葵（小西真奈美）殺しを捜査することになった平四郎（岸谷五朗）は葵に恨みを持つおふじ（遊井亮子）と孫八（なだぎ武）を疑うが弓之助（加部亜門）は別なことを考えていた！平四郎は全ての鍵を握る総右衛門（鶴見辰吾）に会いに行くのだが…NHK12日（木）夜8時「ぼんくら2」第4話放送、最新話はNHKオンデマンドにて配信。

かつて民放が放送していた時代劇のように、正義が悪を征するお決まりのシーンがあるわけではないが、NHKの木曜時代劇枠は良質なドラマを毎回放送している。10月クールで始まった「ぼんくら2」もその一つ。昨年10月クールで放送された続編である。岸谷五朗演じる同心・井筒平四郎が、弓之助（加部亜門）と一緒に謎を解き明かすミステリーだが、それ以外にも江戸に住む庶民の生活、人々の人情が丁寧に描かれており、好感が持てるドラマである。
特に、幸兵衛長屋で煮売り屋を営む松坂慶子演じるお徳がいい。まるで橋田壽賀子ドラマに登場しそうなほど、おせっかいなオバさんだが、困っている人を見ると放っておけない心優しいオバさんで、ドラマに登場するだけで心が和む。

松坂慶子といえば、かつてスレンダーなナイスバディーを惜しげもなく披露した『火宅の人』（1986）で緒形拳相手に大胆なラブシーンを演じて話題となった。1982年に公開された『蒲田行進曲』では、日本アカデミー賞最優秀主演女優賞、キネマ旬報主演女優賞、毎日映画コンクール主演女優賞を受賞。日本映画界を代表する実力派女優の筆頭に上がる存在だった。
近年は、すっかりオバさん化してしまったが、美しさと上品さは衰えることがない。昔では考えられないような“気の良いオバちゃん”役などもこなし、ドラマや映画で活躍し続けている大女優である。

このドラマの見所の1つ、何気ない会話だがお徳と平四郎のやり取りはたのしい。巡回中、お徳の店に立ち寄っておいしいものを食べ、近隣の情報収集がてら長屋の住人らと気軽に話をする平四郎。お徳という大きな存在が、「ぼんくら」の要になっていることは間違いない。

■前回のあらすじ
湊屋総右衛門（鶴見辰吾）の妻・おふじ（遊井亮子）のひと言で、佐吉（風間俊介）が葵（小西真奈美）の亡骸を目の当たりにすることになったと知った平四郎（岸谷五朗）は、葵殺害事件を捜査するため、現場を管轄する同心・佐伯錠之介（嶋田久作）に筋を通そうと、もてなしをすることにし、お徳（松坂慶子）に一切を任すことにした。
平四郎は総右衛門が早々に佐吉を犯人だと決めつけたのには裏がある。誰かを庇っているのではないかと考えていた。
一方、葵の付き人だったお六（西尾まり）に話を聞く平四郎と弓之助（加部亜門）は、お六が葵の下で働くようになった経緯を聞いた。
4年前、亭主を病であっけなく失ったお六に縁談が持ち込まれた。相手は死んだ亭主と同じ職場で働いていた孫八（なだぎ武）。しかしお六はその縁談を断った。するとお六の奉公先に来て暴れた孫八。その場は収まったがお六は仕事を失った。その後、縁あって葵のお世話をすることになったお六。2人の娘と住み込みで働けるとあって、お六にとっては好条件だった。しばらくは平穏な毎日を過ごしていたが、ある日孫八が現れた。これまでの経緯を葵に相談したお六。すると葵はお六に50両の借金があることにし、借金の肩代わりをしなければお六に会わせない、と孫八に言おうと提案。さらに葵は、「亭主が死んだことに疑いを持たなかったのかい？孫八がお前を手に入れるため、殺したのかもしれない」と言った。
しかし孫八は更なる強行手段に出た。お六の娘を連れ去ったのだ。葵は久兵衛（志賀廣太郎）にあることを頼んだ。この地に古くから言い伝えがある“子盗り鬼”に孫八を襲わせたのだ。娘たちは無事戻ったが、その後孫八は行方不明になった。

■第4話「穏やかなる死体」あらすじ
葵（小西真奈美）殺害事件を調べるため、管轄の同心・佐々木錠之介（嶋田久作）に筋を通した平四郎（岸谷五朗）は、葵に恨みを持つおふじ（遊井亮子）や孫八（なだぎ武）らが怪しいと考えた。しかし弓之助（加部亜門）は整然とした殺害現場を見て、これだ誰からが何らかの間違いで起こした突発的な犯行だったのでは、と推理する。そこで平四郎は湊屋総右衛門（鶴見辰吾）に話を危機に行くのだが…。

NHK総合 11月12日（木）夜8時より「ぼんくら2」（全7話）第4話を放送。再放送は17日（火）午後2時5分より放送。宮部みゆき著『日暮らし』（講談社文庫刊）原作。出演：岸谷五朗、奥貫薫、風間俊介、小西真奈美、志賀廣太郎、遊井亮子、村川絵梨、合田雅吏、植本潤、加部亜門、高村竜馬、鶴見辰吾、大杉漣、松坂慶子ほか。NHKオンデマンドにて見逃し配信中。

◇NHK総合 木曜時代劇「ぼんくら2 」番組公式サイト
◇NHKオンデマンド公式サイト

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