土下座の世子の外交手腕は?ソンを救った西学って?「秘密の扉」第16話<失脚>あらすじと見どころ!予告動画

2018年12月15日10時00分ドラマ
(C)SBS

キム・テクが用意した清への献上品の高麗人参が腐っていたことでピンチの世子ソン!これこそが老論派が仕組んだ世子廃位への作戦だった…だが、その作戦を利用してソンがみごと逆転!朝廷復帰を賭けたソンの外交手腕は?「秘密の扉」第16話のあらすじと見どころを紹介!DVD-BOXも好評発売中で、商品サイトに予告動画が公開されている。

「あらすじ」を読んでから視聴されても楽しめるように配慮しておりますが、詳しいあらすじを知りたくない方は、「見どころ」と「豆知識」だけご覧になって、「あらすじ」は視聴後の確認用にどうぞ。
また、※朝鮮時代劇が始めての方や、もっと詳しく知りたい方は【「秘密の扉」を2倍楽しむ】の「(2)時代背景」 の①~③を呼んでおくことをお勧めします。

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■キャスト
英祖役:ハン・ソッキュ【声・てらそままさき】
イ・ソン(思悼世子)役:イ・ジェフン【声・川田紳司】
ソ・ジダム役:ユン・ソヒ/キム・ユジョン【声・小松未可子】
恵慶宮ホン氏役:パク・ウンビン【声・合田絵利】
ナ・チョルチュ役:キム・ミンジョン【声・山本兼平】
チェ・ジェゴン役:チェ・ウォニョン【声・中村章吾】

■第16話の前に
▼英祖は世子ソンに「難題を抱えた清との外交」において朝廷復帰を賭けたチャンスを与えた。だが英祖はこの交渉の失敗を見込んで、朝廷から追い払ったイ・ジョンソンら外交に長けた少論派を呼び寄せていた。そして、ソンが交渉に失敗した後、英祖が彼らと共に決着をつけることで、老論派を牽制して王権を強化しようと目論んでいた。
▼キム・テクの手先として動いていたピョン・ジョンイルは、捨て駒扱いに嫌気がさし、ナ・チョルチュが結成した反体制組織・鳴砂団の一員となっていた。ジダムを密告したのも、ジダムを王宮に潜入させ、王と世子の動きと警備の人数や配置を調べさせるための作戦だった。
▼世子という身分を顧みず、いつも危険なことをしてきたソン。そんな夫に裏切られたと文句をいう世子妃ホン氏。ソンがジダムを大切に思う心が、民を憐れむ自責の念からだと聞いたホン氏は、ジダムを代筆担当の女官・封書内人として自ら匿うことにした。
▼高価な高麗人参を献上品にすることで使臣団を懐柔しようと、ソンに協力の姿勢を見せたキム・テク。だが、これはソンを失脚させるための罠だった。鳴砂商団に家屋3軒分の対価を払って、数時間後に腐る新鮮な高麗人参を調達させたのだ。

■第16話「失脚」
清の使臣たちは腐った高麗人参を見て激怒。すぐに帰国すると席を立つが、ソンは土下座をして彼らを引き止め、再び交渉の機会を得る。だは、ソンの土下座が王室の尊厳を傷つけたと英祖を激怒させ、臣下たちの間からも反発を招いてしまう。世子の座を捨てても清の怒りを説くべきというホン・ゲヒに、なんとしても世子の座と国益厳守を目指すとソン。
そんな中、使臣の落とし物を拾ったソンは、商人イ・ダルソンを訪ね、これが西学信者(キリスト教信者)の証である黙珠(ロザリオ)だと知る。その頃、キム・テクは新たな世子を擁立しようと画策していた。これを知ったソンは、キム・テクらの野心を利用して逆転を狙う。まず、ソンは訓錬都監で武官たちと酒宴を開き、ミン・ウソプは父ベクサンに、ソンが清と戦を始めるつもりだと報告する。報告を受けたキム・テクは多額の銀貨とソンが執筆したという「兵法書」を持参して、使臣の元へ出向き…。その頃、ソンは秘密の部屋で西学の祈祷文を熱心に練習していた。

翌日、使臣団が急きょ現れ、「清を手中にすれば世子の座は安泰」といった世子の言質をとって、世子の誥命取り消しを言い出す。ピンチに立たされたソンは袂(たもと)からあるものを差し出し…。
ソンの“共感”の外交力で、清との交渉は大成功を収める。誰よりも驚いたのは英祖だった。使臣は最高の賛辞でソンを褒め称え、キム・テクから賄賂を受けたことを暴露する。そのころ、ミン・ウソプは役人を率いてキム・テク邸を訪れていた。

罪人として尋問の場に引きずり出されたキム・テク。英祖は、剣をソンに差し出し、逆賊キム・テクの処刑を命じる。剣を手にしたソンは…。

■見どころ
清の使臣団に土下座するソンの決意の表情と言葉をお聴き逃しなく。王宮中が反感を持ったこの土下座をジダムはどうとらえるのか?
今回は、側近のキム尚膳との会話で、英祖の老獪な外交戦略を聞くことができる。後半、ソンの“共感”で勝ち取ったそれとの違いを確認しよう。
ところで世子妃ホン氏と父バンハンとの会話の中で“貢女”という言葉が出てくるが、これはドラマ「奇皇后」でも描かれた中国への人間の献上品として女性を差し出すこと。
今回は、ソンとキム・テクとの騙し騙されの頭脳戦が展開されるが、世子の側近ミン・ウソプの立場がなんとも辛い。父ベクサンへの報告をどんな思いでしたのか?今後、ミン親子の関係にも注目しよう。
ソンとホン氏の夫婦の絆がどんどん深まる。全てが解決し父の顔に戻ったソンを頼もしそうに見つめる妻・ホン氏がかわいい。

■豆知識:土下座の世子を救った西学って?
●世子の土下座
激怒した英祖が、“丙子年の戦”や明=文明国、清=野蛮国を熱弁。16代王・仁祖の治世当時は“崇明排清”の思想を掲げ、明に近い西人派が実権を握っていた。そんな朝鮮に不信感を持った清が朝鮮侵攻し、その結果、朝鮮は清との間で屈辱的な関係を結ぶことになってしまったのだ。詳しくはコチラで解説しているので参考にどうぞ
朝鮮王朝「崇明排清」が生んだ悲劇
屈辱の王・仁祖と朝鮮王朝中期を考える!
当時を舞台にしたドラマに「推奴-チュノ-」「華政」がある。他にどんなラマがあるかは、「ドラマの年表:朝鮮王朝」で確認できる。
●西学
西洋の自然科学、西洋思想、天主教(キリスト教/カトリック)など総称し西学と呼んだ。16世紀後半からイエズス会(修道会)が、中国や日本などに宣教師を派遣し布教活動をさせた。その際に多くの西欧文化も伝わった。劇中の使臣の“新らたな朝鮮”の言葉には、清を野蛮国と見る朝鮮の中で、いち早く西学を取り入れた清から文化を学びたいといった世子の姿勢をさしている。

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※この記事は2016.04.21~05.25 月~金 14:59-15:59にBSフジ(全24話版)で放送したときに紹介したものをリライトしています。