「海神-ヘシン-」最終回に寄せて…海の勇者二人をとろかしたチョンファとは？-GyaO!で無料配信中

チョンファは、東アジアの覇者、チャン・ボゴと海の英雄ヨムジャンの心の恋人として激動の生涯をドラマの中で生きた。ドラマ主人公のチャン・ボゴとヨムジャンは、共に実在の人物だが、ヒロインのチョンファは架空の人物。
新羅の6頭品貴族の出身だが、海賊に村を襲われて父親を失い、チャミ夫人のもとに引き取られる。実の娘のように育てられるも、手段を選ばない夫人のやり方に馴染めないでいた。
（新羅の身分制度については「新羅王国」豆知識及び「統一新羅・渤海」豆知識を参考にされたい）

チョンファは気品ある美しさと豊かな教養を備え、知らず知らずのうちに男性をとりこにせずに入らられない女性。それでいて自分の目標を成し遂げるためにはどんな逆境をも乗り越える強い意志を持つ。
一時は遊郭に売られるなど波乱万丈の生涯を送るが、男に頼らず自分の力で生きていこうとする自立心の高い女性。“商いが私を自由にしてくれた”といい、ドラマ後半では、チャミ夫人をも打ち負かすほどの力も備えた。

こんな完璧な女性チョンファを演じたのは、スエ。1980年7月25日生の彼女は、身長168㎝の恵まれたスタイルで、元々はダンス歌手を志望していた。しかし残念ながらその夢はかなわなかったが、女優として芸能界で輝くことになる。2002年「片思い」でデビューを飾り、2003年には初主演作「ラブレター」でMBC演技大賞新人女優賞を受賞し大ブレーク。その後映画「ファミリー」でも数々の新人女優賞に輝いた。やさしい眼差しの中に、一本筋の通った芯の強い女性を演じさせたらピカイチ。「海神」や映画「夏物語」はまさに彼女のハマり役。2010年には、「アテナ 戦争の女神」で激しいアクションにも挑戦。

日本で「涙の女王」といえばチェ・ジウが有名だが、韓国ではスエのことを指すほど、彼女の涙の演技には定評がある。また、デビュー当時は、1980年代の大スター、チョン・ユニに似ているところから「リトル・チョン・ユニ」とも呼ばれていた。


※ここから先は、最終回のネタばれがあります。気になる方は最後まで視聴された後にお読みください。



■「海神-ヘシン-」最終回に寄せて
ドラマ最終回はいかがでしたか？最終回冒頭でのあまりに早すぎる主人公の死に、今にチャン・ボゴは生き返る！と信じて疑わなかった方もいらしたのでは？それほどあっけなく死んでしまったチャン・ボゴ。彼は友を信じて命を落とし、ヨムジャンは叶わぬ愛のために命を落とした。最終回ではほとんどの登場人物が死んで、最後はチョンファと、チャン・ボゴ＆チェリョンの間に生まれた忘れ形見の赤ん坊だけが残った。
ドラマの結末は勧善懲悪とならなかったが、歴史上に実在した人物を描く以上、それは致し方ないこと。できれば、いつの日か続編として、チャミ夫人のようになったチョンファが、チャン・ボゴの忘れ形見の後見人となって登場するというのはいかがだろう。

ドラマは戦いをメインにした骨太のドラマではあったが、全編を通して、チョンファという女性を愛した男二人の悲恋を切なく描いている。こうしたところが、本作が女性にも多く支持されたところだろう。
チャン・ボゴを演じたチェ・スジョンの男のロマンに男性視聴者は夢を見、ヨムジャンを演じたソン・イルグクの叶わぬ恋に命をも差し出す純愛に、多くの女性の涙線を決壊させ、ドラマは大ヒットしたのだろう。

(C)KBS＆KBSi All rights reserved.そしてもう一人忘れてはいけないのが、黒柳徹子もびっくりの髪型や豪華な衣装のチャミ夫人。彼女の熱演無くして本作の大ヒットはなかったはず。そう思わせるほど、魅力的なキャラクターだった。
筆者の中では、「善徳女王」のミシルと、本作のチャミ夫人は歴史ドラマの猛女役では双璧をなすキャラクター。

「海神-ヘシン」を2倍楽しむはいかがでしたか？最後までお付き合いくださいませてありがとうございました。韓ドラここが知りたいには、他にも色々なドラマの紹介がありますのでご覧ください。　（2011年7月4日、完）

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ドラマ「海神－ヘシン」は、2011年7月8日（金）までGyaO!で無料試聴出来る。　
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