先頃行われたカンヌ映画祭のコンペティション部門に出品ながらも受賞を逃した北野武監督「アウトレイジ」の公式サイトでは、予告編を中心とした数々の動画が公開されている。上映に際しては数分にわたるスタンディングオーベーションを受けてまずまずの反応だったものの、メディアによる評は賛否両論と真っ二つに分かれる反響となった。北野作品ファンの多いフランスでの公開も既に決定しており、日本では6月12日から公開となるこの映画のサイトは、トレーラー動画の他にも随所に動画の施された見どころの多いものとなっている。

「全員悪人」のキャッチコピーにあるように、現代のヤクザ社会で「金と権力」の中であがく男達がこの映画の主軸となる。日本人であればまず目を引くのはその俳優陣の豪華さである。派閥のトップには北村総一郎（72）、ナンバー2には三浦友和（58）、同じ会派の各組長に國村隼（54）、ビートたけし（63）、石橋蓮司（68）、各組の若手には椎名桔平（45）、加瀬亮（35）、中野英雄（45）、塚本高史（27）、マル暴の刑事には小日向文世（56）というように、日本の人気個性派俳優をこれでもかと集めたキャスティングは何といっても圧巻である。
同映画サイトの特徴は、とにかく映画内の映像を惜しげもなく随所に使用しているところにある。映画の予告編公開はもちろん、「イントロダクション」「ストーリー」は文字で解説されているが、その背景に使用されているのも映画内の動画である。更にキャスト紹介のページでは、解説文とともに各個人の動画も背景として豊富に使われていて見応えバツグンの内容だ。
「カンヌを意識していたら、こんなバイオレンス映画は作っていない」と北野監督も語っていたように、とにかく日本人にとってインパクトのある映画に仕上がっている事には間違いないようだ。主要キャストに一切女性が入っておらず、男だけの欲望にまみれた世界がどう描かれているかに興味は深まる。

映画「アウトレイジ」の予告動画はオフィシャルサイトで公開、その他コンテンツでも各種動画が視聴出来る。

6.12公開　北野武監督最新作「アウトレイジ」