最終回に寄せて…「王女の男」第24話あらすじとダイジェスト動画!ドラマの元になった説話“錦溪筆談”とは?
昨夜16日(日)感動の最終回を放送したドラマ「王女の男」…全編が見どころの感動のラストだったが、もう一度思い出したい方、または惜しくも見逃した方のために第24話の詳しいあらすじと見どころを紹介!番組サイトにはダイジェスト動画が見られるので、あわせてチェックを。また、ドラマの原作となった説話“錦溪筆談”についても紹介しよう。
■第24話「永遠の愛」あらすじ
単身砦に向かったセリョンは、反乱軍の見張りによって命を絶たれそうになるが、スンユが現れ救われる。スンユはセリョンを「私の妻だ」と言って反乱軍の仲間に紹介する。
セリョンの情報によりシン・ミョン率いる官軍が来ることを知った反乱軍は、罠を張ってミョン達を迎え撃ち、ミョンをかばった忠実な部下ジャボンが息絶える。
戦いの後、「戦いで血まみれになることもある。そんな時、俺は獣なのか人なのかわからなくなる」スンユの言葉に、「私にはこの上なく愛しい方です」とセリョン。大軍が押し寄せることを予感したスンユは、セリョンを都の僧法寺へ帰す。セリョンは「必ず生きてください」と言葉を残し従った。
ついに反乱軍と官軍との全面対決が始まった。激戦の中スンユとミョンが一騎打ちで戦うその時、ハン・ミョンフェがスンユとミョンに向けて矢を放った。「官軍なぜお前に矢を放つ?!」、矢を受けたミョンを連れて逃げようとするスンユに、ミョンは「なぜ助ける…お前たちはいつも俺に惨めな思いをさせる。先にジョンに会いに行く…」と言い、スンユを守って全身に矢を受け、息絶える。
悲しむスンユは、都の守りが手薄になっているこの機に首陽(世祖)を狙うことに。しかし、スンユの去った砦では裏切り者が出て、同志のイ・シンエは「必ず、大義を果たせ」という言葉を残し捕まってしまう。
その頃増法寺でキョンヘ王女と合流したセリョンは、お腹にスンユの子を宿していることに気付く。先代王の端宗の夢を見た首陽は増法寺に向かう。首陽が宮殿を出たと知ったスンユはチャンスとばかりに首陽を討ちに行く。同行するというソクチュを断ったスンユは「兄貴にはもっと大切なことを頼みたい。僧法寺には妻がいる。俺が死んでも首陽が死んでも妻は不幸になる。妻を頼む。どうか妻を1人にせずに支えてほしい…」と、セリョンをソクチュに頼んだ。一人で行くのかというソクチュに、「私はいつも苦しかった…息もできなかった。もう荷を下ろしたい。誰も代わることのできぬ俺だけの戦いだ」スンユが辛い胸の内を吐きだした。
増法寺で首陽と思わぬ再会を果たしたセリョンは、首陽に身ごもったことを知られ、「私の夫です」ときっぱりと言いのける。怒る首陽はセリョンを軟禁し、仏の前でキム・ジョンソとの因縁を呪う。そんな首陽の喉元にスンユの刃が…。首陽は、大義の前に大勢の人を殺めたスンスは自分と同じだといい、さらに「セリョンが身ごもった」という言葉でスンユの心を惑わした。捕らわれたスンユに命乞いをすれば助けてやるという首陽に唾を吐いたスンユが斬り殺されようとしたその瞬間、セリョンが現れ、スンユは明日処刑されることに。セリョンは入牢させられているスンユと再会。瀕死の夫の口元には優しい笑みが。「一緒に遠くに逃げようとは言いません…辛い思いをさせたあなたに、せめて最後は望むとおりに…」とセリョン。「あの世へ行って父とジョンに会ったら、最後まで守ってくれた女人がいたと話すつもりだ」スンユが答える。そっと妻のお腹に手を当て、二人は心で会話する。(なぜ言わなかったのか)(ご存じなのですか?)「生まれかわってもどうか俺を忘れないでくれ…」静かに目を閉じるスンユ。「先生、一緒にいきます…」。
ソクチュ達がスンユとセリョンが墓参りをする。反乱は失敗に終わった。しかし世祖(首陽)も眠れぬ日が続きすっかり老いてしまった。世祖は王妃と湯治に向かう途中、街で、セリョンに似た幼い娘を連れたスンユを見て輿を止める。牢の中の2人を死んだことにして王妃が逃がしたのだった。スンユの向かった先は、妻セリョンが待つ我が家。スンユの目は光を失っていた。穏やかに幸せそうに見つめあう二人を世祖は木の陰から見ていた。「そなたがしたことか?」王妃に尋ねる王の顔は穏やかだった。
野原を歩く2人…「途中でやめたことを後悔していませんか」「光を失ったが、心を取り戻した。復讐は挫折したが、そなたを得た」。「怖くはありませんか」「そなたと一緒なら…怖くはない」ふたりは馬に乗り草原を走る。「情とは一体、何かと世に問うてみた…私はこう答える…何のためらいもなく生死を共にさせるもの…それがまさに情だと…」スンユのあの扇に認めた詩だ。
■豆知識:「錦溪筆談」って?
ドラマ「薯童謠-ソドンヨ」が元になる説話があったように、本作も「錦溪筆談(クムゲピルダム=금계필담)」という説話が元になっている。これは1873年(高宗10)に、ソ・ユヨン(徐有英=서유영)が書いた歴代の王都関連した説話集の中の一つ。韓国のウィキペディアに詳しく掲載されているので、以下に要約したので参考にどうぞ。(韓国ウィキペディア「姫の男(공주의 남자)」の章)
朝鮮初期、世祖王は甥である端宗を遠く江原道に流刑に処したが、王女はこの政変を良しとしなかった。世祖は王女が政事に口出ししたと憤慨し殺そうとする。母がそれを知り、「王女はもう王室の子孫ではない。平民として遠くで暮らしなさい」と、内緒で召使とともに大金を持たせて逃がした。
逃げ延びた先で、王女はある家にたどり着く。哀れに思った男は、自分の部屋を王女に提供し、自分は台所で眠るという優しさを見せ、王女は召使と相談し、その男と一生を共にすることに。月日は流れて、王女と男の間に男児が生まれると、王女は初めて自分の身分と、内緒にしなければならなかった理由を告げた。
話しを聞いた男は、自分こそがキム・ジョンソの孫で、自分も逃げ延びてここで暮らしていたと語る。
…世祖はとある女が道端に伏して泣いているのを見つけ、それが自分が殺そうと思った王女だと気付く。長い年月が立ち、自分の過ちを悟った世祖は常に王女のことが気がかりだった。そんな王は、再会した王女の結婚生活を承諾した。
本作は正史とフィクションをうまくミックスしており、ミョンやスンユも実在の人物で、スンユはキム・ジョンソの三男として実在しているが、説話では孫となっている。
韓国のウィキペディアには、このあたりの事情も詳しく紹介しているので、韓国語が得意な方は原文をチェックしてみては?また、ネットで“錦溪筆談”または“錦渓筆談”で検索すれば熱心なファンの方のサイトがあるので、そちらも参考すれば、さらに詳しい当時の様子がわかる。
■最終回に寄せて
最終回は冒頭からしてすべてが見どころでした。砦で捕らわれたセリョンの頬に懐かしい夫の手が触れる場面。夫(スンユ)に危険を知らせるために、女一人命がけで駆け付けた妻(セリョン)に、「それを言いに来たのか?」と半ばあきれながらも感激のスンユ。その後の「私の妻です」の力強い言葉にセリョンは、深い愛を感じたはず。
こうした二人の強い愛が、母である王妃の心を揺らし、ドラマのラストのような物語に続いたのでしょう。
最終回は、スンユの弱音もたくさん聞かれました。特に、ソクチュに激白した思いは、セリョンが首陽の娘と知ってずっと抱き続けた思いでしょう。スンユは、首陽に家族だけでなく、結局は親友のジョン、そしてミョンまで殺されてしまう。殺しても殺したりないほど憎い相手だろうが、「大義のために大勢の人を殺めたお前も同じ穴のムジナ」という首陽の発言は、優しいスンユには、セリョンの妊娠と同じくらい辛かったはず。
ジョンも哀れだが、ミョンも哀れだった。抗えない親たちの抗争に巻き込まれた、彼もまた被害者だった。友も、愛する女性も、信頼する部下も、そして最後には自分の命も狙われたのだから…。
「王女の男」は、いかがでしたか?当サイトには、この最終回に対して、「感動はしたが、敵討ちの本懐を遂げなかったエンディングにちょっとがっかりした」という厳しい声も届きました。しかし筆者は、韓国歴史ドラマに多い悲しい結末ではなく、美しい穏やかなエンディングを選んだことに拍手を送りたいです「。もっともその代償としてスンユは光を失い、愛する妻と娘の顔も見ることはできなくなってしまったので、一概に穏やかともいえないでしょうが…。それでも正史とロマンスをミックスしたみごとなエンディングだったと思います。指輪、扇子、馬…小道具などの使い方も素敵でしたが、やはり何よりも、居並ぶ名優たちをも霞ませるパク・シフとムン・チェウォンの美貌と演技が素晴らしい作品でした。100点つけても足りない大お勧めの一作です!
12月23日(日)、30日(日)午後9時00分~10時00分からは、BSプレミアムにて「王女の男」総集編(前・後編)が放送されます。再放送は、BSプレミアムにて1月5日(土)、12日(土)午前8時30分~9時30分から。コーナーでは、これにあわせて、「最終回の時代背景」やキャストの紹介をするのでお楽しみに。
◇NHKBSプレミアム「王女の男」番組サイト
【作品詳細】【「王女の男」を2倍楽しむ】