名優・森繁久彌逝く、家康を演じた「関ヶ原」TBSオンデマンドで配信

2009年11月10日20時39分ドラマ
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日本を代表する俳優として、映画、舞台テレビなど幅広い分野で長年活躍した森繁久彌さんが10日、老衰のため死去した。96歳だった。森繁さんが出演した数あるドラマの中では、1981年にTBSで放送された「関ヶ原」(全・中・後編)が現在、TBSオンデマンドで見ることができる。視聴料金は各420円(税込み)。

「関ヶ原」は1981年、TBS創立30周年記念作品として正月ドラマとして制作された3部作420分に及ぶ民放史上に残る超大作。司馬遼太郎の同名原作を、加藤剛、森繁久彌、三國連太郎、三船敏郎、宇野重吉、三田佳子、杉村春子、沢村貞子、辰巳龍太郎、丹波哲郎などなど、そうそうたるオールスターキャストでドラマ化した、時代劇ファの間で今も伝説と語り継がれている作品だ。

森繁さんが演じたのは東軍の総大将・徳川家康。物語は加藤剛演じる石田三成を軸に展開するが、豊臣政権を実務面で支えてきた生真面目一辺倒の三成を“豊臣株式会社の社長付き秘書”とするなら、家康は秀吉の跡目を虎視眈々と狙う“狡猾な筆頭副社長”という図式で描かれていく。

加藤清正、福島正則ら武闘派に追われて伏見の家康邸に駆け込んだ三成に対し、余裕の態度で接する家康の表情。上杉家の筆頭家老・直江兼続の書状に怒り狂う家康など、老優ならではの表情の使い分けは見事そのもの。中でも、上杉討伐への出陣を控えた前夜、伏見城で留守居役を務める長年連れ添った家臣・鳥居元忠(芦田伸介)との別れのシーンは、作品全体におけるクライマックスの一つだ。

森繁さんの持つユーモラスさと演じ込みの深さが存分に味わえる、往時を偲ぶにふさわしい作品といえるだろう。

TBS創立30周年記念ドラマ「関ヶ原 第一夜 夢のまた夢」 TBSオンデマンド