7月27日、メルセデス・ベンツは期間限定でわずか75台を生産し、同ブランドの中で最もエクストリームな走行性能を誇る「メルセデス・ベンツSLR スターリングモス」がサーキットで走行する姿をYouTubeで公開した。

メルセデス・ベンツSLR スターリングモスは、英国のレーシングチーム、マクラーレン（McLaren）とメルセデスが共同で開発した究極のロードゴーイング・スポーツカー、メルセデス・ベンツ SLRマクラーレン（価格は約6000万円）をベース車両とし、さらにそのポテンシャルに磨きをかけた一台。SLR スターリングモスは、往年のレースカー名車である300SLRをデザインモチーフとし、ルーフはもちろんフロントウィンドウからサイドウィンドウまでも省略し、ストイックなスピードスタースタイリングを採る。ゆえにサーキットではレーサーよろしくヘルメット装着が必要だ。ドアはガルウィングに近く、斜め上方へ、はばたくように開く。排気パイプはフェンダーからサイド出し。限りなくレースカーに近い一台である。

圧巻なのは、やはりそのパフォーマンス。メルセデスのチューニングブランドAMGが手掛けた排気量5.4L V8エンジンはスーパーチャージャーにより過給され、最大出力650PS、最大トル83.6Kgmという途方もない出力を叩き出す。高剛性フルカーボンボディはSLRマクラーレン比で300kg以上も軽い1550kg。0-100km/h加速は実に3.5秒、最高速度350km/h。120km/h以上からのブレーキングでは格納式のエアブレーキも作動する。泣く子も黙る究極的なパフォーマンスだ。熟達したドライバーがステアリングを握り、サーキットで解き放たなくては、そのパフォーマンスは全開にできないだろう。

ということで今回YouTubeで公開された「メルセデス・ベンツSLR スターリングモス」走行舞台はハイスピード・サーキット。ドライバーはメルセデスDTMのレーサー、ブルーノ・スペングラーが担当。ブルーノが動画の中で見せてくれる、極太のトルク特性を活かした豪快なパワースライド走行は、現役レーサーならではのダイナミックなものだ。停止していても美しいSLR スターリングモスだが、やはり走っている姿はさらに美しい。

SLRスターリングモスは期間限定で75台のみ生産。キーの行方はSLRシリーズのオーナーに限られる。価格は75万ユーロ、日本円換算で約1億円。価格も究極だ。SLR スターリングモス走行映像は下記リンクより、メルセデス・ベンツのYouTube公式サイトにて。

YouTube MercedesBenzTV