再会した龍馬に見える暗い陰…ドラマ「仁‐JIN- 完結篇」第5話あらすじと第6話みどころ-TBS

2011年05月22日02時00分ドラマ

5月22日、TBS系のドラマ「仁‐JIN-」は第6話を放送、予告動画が公開されている。江戸に来た以上、運命とあきらめるだけでなく自らも動き宿命に抗うことを試みる仁は、ペニシリンを広めるために龍馬に会うべく長崎へ向う。しかしそこで出会った龍馬は、あの豪放快活な男ではなくなっていた。

仁が龍馬を訪ねたのは、ペニシリン普及のためだけでなく、龍馬に暗殺の事実を伝えようとしたからであった。しかし一向に龍馬に会う事が出来ずに諦めかけていた頃にようやく再会出来たものの、竜馬は西洋式の武器を輸入して長州に売りさばき、富を得る商人と化していた。その武器がもたらす戦いは多くの命を犠牲にする。複雑な心境ながらも、仁が龍馬を救うという歴史に反する決断に、神はいかなる審判を下すのか。

第5話あらすじ
腹部に枝を突き刺してしまったお初の手術の最中、南方仁(大沢たかお)は体が徐々に透明になっていき、ついにはその姿が消えてしまった。体が消えても仁の意識は残り、今まで見ていたものと違う景色が見えていた。その頃龍馬は寺田屋に投宿中を急襲されて左手に負傷を負う。寸でのところでその命を救ったのは、龍馬に反発心を抱いていた長州の志士・東修介(佐藤隆太)であった。

仁の視界は宙に浮かんでいるかのようだった。手術中に一人残されて慌てる咲(綾瀬はるか)が見えたのも束の間、その風景が急に婚礼の儀の場面となり、「お初にこんな日が来るとは」と喜ぶ参列者の姿が傍らにある。熨斗(のし)に「南方」と書かれているのを確認し、どうやらお初の相手が自分の先祖らしいと気づく。視界は更に時代を遡り、仁の生家が見えた。そこから出てくる小学生は、自分の昔の姿ではない。そこでこの一連の風景が、お初が生き返った事により自分でない「南方仁」が生まれてくるという事を悟った瞬間、仁の意識は元の手術室に戻った。我に帰ったのも束の間、お初は腹部から大量出血を起こしてしまい、仁はその命を救うことが出来なかった。
仁は咲に自分が見てきた光景とその意図を語り、自分が来なければお初はもう少し長く生きられたかもしれないと悔やむのだった。しかしそんな仁に咲は運命(さだめ)であればイカ飛行機を追いかけずとも、蝶を追いかけて同じ怪我をしたやもしれません」と慰めの言葉を掛ける。仁は「私は何かを変えることなんてできないし、そんなこと望まれてもいないと神がそれを改めて知らしめたのではないでしょうか。一番わかりやすい形で…」と語り、己の無力さに打ちひしがれるしかなかった。

仁友堂に戻った頃、寺田屋事件を知らせに勝海舟(小日向文世)が訪れていた。龍馬が危険人物とされている今、龍馬と接触することは注意が必要であると忠告に来ていたのだった。そこで仁は、勝に同行していた咲の兄・恭太郎から咲との事を尋ねられた。「私に出来る事は咲さんを一人前の医者にすることです」と答える仁に対し、恭太郎は不満げな表情を浮かべるものの具体的には切り出すことが出来ずにいた。
ある日、仁と親しく付き合う役者の田之助(吉沢悠)が病に倒れた兄弟子の坂東吉十郎(吹越満)を治療して欲しいと頼みに来る。吉十郎の症状はおしろいに含まれる鉛の中毒症状であった。未来の医学では鉛中毒にはキレート剤を用いるのだが、江戸時代ではそれを作り出すことは不可能だ。吉十郎の治療は無理だと言う仁に、田之助は「それでも医者なのか!」と食って掛かる。今の医療では治療できないと端からあきらめていた事にハッとし、仁は出来る限りを尽くして吉十郎の治療に専念する事にした。

仁友堂へ吉十郎は移され、本格的な治療が始まった。鉛中毒の症状でカルシウム不足になっていることから、塩化カリウムを投与してそれを補うこととした。食事療法も含め、24時間体制での吉十郎への看護が始まった。吉十郎の一人息子・与吉も仁友堂へ同行したが、一言も口をきかず硬い表情のままで日々を過ごしていた。仁の補佐には佐分利(桐谷健太)が付き、甲斐甲斐しく治療を行っていた。田之助は吉十郎にもう一度舞台を踏ませてやりたいと願っており、その演目も十八番の「寿曽我対面」の朝比奈三郎義秀ということで吉十郎もうわごとで台詞を呟くほどだった。吉十郎は仁の予想以上に回復を見せ、ついには立ち上がることも出来るようになっていた。芝居の事しか頭にない吉十郎は、ある日「寿曽我対面」の台本が無い事に気づいて与吉を殴りつけていた。息子を殴らせるために治療をしているのではないと食って掛かる佐分利。この騒動をきっかけに吉十郎は与吉に引かせた大八車に乗って仁友堂を去ってしまった。
その後田之助が訪れ、口止めされている事としながらも吉十郎の経緯を語った。吉十郎は絵に描いたような役者馬鹿であり、飲む打つ買うに事欠いて妻子までも追い出してしまった。しかし追い出された妻も子を置いて他の男と一緒になり、残された子供は吉十郎を頼るしかなかった。それが与吉だったのだ。吉十郎や田之助が役者として仕込もうとしたものの、与吉はそれを頑なに拒んだ。与吉が来た時には既に吉十郎は病の床にあり、与吉は臥せった父親しか見た事が無かった。与吉に辛くあたるものの、父親として出来る事は晴れの舞台を見せる事だけと願う吉十郎は、何としても朝比奈を演じたいと決意していたのだった。吉十郎の延命のためには手足を切るしかないと仁は言うのだったが、それは吉十郎にとって何の意味もなさないと田之助は告げる。ここで仁は改めて医療のあり方について自問自答する場面に立たされるのだった。
役者小屋に戻った吉十郎は仲間の前で稽古に立つが、しっかり見得が切れずに野次が飛ぶばかり。そこを佐分利が痛み止めを処方し忘れたと言い訳をしながら現れ、その場を収めた。個人的に反感はあるものの、役者への思い入れが医学を志す自分と通じるものがあるとして、佐分利は吉十郎が舞台に立つ手助けをする事を決める。佐分利と吉十郎の間には、いつしか同志のような感情が芽生えていた。芝居の稽古と治療を必死に続ける吉十郎、一方で仁は佐分利と共に吉十郎が舞台に立ちやすいようにサポーターを開発していた。稽古に打ち込む父親の姿に、与吉は隠れながらも熱い眼差しを送るのを咲は温かく見守るのだった。そして与吉が仁友堂で台本を隠していた場所に思い当たって掘り起こしていた。

やっと迎えた舞台当日、隈取を済ませ装束に身を包んだ吉十郎は田之助に礼を言いに立った際転倒し、吉十郎の出演を反対する座頭と田之助の間で言い争いになる。そこへ追い討ちを掛けるように吉十郎は痙攣し、結局舞台に立たない事で話がまとまってしまった。突然倒れこみ、人前に立つ芝居は見せられないと吉十郎の出番は中止になってしまった。しかし、これは吉十郎が打った芝居だった。「やっぱり芝居は俺だけのもんじゃねえもんな」と仁たちに語りかける吉十郎に、真に舞台を思う歌舞伎人の姿が見出された。完全には病から復帰出来ていなかった吉十郎に、仁と佐分利はサポーターを差し出した。舞台では芝居が進められているその裏で、吉十郎が与吉のためだけに朝比奈を演じていた。最後の力を振り絞って一世一代の見栄を切る吉十郎。熱い涙を流す与吉は、「大和屋!」と掛け声を出して父の思いに応えるのだった。吉十郎は芝居をしたまま「相すまぬ、与吉」と、謝罪の言葉を投げかけた。そして吉十郎は息を引き取った。仁が出来たのはわずかな延命にしか過ぎなかったかもしれないが、一人の少年に大きな人生の転機をもたらしていた。「役者になりたい」。そう言う与吉の心には、父との絆が生まれていたのだった。

第6話みどころ
今シリーズで特に仁にとっての大きな命題である、自分がこの時代に来た意味について、それを知るべく立ち向かう仁の具体的な行動がいよいよ始まる。以前に龍馬へその未来を告げようとした時には激しい頭痛が襲ったが、今回は一体どうなってしまうのか。歴史の前に未来人として傍観するしかない自分と、それでも医師としての使命を果たさんとする仁の葛藤が物語の山場となる。

ドラマ「仁‐JIN-」は22日(日)よる9時から放送。予告動画は番組公式サイトの「あらすじ」で視聴出来る。


あらすじ|TBSテレビ:日曜劇場「仁‐JIN-」

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