講和を前に吉田は、マッカーサーは…「負けて、勝つ~戦後を創った男・吉田茂~」最終回予告動画と前回のあらすじ-NHK

2012年10月06日10時03分ドラマ

10月6日、NHKのドラマ「負けて、勝つ~戦後を創った男・吉田茂~」は最終回を放送、朝鮮戦争の長期化の懸念はアメリカとの講和内容にも大きく影響を与え、吉田は苦境に立たされる。アメリカ側は再軍備を日本に要求するが、吉田は講和に向けて妥協点は無いかと模索を始める。一方、朝鮮戦争の拡大路線を掲げたマッカーサーは大統領と対立してしまう。日本もアメリカも、一つの転換期に立たされていた。
<最終回みどころ>
戦後、独立までの道のりの大詰めが描かれる最終回では、政治家としての吉田と私人・吉田の両面がより掘り下げて描かれる。そしてマッカーサーも吉田と同じように家族の問題を抱えながら日本に駐留を続ける苦しい状態が続く。当時の状況を踏まえつつ、吉田とその家族たち、そして柴田と慶子の行く末など登場人物の歩む道が見守られる。

■第4回あらすじ
吉田の側近・柴田達彦(永井大)は幼なじみの慶子がいる置屋に足しげく通っていた。慶子の病は柴田の援助で癒えた。置屋の女将は柴田と一緒になればいいと投げやりに言うが、慶子は自分の家族は日本国に殺されたと言い放ち、官僚である柴田に頑なだった。そんな慶子に柴田は、日本は軍隊を持たない平和憲法を作ったのだと胸を張って主張するのだった。吉田はアメリカとの講和に向けて周囲に優秀な人材を集めていた。その中に大蔵大臣秘書官を務め、戦時中は隠れて英語の辞書を読んでいたとする宮澤喜一(尾上寛之)も加わっていた。そんな中、マッカーサーは日本国憲法の第9条は自衛権を放棄するものではないという声明を出す。ソ連・中国という二大共産大国と国境を接する日本は資本主義の防波堤として決して死守せねばならぬ場所であり、軍隊を持たないことは不都合であるとマッカーサーは考えたのだった。吉田は再び戦争の予感を抱くのだった。マッカーサーの声明は新聞などでも大々的に報じられていた。ある時慶子を訪れた柴田は、「嘘つき」と書かれた書置きを見つけて呆然とする。吉田は国としてもこの声明を支持する方向に向かった。街頭で物乞いをする健一(田中圭)はラジオでこれを聞き、大きく失望する。小銭の入った空き缶を抱えて雨の中小走りに帰宅する健一は人にぶつかってしまう。それは吉田家の使用人であった。この事から吉田家にいた和子(鈴木杏)が健一の境遇を知る事になる。和子は思いつめて自宅に戻った吉田の部屋に行く。同席していた白洲次郎(谷原章介)は席を外そうとしたが、吉田はその場に留め置いた。そこで吉田は和子から健一が乞食に身を落としている現状を知らされる。一国の大事であるとはいえ、吉田にとっては息子の事である。和子にわかったとだけ吉田は告げる。和子は早速健一を訪ねた。父か来るから部屋を片付けるようにと言う和子に、健一は文句を言いつつも父と久々に話せる機会だとして期待を込めて掃除をはじめた。そこへ誰かが訪ねて来た。玄関の戸を開けるとそこに立っていたのは白洲だった。白洲は健一に金を渡し、吉田は国の一大事であることを説明した。一度は金の受け取りを拒否した健一も、白洲の強硬な態度に受け取らざるを得なかった。白洲は早速健一を訪問して心配はないと吉田に告げた。勝手な振る舞いをした白洲を吉田は一喝するが、白洲が同時にもたらした情報に飛びついた。アメリカ国内では早期に講和をして撤退したい政府と軍隊を日本に残したい国防省とで意見が二分しているとのことだった。吉田はマッカーサーを飛び越してワシントンの政府と直接交渉をする手段を取ろうとする。そして白洲と宮沢、池田隼人(小市慢太郎)をアメリカに派遣することを決めた。
その頃、マッカーサーも家庭に問題を抱えていた。アメリカに一刻も早く帰国したい妻と子が鬱屈とした日々を送っていたが、分割統治をする朝鮮半島の情勢が不穏であるために帰国することが出来ずにいた。マッカーサーは英語を話せる吉田の娘と交際して見聞を広めてはどうかと妻に進言するが、妻は吉田が総理大臣であることも知らずにいた。そしてアメリカに渡った白洲たちは、政府と講和について極秘裏に交渉を始めていた。吉田は講和の条件として、アメリカ軍が日本に駐留する事を認める旨を盛り込んでいた。アメリカが去ると軍隊を持たない日本はあっという間に侵略されてしまう危険があり、それを回避するための苦肉の策であった。そしてアメリカのダレス国務長官が来日し、講和に向けて本格的な会談が始まる。アメリカで池田からの話を聞いているダレスは、アメリカ軍が日本に駐留していいのか問い質す。吉田はそれをのらりくらりと交わし、少しでも講和を有利に進めようとしていた。その状況にあって、衝撃的なニュースがもたらされる。北朝鮮軍が韓国への侵攻を始めたのだった。背後には共産圏を拡大したいソ連の意向があるのは明らかだった。アメリカは直ちに日本へ駐留する米兵たちを韓国に派遣する。それと同時にマッカーサーは警察予備隊の設置を吉田に要求してくる。法律上は警察組織の強化であるが、実質は軍隊と変わらぬ兵力を持たせる事は目に見えていた。朝鮮戦争の余波がいつ来るか分からない現状ではやむを得ずとして吉田も警察予備隊の存在を認めるしかなかった。警察予備隊のトップとしてアメリカ側から推挙されたのは服部卓四郎(吉田栄作)だった。旧陸軍で東条英機の参謀を務め、ガダルカナル線の大敗の原因とされる男だった。服部台頭の裏にはGHQのウィロビー第二参謀部部長の推挙だった。共産党を毛嫌いするウィロビーは、警察予備隊に旧陸軍出身者を多く採用するために、戦犯公職追放を解除させていた。吉田はこれに真っ向から反発し、旧陸軍の復活を阻止しなければならないとする。吉田はマッカーサーに直訴し、公職追放の解除をしないことを約束する。そしてその上で警察予備隊隊員7万5千人を公募することを決めた。応募には33万人も集まり、採用は着々と進められていった。そうやって組織された警察予備隊の訓練内容は、どう見ても軍隊の再来にしか見えなかった。そんなある日、自由党本部に服部が訪ねて来た。自分以上に警察予備隊の責任者に相応しいものはいないのに何故邪魔をするのかと詰問してくる服部に、居合わせた白洲はガダルカナルでの服部の非を指摘して一生即発の状態になる。騒ぎを聞きつけた吉田は服部に座るように一喝する。自分を任官するように迫る服部に、日本を護ることは軍隊を作ることではないと言い放つ。吉田は二度と戦地に国民を送らないと決意していた。その考えは服部と相容れないものであったが、吉田の気迫に押された服部は席を立つ。拳銃を所持していた服部との対話を暴挙であると白洲は諌めたが、とりあえず服部排除には成功した形となった。
挑戦での戦況はアメリカ軍に有利で、マッカーサー家には戦勝が知らされるものの、息子はアメリカに帰国できるかどうかにしか興味は無かった。日本は朝鮮戦争特需に沸き、繊維業や工業などが驚異的な伸びを見せて輸出は前年の倍に迫っていた。敗戦で荒れ果てた日本経済は皮肉な事に戦争特需で復活しようとしていた。その頃、慶子は柴田に米軍人のポールの安否を尋ねていた。慶子はポールに結婚を言い寄られていた。柴田はポールがアメリカに妻子を残していると事実を告げながらも、ポールは戦死したことを明かすのだった。慶子は激しく取り乱す。そのお腹にはポールとの子が宿っていた。戦況が安定したことでマッカーサーは日本に帰国、妻子にアメリカに帰る事を告げるとようやく妻子に笑顔が戻り、マッカーサーは安堵する。戦勝の状態で本国に帰ればマッカーサーの面目も立つというものだった。一方、吉田家では久しぶりに吉田が孫の太郎らと戯れていた。そこへ健一が久々に訪れ、吉田と対面した。庭に植えた楓の樹は健一が生まれた時に植えたものだと思い出話をする吉田に、健一は気弱になっていると吉田に言い放ち、政治の不満をぶつけるのだった。庶民の目線の健一の言葉に、吉田はついに我慢出来なくなり、健一に掴みかかりながら板挟みにあう政治家の心境を激しくぶつけた。ついに吉田は健一をけり倒し自分も倒れてしまう。そんな時、白洲から電話が入る。持病で痛む胸を抱えながら電話に出た吉田は、朝鮮戦争に中国が参加した事を知らされる。この結果、アメリカ軍は一転して後退する戦況となっていた。マッカーサーは当初の言を翻しての中国参戦に苛立ち、原爆投下も辞さないと強硬姿勢を取るのだった。

ドラマ「負けて、勝つ~戦後を創った男・吉田茂~」最終回は6日(土)9時から10時13分まで放送。予告動画はドラマ公式サイト「次回予告・各回のあらすじ」で視聴出来る。NHKオンデマンドでは翌9日午後6時から見逃し番組で配信予定。

負けて、勝つ~戦後を創った男・吉田茂~|NHK土曜ドラマスペシャル
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