「元祖ロマンポルノ女優」白川和子の大人の色気と、艶やかな色香に溢れた初期作品を公開
日活ロマンポルノ第一弾作品『団地妻 昼下りの情事』(1971)に主演し、その後、20作品に主演した白川和子(1947年生まれ)。まさに「ロマンポルノは彼女から始まった」といえる。
白川和子は、もともと大学在学中に「平凡パンチ」のセミヌードで話題となり、小劇団に所属しつつ、ピンク映画に出演していった。その数、200本以上というから、ロマンポルノ出演以前に、すでに「ピンク映画の女王」だったのである。
ただ、ピンク映画界でその名は知られていたものの、一般に知られるまでにはいかなかった。世の男性に「白川和子」の名を知らしめたのは、ロマンポルノに出て以降である。
しかし、彼女は一年半の間に20作品に出演した後、結婚を機に女優業を引退してしまう。閃光のようなきらめきを残して、ロマンポルノを後にするのである。ちなみに、白川和子が再びスクリーンに蘇るのは、ロマンポルノとも関わりの深い長谷川和彦の監督第一作『青春の殺人者』(1976)であった。
今回、ロマンポルノ初期、僅か一年半という短い出演期間でありながら功績の大きい白川出演の20作品から、最初と最後の作品、それにもう一本を選び、「白川和子特集」として「アミューズメントサイト Viena(ビーナ)」が6月19日(金)より公開をスタート。ロマンポルノ特集としては第五弾である。
『団地妻 昼下りの情事』(1971)は、言わずと知れたロマンポルノ第一作。監督は西村昭五郎。
郊外の団地を舞台とし、そこに暮らす普通の主婦が人妻売春へと落ちていく様を描く。西村昭五郎は、この後にロマンポルノを84作品の監督を務め、これが最多監督記録である。
もう一本は『一条さゆり 濡れた欲情』(1972)。実在のストリッパー、一条さゆりの引退興行という設定に、若きストリッパーたちの思惑、一人立ちする姿を描いている。
一条さゆりの後釜を狙うストリッパーには伊佐山ひろ子が扮し、白川和子はこの伊佐山のレズショーの相方役である。
監督は神代辰巳で、長く不遇の時代を過ごしていたが、この作品で日活ロマンポルノの代表的監督となる。
三本目は『実録白川和子 裸の履歴書』(1973)で、タイトル通り、白川自身の生き方を題材とした作品である。そして「引退記念映画」でもあった。
小劇団からピンク映画出演へと至る過程、そして結婚話が決まるまでがセミ・ドキュメント風に描かれていく。共演として殿山泰司などが出ているのも楽しい。監督は、いくつものロマンポルノの佳作を作った曾根中生。
ロマンポルノの基礎を築いた名女優、白川和子の大人の色香を再び観てみたい。
Viena 特集第五弾:ロマンポルノは彼女から始まった 白川和子特集