JAXA、「きぼう」日本実験棟で世界初となる現象が観測された「マランゴニ実験」の話題などをダイジェストビデオで紹介

2011年11月10日20時39分 暮らしと文化
マランゴニ対流実験の供試体

宇宙航空研究開発機構(JAXA)の宇宙ステーション・きぼう広報・情報センターは、「SPACE@NAVI-Kibo WEEKLY NEWS 第149号」を公開、「きぼう」日本実験棟で世界初となる現象が観測された「マランゴニ実験」の話題や、古川聡宇宙飛行士が滞在する国際宇宙ステーション(ISS)の最新情報も紹介する。

2011年9月20日、きぼう日本実験棟の流体物理実験装置(Fluid Physics Experiment Facility: FPEF)を使用して実施する、「マランゴニ対流実験」の1テーマ目の第4シリーズが始まった。
同実験では、シリコーンオイルという液体で大きな柱(液柱)を作り、液柱の内部の流れの変化や、それに伴う温度分布の変動を調べる。
第4シリーズとなる今回の実験では、液柱(直径3cm)に発生するマランゴニ対流の遷移現象を解明。液柱の温度差を大きくし対流を強くすることにより発生するさまざまな流動パターンについて、その対流と温度分布を詳細に観察することで振動遷移条件や遷移プロセスを明らかにする。また、意図的に液柱の分離や再生成を行い、それぞれの状態でマランゴニ対流の観察を行う。
そして、粒子集合現象(Particle Accumulation Structure: PAS)が世界で初めて観測された。これは、粒子が1本のねじれたひも状に集まってくる現象で、今後の研究や技術への応用が期待される。
1テーマ目では、全部で5つのシリーズが計画されており、これまでに第3シリーズまでが行われた。それぞれの実験で得られたデータについて、解析作業を行っている。
第1シリーズでは、シリコーンオイルという液体で大きな柱(液柱)を作り、その内部の流れを調べる実験を行った。
第2シリーズでは、対流のパターンの変化(定常流から振動流への変化)や液柱表面の流速を定量的に調べる実験を行った。
第3シリーズでは、直径5cmの液柱を作り、粘性が対流に与える影響を観測した。

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