呉の内部分裂、劉備の婚礼に隠された罠…ドラマ「三国志Three Kingdoms」第53~55話みどころと前回までのあらすじ-BSフジ
BSフジの中国時代劇「三国志Three Kingdoms」は13日に第53話「孫権、兵符を返す」、14日・第54話「甘露寺に婿を招く」、15日・第55話「計りて虎穴を脱する」を放送する。呉では孫権と周瑜の対立が表面化してくるが、そこを孫権の母・呉国太が仲裁に入る。一方、劉備と孫権の妹の婚儀の計画は進められ、当初は罠としての婚礼が徐々に雲行きを変えてくる。
■51話「再び荊州を求める」
劉琦の死によって、孫権は荊州の所有権を主張するために魯粛を劉備の下へ派遣する。一方、周瑜は最前線の巴陵で療養を行っていたが、未だ吐血も収まらず病状は芳しくなかった。荊州に向かう途中で周瑜に会いに来た魯粛は、周瑜が荊州への戦の準備を整えていることに対して主君の意に反するとして憤る。しかしこれは劉備に対する牽制の意味があると説明を受けた魯粛は納得し、荊州へ向かった。
荊州での魯粛は荊州が孫権の配下にあるべき正当性を主張するが、諸葛亮はそれでは漢王朝再興の足がかりを失ってしまうので、せめて劉備が蜀を征するまでは荊州を貸して欲しいと要求する。魯粛は将来的な荊州の返還について誓約書を書かせ、とりあえずは譲歩して呉に帰る。帰路、再び周瑜に会いに立ち寄った魯粛はそこで夜を徹して語り明かす。周瑜は劉備が蜀を取らない限り荊州は戻ってこず、それが10年後かもっと先かは分からないと主張する。しかしその一方で劉備に荊州は孫権のものである事を認めさせた魯粛の手腕には高い評価を示した。魯粛と周瑜は夜、床に入って酒を飲みつつ昔語りをはじめた。かつて兵糧に窮した周瑜が魯粛を頼ると、大富豪だった魯粛は惜しげもなく蔵を周瑜に分け与えた事を懐かしそうに周瑜は語り、感謝の気持ちを述べた。魯粛と周瑜の間にも長い年月と互いの才能を認め合う絆があったのだ。しかし現在に目を投じると、周瑜は諸葛亮に対する憎しみこそが何よりも勝っている心情を吐露した。どちらも優れた人物と知る魯粛は、かつては周瑜と諸葛亮が手を組むと最強でると願ったが、今やそれは到底叶わぬことだと知らされる。
数日後、周瑜の陣営に劉備の甘夫人が逝去したという知らせが届く。それを聞いた周瑜は後妻として孫権の妹を差し出すという口実で劉備を呉に招き、そのまま監禁してしまおうという策を思いつく。劉備と引き換えに荊州を返すように要求するという強硬手段だったが、あくまでも偽りの約束という事で魯粛のとりなしから孫権もこの策を認める。早速劉備の下に孫権からの使いが訪れ、孫権の妹を劉備の後妻にと言われるが、劉備48歳に対し小妹はわずか18歳。年齢差がある事を理由に戸惑う。しかし孫側の説得は強く、劉備は諸葛亮の意見を仰ぐことにする。
■第52話「劉備、呉を訪ねる」
諸葛亮が下した判断は、この縁談を受けるべきとの事だった。孫権と劉備が姻戚関係にある事で曹操に対し強い同盟関係が出来上がった事を強く印象付けるとして有効だとする考えからだった。かくて劉備は縁談を受けることに決める。ところが孫権側からは、呉国太が娘を大そう案じていることから婚礼の儀は呉で行いたいと主張してきた。劉備が呉に行くとは思っていなかった諸葛亮は当初は難色を示す。占いをするもののその卦は全て凶と出てしまい、劉備が人質に取られてしまうことで不安材料しか無い。当然関羽と張飛も反対を示すが、孫権からの縁談を断ったことを口実に戦いに発展することも考えられ、万事休すの状態となってしまう。
そこで劉備は婚礼のために呉に赴く事を決断する。自らが不在の際の権限全ては諸葛亮に委ね、関羽と張飛に留守を命じる。二人が諸葛亮に対する心象は良いものでなく、趙雲が自らの婚礼の仲人を諸葛亮に頼むほど信頼している事も気に入らなかった。諸葛亮に対して不満を持つ二人を劉備は激怒し一喝、関羽と張飛も劉備の主張を聞き入れるしかなかった。劉備は諸葛亮に対し、自分が不在の時に二人が叛乱を起こした場合には2人を罰することも構わないと託す。覇業の前には兄弟の情などつまらないものだという劉備の度量の広さに諸葛亮は改めて感服し涙を流す。
かくて劉備は呉の都・南徐に旅立つこととなった。随行を任されたのは趙雲と孫乾の二人。旅立つ前に、諸葛亮は趙雲に三つの書を授けた。この先困ったことがあったらこの書を見て行動するように言い含め、諸葛亮は一行を送り出す。早速周瑜を警戒した東雲は、第一の書を開封する。それを読んだ趙雲は、最寄の都・盧江にて結納の品を購入する事を提案した。そして結納の品々を兵士たちに派手に買い付けさせ、劉備が婚礼のために呉へ入る事を大々的に知らしめた。この噂はたちまち広まり、婚礼について聞かされていなかった呉国太の耳にも入ることとなる。激怒した呉国太は早速孫権と周瑜を呼びつけるように命じる。
その頃追い風を受けて早船で劉備は南徐に入り、魯粛らからの歓待を受ける。実は劉備が南徐に到着する前に襲撃してしまおうという周瑜の作戦だったが、あまりの早足に劉備襲撃を命じられた呂蒙は魯粛の出迎えを見て断念する。それにやや遅れて南徐に入った周瑜は孫権に面会する。盧江で趙雲たちが噂を立てたせいで呉国太の耳にも婚礼の話が伝わった事を知らされた周瑜だが、それでもこの機に劉備を捕らえるべきだと主張する。しかし曹操と戦うために現時点で重要なのは劉備と結託することだと考える孫権はそれを良しとしなかった。それどころか周瑜の出すぎた振る舞いに、孫権は誰が一体この江東の地の主であるのかと問い質す。親友の弟とはいえ今や君主として君臨する孫権を前に、周瑜は言葉を失ってしまう。
<第53~55話みどころ>
劉備の婚礼が物語の中心となり、描かれるのも孫権とその周辺が中心となる。劉備の妻となる小妹、そして孫権や周瑜の憂鬱が描かれる。呉の中で一番冷静沈着で知力に長けている魯粛だが、それに勝るとも劣らぬ存在が呉国太である。親を敬う風潮が絶対であるこの時代にあって、それだけでなく仁と知に優れた女性としてその存在が見逃せないものとなる。果たして呉国太は劉備をどう見るのか。そして小妹は劉備を前にどう想うのか。久々に女性の登場人物も増え、婚礼の儀では華やかな映像が見られる。そしてこれまた久々に見られる劉備のアクションにも期待したい。
「三国志Three Kingdoms」は月曜から金曜の午後5時から放送。作品オフィシャルサイトでは予告篇とダイジェスト動画を公開中。
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