資金繰りに苦しむ中小企業と地方銀行との融資をめぐる攻防を追ったNHK「追跡！A to Z　銀行　融資をめぐる攻防」（5月30日放映）が、NHKオンデマンド見逃し番組サービスにて配信中だ。視聴料は315円（税込み）。

100年に1度と言われる不況に見舞われる中で、資金不足で倒産に追い込まれる企業が後を絶たない。大手自動車メーカーの下請け業者では受注激減し、従業員の給与支払いすらままならない事態に追い込まれているケースが繰り返される。運転資金を確保するため融資の上乗せを請う企業側に対し、地銀サイドは「地元への支援」を掲げながら、返済の見通しの立たない状況に二の足を踏まざるを得ないジレンマに襲われる。

番組取材班は地銀の融資部にカメラを入れ、中小企業との生々しい交渉の現場や、融資部内での厳しい言葉の飛び交うやりとりに密着する。次々と持ち込まれる融資の要望に対し、担保となりそうな少ない手がかりを探りながら、不良債権化の憂き目を防ぐためのギリギリのリスクテイクを融資部員は取引先に迫るケースも。

「貸し渋り」「貸し剥がし」など、とかく悪役に祭り上げられがちな銀行だが、リポートでは大手行と取引先との板挟みに苦しむ地銀ならではの姿も垣間見られるなど、「善悪」では片付けられない実態が浮かび上がってくる。

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