劇場公開中の2作品「いのちの子ども」「イグジット・スルー・ザ・ギフトショップ」のウェブ配信がスタート!-GyaO!

2011年07月25日20時19分映画

プレミアム動画配信のGyaO!ストアで、現在劇場で公開中の映画2作品の配信がスタートした。22日からはイスラエル映画「いのちの子ども」、23日からは米英合作映画「イグジット・スルー・ザ・ギフトショップ」という2つのドキュメンタリー映画がオンライン配信も行われる。佳作を多く生み出している単館系の映画作品は地方都市などでは中々見る事が出来ないというのが映画好きにとっては悩みのタネであるが、そうした問題を解消してくれるオンライン配信に期待が高まる。

今回劇場公開と同時に配信される2作品はいずれもドキュメンタリーで、いわゆるミニシアターに分類される作品である。ドキュメンタリー映画はどうしても全国公開される機会に乏しいが、GyaO!ストアによる新作を配信するという試みで名作に出会うチャンスが生まれた。
「いのちの子ども」はパレスチナ自治区ガザ地区を舞台に、先天的難病を抱えたパレスチナ人の赤ん坊を救おうとするイスラエル人医師の行動をきっかけに、赤ん坊とその家族などパレスチナ人との交流を通じてパレスチナ問題を浮き彫りにした作品である。パレスチナ問題は日本人にとっては中々理解が難しい世界情勢の一つであるが、「子どもの命を救う」という一つの目的が現在のパレスチナ情勢が抱える問題を浮き彫りにしている。我が子に救いの手を伸べてくれる医師は敵であるイスラエル人だという現状に母親はどう対処するのか。ガザ地区が封鎖されているためにドナーを探す事もままならない政治的環境。いくつもの問題点を通してイスラエルの地に生きる人々の今が伝わってくる内容だ。
もう一つの作品「イグジット・スルー・ザ・ギフトショップ」は、イギリスで覆面芸術家として活躍するバンクシーの監督作品として全米でも注目を集め、多くの映画祭でノミネートや受賞が相次いだ話題作である。バンクシーの活動は反政府的・反資本主義的なアート作品を世界各地にゲリラ的に描くというスタイルで知られ、世界各国の有名美術館にこっそり作品を無断で展示し、それがしばらくの間誰にも気づかれなかったというユニークなエピソードも残されている。この映画は当初、バンクシーを主人公にドキュメンタリーを撮ろうとした映画監督が、映像の才能が無いとバンクシーに否定され、逆にバンクシーから撮影対象となってしまうという内容だ。常に社会風刺の視点を持つバンクシーの描く内容は、やはり痛烈な皮肉の上にあるユーモアが独特のセンスを放っている。バンクシーにが現代アート界に対する挑戦とも言うべき作品だ。
GyaO!ストアではこの2作品の視聴料金を1260円(税込)/2日間で提供する。最寄りに上映館が無い場合は、交通費なども考えると破格の値段で新作が見られるというまたとないチャンスだ。この機会を是非逃さずにチェックしよう。配信期間は2作品共に2011年10月21日(金)まで。

いのちの子ども|GyaO!ストア
イグジット・スルー・ザ・ギフトショップ|GyaO!ストア

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