韓国史劇を変えた「チェオクの剣」の魅力的な主人公たち紹介:ハ・ジウォン編
ワイヤーアクションやコンピュータグラフィックスなどの技術を多用し、現在のフュージョン時代劇のはしりとなった「チェオクの剣」で、魅力的なキャラクターを演じた3人の主人公たちを紹介しよう!Youtube「MBCClassic」にて全話公開している。但し日本語字幕なし。
※この記事は、2008年にネット配信開始した時に書いた記事をリライトしたものです。
家柄の格の違いから、互いの気持ちを伝えられない上司と部下、ヒロインの部下には幼いころに生き別れた兄がいた。兄は、会社をのっとられた恨みを晴らすため、元社員たちと一矢を報おうと機会を狙っている。上司を愛しながらも、兄とは知らない男にも心を残す部下・・・。これが、チェオクの剣のあらすじ。衣装を背広に着替えればそのまま現代の復讐劇としても全く違和感のないストーリー展開。今回はそんな「チェオクの剣」の主役3人の魅力に迫ってみたい。
舞台は17世紀末の朝鮮王朝時代。最近では珍しくはないが、「チェオクの剣(茶母)」は制作、放送された2003年までの史劇(歴史ドラマや時代劇)は、男性を主役に据えた英雄伝か、女性をクローズアップしたものは、お家騒動やお世継ぎに絡んだ宮中の愛憎劇が多った。
「チェオクの剣」はこれまでの史劇とは大きく趣を異にしている。テーマを「愛」に絞込み、長編が多く冗長になりやすい歴史ドラマの中で、全14話とコンパクトにまとめ、テンポよく物語が展開する。ワイヤーアクションやコンピュータグラフィックスなどを多用し、韓国で初めてHDワイドスクリーン・5.1ch音声で放送した。ワイヤーが画面に映り込んだりするシーンもあったが、主役陣のアクションシーンの素晴らしさは、これを補って余りある。今では、なんでもないこれらの技法も、当時(2002年)は珍しく、「チェオクの剣」はこれまでの史劇の域を超えた「フュージョン時代劇」というジャンルを作り出した。
この新しい試みは若者の心を捉え、若い視聴者層から圧倒的な支持を取り付けた。あまりにドラマにはまりすぎたファンを「茶母廃人」と呼んだほどだ。若者達をこれほどまでに虜にした主役3人とはどんな俳優なのか?
茶母とは、役所などで下働きする女性のことで、主人公のチェオクは、今で言う警察署(捕盗庁)に属している茶母。しかし、その聡明さとずば抜けた武術の腕が認められ、犯罪事件の捜査で活躍する。今で言うなら腕利き女捜査官といったところ。このチェオクをハ・ジウォンが演じている。
ハ・ジウォン★ハ・ジウォン(1978年6月28日生、168cm、45kg、A型)
ハ・ジウォンはその類まれな表現力でデビュー以来、実にさまざまな役に体当たりしている。1997年にドラマ「大人たちは知らない」でデビューし、「学校2」で人気に火がついた。2000年には「真実ゲーム」で映画デビューを果たし大鐘賞新人賞を受賞している。その後は映画「リメンバー・ミー」で清龍映画祭女優助演賞を獲得。続けて映画「友引忌」「ボイス」と恐怖映画に出演し“ホラー・クイーン”の称号を授かり、スターの地位に上り詰めた。その後も演技の幅を広げ、ついに「チェオクの剣」で歴史ドラマに初主演する。その後は、「バリでの出来事」、映画「恋する神父」「デュエリスト」」などの作品で、日本でも絶大な人気を集める女優となった。若手トップスターのカン・ドンウォンと共演した「デュエリスト」は、この「チェオクの剣」がモチーフになって映画化された作品だ。このあとの作品で、妓生(キーセン)の生涯を描いた「ファン・ジニ」はNHKで放送された。ハ・ジウォンは「ファン・ジニ」でKBS演技大賞を受賞している。
その後も「海雲台(邦題:TSUNAMI)」や「第7鉱区」といったアクション映画に多数出演。
そういえば、ドラマ、映画の各分野での新人賞を全てさらったのはハ・ジウォン、彼女だけではなかっただろうか。
最近では、先ごろ(2012.8.16)NHKBSプレミアムで最終回を放送したばかりの、ヒョンビンと共演した大ヒット作「シークレット・ガーデン」などで、日本でも人気爆発中。
ハ・ジウォンは、セクシーさと純粋さ、残忍な微笑と優しい涙など、複合的なイメージを表現豊かに演じきれる貴重な女優として、映画やドラマで欠かせない存在となっている。次回は、男性二人の主役に迫る!
【作品詳細】【「チェオクの剣」を2倍楽しむ】
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■作品紹介
話数:全 14話
制作:MBC
著作:(C) MBC&iMBC All right reserved.
放送年:2003年
監督/演出:イ・ジェギュ
脚本:チョン・ヒョンス
出演者:ハ・ジウォン、イ・ソジン、キム・ミンジュン
◇BS-TBS「チェオクの剣」
◇Youtube「다모(茶母) - The Legendary Police Woman」字幕なし