4月13日、NHK・BSプレミアムはBS時代劇「陽だまりの樹」第2回「恋の鞘当て」を放送、おせき（黒川芽以）を巡る万二郎（市原隼人）と良庵（成宮寛貴）の小競り合いは更に激化する。時代劇でありながら爽やかな青春ドラマの側面もあるこの作品は、手塚治虫原作という前評判に加わってメインキャストの成宮が日本テレビ系人気ドラマ「相棒」シリーズの新キャストに決まった事も手伝って注目度を増している。第2回はおせきが良庵の働く種痘所開設の手伝いを始めて万二郎の心は落ち着かない中、蘭方医を敵対視する漢方医が良庵だけでなくおせきにも襲い掛かる。

■第1回「若き獅子たち」
時は安政二年（1855）、2人の青年がいた。一人は若き蘭方医、手塚良庵、もう一人は常陸府中藩に仕える下級武士の伊武谷万二郎。良庵が馴染みの遊郭から朝帰りする帰り道、常陸府中藩の江戸屋敷前にある三百坂を通っていた。そこは藩士たちが三百坂の早駆けの訓練に勤しんでいた。良庵と万二郎は双方の親が親しいことから顔見知りであったが、相反する性格から互いにあまりよい感情を持っていなかった。そこへ通りかかった寺の娘・おせきが良庵と立ち話をするのを目に万二郎は気が気でないものの、気を取り直して坂を駆け上がるのだった。
ある日、剣術の名門「北辰一刀流」の千葉周作が病に倒れたと聞き万二郎は道場に駆けつける。必死に千葉の回復を願う万二郎を目障りに思った清川という武士から決闘を申し込まれる。決闘は邪魔が入って物別れに終わったが、万二郎は負傷して帰宅する。そこへ呼ばれたのは良庵だった。良庵に治療されることを嫌がる万二郎だったが、良庵はものともせず治療を行い、万二郎が気を失っている間に傷を縫って治療を終えた。
その帰り、良庵の屋敷に奥医師・多紀誠斎（目黒祐樹）が良庵の父・良仙（笹野高史）が種痘を広めようとしている事に抗議しにきていた。それを良庵は追い返すが、かえって目の敵にされてしまう。
ある日おせきを目当てに寺を訪れた万二郎は良庵と鉢合わせになる。良庵はおせきに大阪の敵塾に入門することを伝えに来たが、大阪に旅立つ前に気持ちを聞いておきたいと申し出る。万二郎はそれを阻もうとするが、おせきの父が寺の跡継ぎを欲しがっている事を告げられる。おせきと夫婦になるためには坊主にならなければならないということで、万二郎も良庵も消沈して帰る。その道すがら、突然良庵を狙う刺客が襲いかかってきた。居合わせた万二郎が良庵を守り事なきを得たが、万次郎が斬った男は千葉道場の兄弟子たちで刺客を差し向けたのが多紀である事も判明した。
これが理由で千葉道場では万二郎に対する処遇が問題となっていた。事を決着させるため、道場では万二郎と兄弟子たちで木剣による勝負が行われた。結果は万二郎の圧勝で、相手の兄弟子は命を落とす羽目となってしまった。門下生たちの騒ぎは更に増したが、小野鉄太郎（後の山岡鉄船＝尾関伸嗣）の仲裁でその場は収まった。しかし万二郎が倒した門弟を診た良庵は、武士たちのいさかいを下らなく思っていた。
良庵が帰宅したところ、他の蘭方医のせいで子を生めない体になった女を良仙が診察していた。その夫という男は妻を治せと刀で迫るが、良仙は断固として治せないと断る。男が刀を手にしたところ、たまたま近くを通りかかった万二郎が間に入って男を追い出した。良仙は良庵の根性を叩きなおして欲しいと万二郎に頼み、その翌日に万二郎は良庵を伴って小野鉄太郎と共に藤田東湖（津川雅彦）を訪ねた。藤田は庭に佇む古木を射し、徳川幕府はこの陽だまりの樹のようなものだと例えた。未来を背負う若き二人に大樹の支えになって欲しいと語りかけた。その帰り道、良庵は自分が何の目的もなく漫然と医師になった事を改めて知ったと万二郎に語った。万二郎は良庵に日本の医学を変えろと励まし、自分は大樹の支えになりたいと語るのだった。

＜第2回みどころ＞
漢方医と蘭方医の対立は、自然と良庵そして万二郎を巻き込んでいく。開国して以降、怒涛の変化を遂げる幕末に生きる若者たちの苦悩も良庵と万二郎の関係を支える軸となる。大阪への旅立ちを前に更に恋のライバルとして言い争いの耐えない万二郎と良庵の関係はどこかコミカルで、重苦しい時代の波と反して温かみのあるシーンとなっている。

「陽だまりの樹」第2回は13日（金）よる8時から放送。予告動画は番組公式サイトで視聴出来る。第1話「若き獅子たち」のオンデマンド配信購入期限は4月20日まで、210円（税込・視聴期間：購入後1日）で視聴可能。NHKオンデマンドではお試し視聴も配信中、見逃し見放題パック（月額945円・税込）の対象となる。

陽だまりの樹｜BS時代劇
NHKオンデマンド　陽だまりの樹

PR