えくぼスマイルを封印したチュウォンの衝撃のリベンジスリラー『あいつだ』試写レポ!予告動画
4月16日(土)公開の最愛の妹を殺した男を追い詰めるチュウォン主演の究極のリベンジスリラー『あいつだ』を一足先に試写したのでレポート!映画公式サイトに予告動画が公開されている。
チュウォンといえば視聴率50%超えの「製パン王キム・タック」をはじめ、「グッド・ドクター」「カクシタル」「ヨンパリ」など、高視聴率ドラマに主演またはメインキャストとして出演し、韓国では“視聴率王子”などと呼ばれる人気俳優。日本でも映像化された人気コミックをドラ化した「のだめカンタービレ~ネイル カンタービレ」にも主演し、人気、実力ともに抜群の若手俳優だ。そんな彼のトレードマークは、少年のようなえくぼを見せた笑顔。自閉症の青年医師役を演じた「グッド・ドクター」では天使のような笑顔が視聴者のハートを癒してくれた。
そんな彼が映画『あいつだ』では、チャームポイントの笑顔を封印し、8㎏体重を増やしてこれまで見せたことのないワイルドな姿でジャンウになりきった。話す言葉も慶尚道(キョンサンド)なまりを駆使。慶尚道のなまりといえば「製パン王キム・タック」で主人公タックの少年時代を演じたオ・ジェムが使って絶賛された方言だ。(方言について詳しくはコチラで紹介)
チュウォンはこの方言を完璧マスターするために、暇さえあれば劇中刑事役のソ・ヒョンウから手ほどきを受けていたそうだ。
『あいつだ』は、行方不明になって3日後に遺体になって戻ってきた最愛の妹を殺した犯人を探すジャンウの執念の物語を描いた映画。チュウォンが演じたのは被害者の兄ジャンウ役。
ジャンウ(チュウォン)がどれほど妹を可愛がっていたをどう見せるのかが、映画の成否を決定づける。ジャンウが、弁当を持ってきた妹にちょっかいを出す職場の先輩を完膚なきまでに叩きのめすシーンで“掴み”はバッチリ!妹を守るための冒頭の暴れっぷりもすごかったが、終盤で妹を守れなかった兄として犯人との壮絶な格闘シーンも手に汗握る迫力。ドラマ「カクシタル」の華麗なアクションとは一味もふた味も違う泥臭くリアルに仕上がっている。
もちろん、見どころはアクションだけでない。ジャンウ(チュウォン)はある理由で留置場に入れられ、薬剤師のミンと向き合うことになる。ミンを演じたのは、『王の男』『公共の敵』などの作品で日本でもよく知られるユ・ヘジン。昨年は『パイレーツ』で大鐘賞映画祭の助演男優賞を獲得した名優で、一時期、女優キム・ヘスとの熱愛報道で注目を集め、別れ方もスマートだと男っぷりを上げた実力派俳優だ。主役を喰う名バイプレーヤーといわれるユ・ヘジンとの鉄格子を挟んでの神経戦はハラハラドキドキ。
ストーリーだけ見るとよくある復讐・報復物語だが、そうしたリベンジものと一線を画しているのが、実際に起こりうる事件と巫女や韓国固有の民間信仰の儀式をモチーフにしているところ。
本作は、韓国に古くから伝わる死者を弔う儀式“薦度祭(チョンドジェ)”という儀式の中で起きた不思議な事象がきっかけで誕生した。1999年女子大生殺人事件が起き、この儀式が行われた。ところが儀式の途中で、一人の青年を犯人と特定するような不思議な事象が起きた。女子大生の父親は、半年間粘り強く追跡。だが結局犯人であることの証明ができなかったが、父親の切実な思いを感じたユン・ジョンヒョン監督は、この話を映画にすることを決心し、本作が誕生したのだ。詳しくはこちらの【映画紹介】で。
そして、このモチーフをみごとに具現したのが女優イ・ユヨンだ。彼女は、2014年映画『アトリエの春』でスクリーンデビューし、大鐘賞映画祭をはじめ各映画賞の新人女優賞を総なめにした期待の新人。本作では陰湿で影のある巫女役で観る者に恐怖心を与えた。
チュウォンのファンはもちろん、アクション、スリラー、復讐劇などの映画ファンにはたまらない一作。4月16日(土)の劇場公開をお楽しみに。
■作品紹介
出演:
チュウォン「ヨンパリ」『ファッションキング』
ユ・ヘジン『ベテラン』『パイレーツ』
イ・ユヨン『アトリエの春、昼下がりの裸婦』
監督:ユン・ジョンヒョン『モクトゥギ・ビデオ』(短編映画)
2015年/韓国/カラー/韓国語/109分
原題그놈이다 英題FATAL INTUITION
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