えそうか知らせる「宇宙天気予報」を毎日発信している。
  • 秋岡眞樹 総務省 通信総合研究所 電磁波測定部門、中尾みち雄(ナレーター) 青二プロダクション、
  • 再生時間 : 29分
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東京大学先端科学技術研究センターの河内啓二教授の研究を紹介。河内先生は、昆虫をメインとした生物の飛行メカニズムの研究をしている。専門は航空力学であり、学生時代にはヘリコプターの研究をしていた河内教授が生物に興味を持ったのは、研究生時代のある実験がきっかけだった。その実験とは植物の種子の飛行に関する実験だった。この実験で全く予期していなかった飛び方をする種子を見て、自然界における形態とメカニズムの深い関係に魅せられ、生物の飛行の研究にのめりこんでいくことになる。その後。トンボの飛行メカニズムなどを調べ、昆虫のハネが薄い理由などを力学的に解明する。そして昆虫の飛行を研究するうちに、生物のサイズと形態には深いかかわりがあることを発見する。大きなものには大きなものの世界があり、小さなものには小さなものの世界がある。大きなものの知識が、ミリメーター、マイクロメーターサイズの世界では通用しなくなるのである。昆虫の研究を通して、今後マイクロマシーンの設計の基準が作れるようになるという。
  • 河内啓二 東京大学先端科学技術研究センター、TAICHI 山田(ナレーター) 紅屋25時、
  • 再生時間 : 29分
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電力中央研究所 低線量放射線研究センター 上席研究員 酒井一夫さんの研究を紹介。酒井さんの研究テーマは放射線である。放射線の中でも地球上に常に存在するような微量の放射線と生き物との関係が主たる研究内容である。人間が放射線を発見してから100年が経った。この100年で人間が利用してきた放射線は高い量の放射線であり、それは人体に害をおよぼす。高い量の放射線が害のあるものならば、低くしていっても害であることに変わりはないのか?実は、この20年で低い量の放射線は、ガンや糖尿病を抑えたり、細胞活動を活発化させたり、遺伝子を修復したりと、生き物に良い作用があるということが分かってきた。生き物は36億年もの間、常に放射線を浴び続けてきた。その中で生き抜いてきた生き物は放射線という刺激に対して、何らかの備えを持っているのではないか。酒井研究員は生き物の体がどのようにして放射線という刺激に対して、活力を高めるのかそのシステムを知りたいという。
  • 酒井一夫 電力中央研究所 低線量放射線研究センター、金丸淳一(ナレーター) 紅屋25時、
  • 再生時間 : 29分
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ヒトはなぜ、肥満になるのか? この永遠の謎についての研究が、現在さかんに行われている。怠けて大食を続けていれば太るのか? じつはそうではないのだ。ヒトが太るのは、環境よりもなによりも、肥満に関する遺伝子の働きが重要だったのだ。その遺伝子に個人差があるため、太りやすい人、太りにくい人の違いがでる。脂肪の蓄積と食欲はエネルギー倹約遺伝子と、レプチンというホルモンがコントロールしている。分子生物学が明らかにした、この大発見について、DHC研究顧問である、蒲原聖可博士がわかりやすく解説してくれます。
  • 蒲原聖可  DHC第一研究所、TAICHI 山田(ナレーター) 紅屋25時、
  • 再生時間 : 29分
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地球上には何万、何億もの種類の生物がいる。もともとは一つであった生物が、なぜ進化したのか?東北大学河田雅圭教授は、その謎を探る研究者である。彼は、身の回りの進化を観察することで、生物が進化するメカニズムを解明しようと考えている。進化のきっかけは遺伝子の突然変異だという。個体から子供が生まれるとき、オスとメスそれぞれ半分の遺伝子がコピーされるが、その時2個以上の突然変異が起きるのだという。しかし、突然変異がおきて変化が生まれたとしても、変化した個体の遺伝子が集団の中に広まらなくては集団自体に進化は起こらない。さらに集団が進化したとしても、今度はその集団が完全に違う2つ以上の集団に分かれなければ地球上のこれだけの多様な生物は存在し得なかったはずである。河田さんは、進化は、個体間の関係であったり、環境であったりとちょっとしたした変化で起こると考えている。彼は、身近な生物の中に起こる進化を観察し、さらにはそこから導き出した予測を検証するために、世代交代の早い人工生命モデルを飼い、進化メカニズムの解明に挑んでいる。
  • 番組出演者 河田雅圭 東北大学大学院生命科学研究科生態システム生命科学専攻、中尾みち雄(ナレーター) 青ニプロダクション、
  • 再生時間 : 29分
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電気を通す分子化合物を「分子性導体」という。1980年に発見されて以来、およそ百種類が発見されてきた。分子性導体は「物質とは何か」という問いに対する根源的な解答を秘めている可能性があるほか、生物を構成する生体分子とも近く、生命をめぐる議論に決着を与えることも予想されている。世界的にもトップレベルにある日本での研究の一翼を担うのが、加藤礼三博士を中心とするグループである。
  • 加藤礼三 理化学研究所 分子物性化学研究所、中尾みち雄(ナレーター) 青二プロダクション、
  • 再生時間 : 29分
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