日本のITは目覚めるのか-テレ東・ワールドビジネスサテライト動画

2010年03月18日12時24分政治・経済
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日本のIT産業がアメリカや韓国から立ち後れてしまった原因はどこにあるのか、歴史を知る関係者の証言から検証する、テレビ東京・「ワールドビジネスサテライト」の特集「目覚めよ!ニッポンIT」第一夜、第二夜の動画が、番組公式サイトに配信されている。

日本では公的機関でのIT化が課題となっている一方、今やアジアのIT大国となった韓国では、ネットを通じた無料住民票発行サービスなど、電子政府化が着々と進んでいる。さらに教育現場や図書館、医療現場などで幅広い分野で進む同国のIT化は、日本とは数段違う印象だ。

1980~90年代にかけて世界を席巻したエレクトロニクス大国だったはずの日本が、ITの流れに脱皮できなかったのはなぜなのか。世界のIT化の最中にソニーのCEOを務めた出井伸之氏は、製品作りにこだわるあまりに、全く違う形態の企業がでていたことについて行けなかったと回想する。そして、Googleのような、ハードメーカーでもソフトメーカーでもない、プラットフォームを提供する会社が日本に一つもないことを指摘する。

それでも、日本でもかつてパソコンの共通規格「MSX」など、プラットフォームを模索する動きはあった。しかし、そこに欠落していたものは「通信」だったと、アスキー創業者の西和彦氏は語る。その当時それに気付いた日本の関係者はほとんどいなかったという。

しかしそんな中でも、日本のIT分野に新たな動きが訪れている。先頃日本での本格サービスを表明したクラウド型ソフト「Evernote」には、国内の各種メーカーで対応アプリケーションが早くもリリースされた。Evernoteのフィル・リービンCEOは、関連製品を作り出す速さと創意工夫に驚いたと語る一方、一つのソフトメーカーが産業界全体に影響をに与える仕組みに、日本でも注目が集まる。

そんなポスト・Evernote的な起業の芽生えが、福岡のベンチャー企業に起こっている。地元NPOが立ち上げた「aipカフェ」には、若いITクリエーターらが集まる。系列企業からの下請け仕事が多い中で、このような空間で同志が集まり、横のつながりを作ることから、新たな技術や規格が生まれる可能性に彼らは期待する。

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