JAXA、「こうのとり」2号機、ISS離脱から大気圏再突入までの様子をダイジェストビデオで紹介

2011年04月05日21時55分暮らしと文化
ISSから離脱する「こうのとり」2号機(出典: JAXA/NASA)

宇宙航空研究開発機構(JAXA)の宇宙ステーション・きぼう広報・情報センターは、「SPACE@NAVI-Kibo WEEKLY NEWS 第130号」を公開、宇宙ステーション補給機「こうのとり」2号機(HTV2)のISS離脱前から大気圏再突入までの様子を中心にダイジェストビデオで紹介。関係者の声も収録する。
HTV2は、3月28日午後10時29分、国際宇宙ステーション(ISS)のロボットアーム(Space Station Remote Manipulator System: SSRMS)により、「ハーモニー」(第2結合部)から取り外された。3月29日午前0時46分には、ISSのSSRMSで放出ポイントに運ばれて放出されたが、ISS滞在中の宇宙飛行士は、東日本大震災で被災した人たちへのお見舞いと復興への願いをこめて折鶴を折っている。
パオロ・ネスポリ宇宙飛行士(ESA宇宙飛行士)は、「世界中で未来への希望を込めた何百万もの鶴が折られていることでしょう。こうのとりで運ばれたモザイクポスターに、“Carry Hope, to the Space, for the Future”と書かれていました。これは大災害が起きた今の日本に贈るべき言葉だと思います。日本が不運な状況から早く抜け出して、今までのような輝きを取り戻すことを願っています」と語る。
また、キャスリン・コールマン宇宙飛行士(NASA宇宙飛行士)も、「地球上でいろいろなことが起きているこのときに、ISSにいるということは私たちにとっても辛いことです。そして、地球で何が起こっているのかを理解しようとすることも悲しいことです。でも、その一方で、私たちは地球と日本の特別な状態を見ることができるので、毎日、窓の外を見ながら、『どんなに大変な状況だろう』と想像しているのです。
日本の補給船であるこうのとりは、ISSに実験装置や日用品など、ISSを運用するための物を、希望を、宇宙ステーションの未来のために運んでくれました。将来、行われる新しい実験のための物も、この補給船で届けられました。こうのとりは、希望を運んでくれたのです。
私たちは、宇宙でより多くの仕事ができるように、こうのとりに不要品を詰めて送り出します。怪我をした方、行方不明の方のことを想っています。私たちは、次へのステップに向けて自分たちの役割を果たします。鶴が希望やすべての事柄を象徴しているように」と話す。
最後の軌道離脱マヌーバとなる第3回軌道離脱マヌーバは、3月30日午前11時44分に終了し、3回のマヌーバは正常に完了。
そして、3月30日午後0時09分ごろ、ニュージーランド東の海上上空で高度120kmに達し、大気圏に再突入するとともに今回のミッションを終了した。

ビデオライブラリ「SPACE@NAVI-Kibo WEEKLY NEWS 第130号」


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