33作目は「一筆変身」 3世代で楽しめる「侍戦隊シンケンジャー」
33作目のテーマは「和風」―。いまや特撮ものの定番中の定番、15日から始まった戦隊シリーズ最新作「侍戦隊シンケンジャー」(テレビ朝日系)は、刀を片手に5人の侍が正義と平和を守るため戦う。
この世とあの世の隙間、三途の川からこの世を恐怖に陥れようと襲ってくる悪の集団外道衆。これまで何百年もの間、たびたび現れる奴らを退治し、人知れずこの世を守ってきた5人の侍がいた。
時は流れ現代、再び、強力な力を得て襲ってきた外道衆に立ち向かうため、散り散りになっていた侍の子孫たちは、そのリーダーである志葉家十八代目の若き当主、シンケンレッド・志葉丈瑠の元に家臣としてはせ参じ、再び平和を守るべく立ち上がる。
これまでの戦隊ものと比べはっきり違うのは、レッドが「殿様」で他の4人が「家臣」という、明確な上下関係が存在するという初期設定だ。この、いわば時代錯誤の上下関係に、昔からの家訓と真面目に従うメンバーもいれば、強い違和感から殿様に反発する現代っ子のメンバーもいる。それらの個性がこれからの物語にどう絡んでいくかが見どころの一つだろう。
そして重要なキーワードとなるのが、シンケンジャーの力の源となる「モジカラ」。先端が毛筆になっている携帯電話型変身アイテム「書道ホン」を片手に持ち、それぞれのメンバーが持つ属性「火」「水」「天」「木」「土」の文字を筆書きすることで、シンケンジャーに変身するのだ。さらに「大」と書くと強力な大型マシン「折神」が出現するなど、何をするにもまず「一筆啓上」なのである。
シンケンジャーの武器にも、レッドの大太刀、ブルーの弓、ピンクの扇、グリーンの槍、イエローの手裏剣と、ふんだんに「和」の要素が取り入れられている。これらを武器に侍ならでは、東映の伝統である殺陣とど派手なCGとワイヤーアクションによる迫力満点のバトルが展開する。さらに次回第2話では5体の折神が合体した巨大ロボットが登場し、巨大ビルを一刀両断というシーンも見られるようだ。
キャストには、レッド役の松坂桃李(とうり)ら本作デビューという若手イケメン俳優陣が居並ぶ中、水戸黄門の格さんでおなじみ、ベテラン時代劇俳優・伊吹悟郎が「ジイ」として脇を固めている。第1話冒頭ではいきなり「こちらにおわす方は~」と、期待通りのセリフをしゃべってくれた。ヒーロー大好きの子供やイケメン目当てのお母さんだけでなく、今度は時代劇好きなおじいちゃん、おばあちゃんまで3世代のファンを取り込もうという狙いだ。
さらに役名には「志葉(しば)」「池波」と、時代劇ファンをニヤリとさせる名詞も。このような遊び心は、長くつづいてきた戦隊ものの人気を不動にしてきた良き伝統と言えるだろう。
これまでにありそうでなかった、「和風」を前面に日本の伝統的様式美と斬新な映像表現が織りなす新戦隊の活躍に注目だ。
その制作発表の模様は東映特撮BBにて、また次回予告動画はテレビ朝日の公式サイトにてご覧いただきたい。
東映特撮BB「「侍戦隊シンケンジャー」:制作発表
テレビ朝日「侍戦隊シンケンジャー公式サイト」:次回予告動画