【追悼】稀代の天才落語家、立川談志のしゃべりをエンタメとアニメで偲ぶ…NHKオンデマンド、gooブロードバンドナビ

2011年11月24日15時27分芸能

独自の家元制度で落語協会とは一線を画した異端児ともいうべき存在で、落語家としてだけではなく、テレビでのエンターテイメントの分野や政治の世界などでも広く活躍していた落語家の立川談志さんが、2011年11月21日に逝去された。76歳だった。テレビなどでは、各界の著名人が故人の死を悼むコメントが寄せられているが、NHKオンデマンドでは、立川談志さんの軽妙なべらんめぇ口調が聴ける動画が公開され、gooブロードバンドでは声優として出演しているアニメ作品を視聴することができる。

NHKオンデマンドで公開されているのは、不世出の落語家・五代目古今亭志ん生の一代記を逸話とミニドラマで再現したNHK特集1981年番組「びんぼう一代 ~五代目古今亭志ん生~」。この番組で、立川談志さんは案内役として出演している。この番組は、210円(税込)で視聴できるが、NHKオンデマンドの番組ページでは、ちょうど立川談志さんが、番組の案内をしている場面をお試し視聴という形で無料公開している。81年というと、落語協会と真打ち制度をめぐって脱会する直前のころ。今も放送されている人気番組「笑点」の初代司会者らしい名案内ぶりを見ることができる。

gooブロードバンドナビでは、生前親交の深かった手塚治虫の作品に声優として出演した作品「ジャングル大帝 劇場版」「千夜一夜物語」が配信されている。
「ジャングル大帝 劇場版」は、雄大な大自然と生命の尊さを、壮大なジャングルを舞台に謳いあげる手塚作品の代表作の一つ。立川談志さんはハム・エッグ役で声の出演。
「千夜一夜物語」は、ちょっとお洒落でエロティックな波乱万丈の大冒険物語。世界で初の大人向けアニメーションとして制作された<アニメラマ>シリーズ第1作として人気を得た作品。この作品で立川談志さんは、競馬シーンの観客役で声の友情出演をしている。

「落語は人間の業(ごう)の肯定である」と独自の理論のもと、古典落語に現代語アレンジなどを取り込んで新風を吹き込んだ立川談志さん。その活躍は、落語界から、政治の世界、サイバー大学、そしてテレビでのエンターテイメントの分野と幅広い。しかし改めて彼の活躍の跡をたどると、全てが“しゃべる”ことに関わっている。誰よりもしゃべることにこだわり、そしてしゃべることが大好きだった故人の“しゃべり”で、偉大な天才落語家・立川談志さんを偲びたい。ご冥福をお祈りします。

※立川談志さん(本名・松岡克由=まつおかかつよし)は、21日午後2時24分、喉頭がんのため東京都内の病院で死去。葬儀は23日、密葬で行われ、後日お別れの会を開く予定。喪主は妻の則子(のりこ)さん。

NHKオンデマンド「NHK特集 びんぼう一代 ~五代目古今亭志ん生~」
goo「ジャングル大帝 劇場版」
goo「千夜一夜物語」