犬不在の帰国に批難、南極観測隊の継続も見えず…ドラマ「南極大陸」第八話予告動画と前回のあらすじ-TBS
12月4日、TBS日曜劇場「南極大陸」は第八話「栄光なき勇者たち」を放送、断腸の想いで帰国を決断した倉持らに更なる苦悩の日々が待ち受ける。燃料不足の宗谷は日本にたどり着くことすら出来ず、ケープタウンの港に着くと隊員らは空路で帰国する。犬たちを置き去りにした一件はセンセーショナルに扱われており、初の南極大陸越冬を果たした努力と栄光すらかすませた。樺太犬たちに深く関わった倉持(木村拓哉)はリキの飼い主である綾子(木村多江)や遥香(芦田愛菜)を真っ先に訪ねるのだったが…
第七話「カラ太犬との結末」
スクリューを破損したことで自力で氷河から脱出できない宗谷は、バートンアイランド号から直ちに離岸することを要請されていた。白崎(柴田恭兵)はバートンアイランド号に土下座してまで犬救出の時間をもらえるように懇願したが、既にバートンアイランド号にも余力は無く、直ちに氷の無い外洋に出るしかなかった。天候は荒れ狂った状態が続いており、倉持が犬救出のためにセスナを飛ばすように訴えるが、避難するしかないと第2次越冬隊隊長の岩城(宮沢和史)は答えるのだった。燃料の計算を終え、白崎は一旦外洋に出て、そこから空輸で昭和基地へ第2次越冬隊と資材を送り込む方針に切り替えた。
その頃日本では昭和基地に樺太犬が置き去りにされた事がニュースとして全国に報じられており、綾子は遥香にその事実を伝えられないでいた。美雪(綾瀬はるか)を訪ねてきた鮫島(寺島進)の妻は、自宅に「犬殺し」などとかかれたビラを貼られたと辛そうに訴えていた。ニュースの影響は大きく、学校で犬の置き去りを知った遥香はある夜夕食の時間にも戻らなかった。家族が必死で探すと、遥香はリキの小屋で眠っていた。遥香はひたすらリキを心配し続けていた。
宗谷は無事にバートンアイランド号の先導の元、氷の無い外洋に無事にたどり着くことが出来た。しかし当初は1週間停泊出来る予定だったものの、脱出に予想以上の燃料を費やしてしまったことで1日しか滞在時間が無い事が明らかになる。宗谷には外務省からの電文で、全国から樺太犬についての声が多数寄せられており、今更のように犬救出を行うようにと指令を出してきた。そこで夜が明けるのを待ち、明日の朝一番で空輸を開始することに決定した。倉持は宮城に自らを行かせて欲しいと願い出るが、運輸量が限られている以上観測機材が優先として倉持の願いは拒否される。
氷室(堺雅人)は宮城を訪れ、自分が遭難した際に犬たちのおかげで予定ルート上を外れても救出しもらった経緯を説明した。そしてそんな犬たちを丹精込めて世話をし、立派なそり犬に育て上げた倉持の気持ちを代弁した。宮城は心動かされ、倉持に明日の朝一便で昭和基地に同行することを要請する。氷室の説得で観測機材を輸送する代わりに引継ぎのための人材を送ることを決意してくれたのだった。後は明日、セスナ機が飛べることを願うのみであった。
しかし、夜が明けると吹雪のために視界不良の悪天候に変わっており、セスナ機をとても飛ばせる状態ではなかった。白崎は絶望で崩れ落ちながらも、隊員たちに苦渋の決断を宣告せねばならなかった。白崎が第2次越冬隊を断念し、全員帰国の途に就くことを宣言すると、氷室が白崎に掴みかかって訴えた。普段冷静な氷室の変貌に周囲も驚きを隠せなかった。「たった15頭の命をどうして助けに行けないんだ」氷室の訴えに誰もが胸を突かれるが、このままでは人間も帰れなくなってしまう。倉持は一度だけセスナを飛ばして欲しい、犬たちを氷の中で飢え死にさせるくらいならその命を絶ってくると言い放つ。第1次越冬隊長の星野(香川照之)は倉持の頬を叩き、そして抱きしめる。南極憲法第2条、誰も死なないを忘れたのか、と。倉持の悲痛な想いも空しく、宗谷は帰国のために南極大陸を後にする。残された犬たちは凍りついた餌を取る事も出来ず、吹雪の中でひたすら耐えていた。そのうちリキやタロ、ジロなど数頭は必死で身をくねらせ首輪から抜けることが出来た。
帰国へ向けて出発した宗谷の甲板で、倉持は犬たちの名前を呼び続けていた。
第八話みどころ
悲願の国策として実現した第一次南極越冬隊の帰還は樺太犬置き去りのみが大々的に報じられ、隊員たちは肩身の狭い帰国となる。喜びの帰国とはいかなかった隊員たちと、それを待つ家族たちの心の動きが描かれる。そして南極観測自体の存続が先行き不透明な状況となってしまった時代を打開すべく、白崎らと政府との交渉が再び始まる。倉持が綾子たちとどんな対面を果たすのか、辛い場面が多い回となりそうだ。
ドラマ「南極大陸」は4日(日)よる9時から放送。予告動画は、番組公式サイトで視聴出来る。
日曜劇場『南極大陸』|TBSテレビ