女の子に学ぶチャンスを! ユニセフが動画で呼びかけ

2009年07月10日16時58分社会
(C)UNICEF/NYHQ2007-1086/Noorani

「女の子の登校率が上がると 子どもの死亡率が下がる。」…サイトを開くと、こんなキャッチコピーが飛び込んでくる。これは、日本ユニセフ協会が今年の夏特集として始めた、女子生徒の学習機会の向上を目指して呼びかけている特設サイトだ。
ユニセフによれば、世界ではまだ多くの社会で男女の役割を分ける伝統的な習慣や、男女の差別が残っており、「女の子は早く結婚して家に入るべき」「家事に学校の勉強は役立たない」という考え方が根強いという。また、貧困も女子教育を遅らせる大きな要素となっており、兄弟姉妹全員を学校に通わせる余裕がない家庭はどうしても男子生徒を優先的に送り出すためとされている。

そこで、ユニセフは「女子教育の普及により、子どもの死亡率を減らせる」とインパクトのあるキャッチコピーをつけ、女子教育の持つ大きな意義について伝えている。
それによると、女子生徒が学校に通うことで、人間としての尊厳を確認し、自分に自信を持てるようになるほか、健康に関する知識を学習することで、病気やHIVなどから身を守ることもできるという。さらに、出産に関する知識も得て、子どもの死亡率を下げられるという。また、実際に女子教育に力を入れた国は経済的にも豊かになり、国内総生産が向上するというデータもある。「女は教育より家庭の仕事」という発想が古いことは統計的にも証明されているということなのだ。

さらに、ユニセフは特設サイトの中で、2組の少女を紹介。片方はアフガニスタン・カンダハールにて、母親をなくしながらもユニセフの支援で学校に通うことができたマリカとジャミアの暮らしを紹介。もう片方はアルゼンチンにて、14歳で母親になったロミーナの暮らしを紹介。自身の母の再婚相手からの虐待を逃れて路上生活を始めたものの、ユニセフの支援で学校に通えるようになり、自身の考え方も変わったという。

識字率がほぼ100%で、明治以来公教育の充実度は世界有数と言われる日本。世界各国に目を向けることで、我々の「当たり前」が「掛け替えのないもの」であることを再認識しなければならない。動画の視聴は下記サイトへ。

女の子に学ぶチャンスを!:日本ユニセフ協会/2009年夏特集