JAXA、新しいX線天体を発見した全天X線監視装置MAXIなどをダイジェストビデオで公開

2010年10月29日17時58分暮らしと文化
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宇宙航空研究開発機構(JAXA)の宇宙ステーション・きぼう広報・情報センターは、ビデオライブラリ「SPACE@NAVI-Kibo WEEKLY NEWS 第115号」を公開、「きぼう」日本実験棟に設置された全天X線監視装置(Monitor of All-sky X-ray Image: MAXI)によって発見されたX線天体を特集し、筑波宇宙センター特別公開イベントの様子や、きぼうで行われている実験情報なども紹介する。
MAXIミッションチームが、MAXIで新しいX線新星を発見したのは10月17日で、9月25日に発見されたMAXI J1659-152に続き2個目となる。
このX線新星は、ケンタウルス座に出現したもので、10月17日ごろから明るくなりはじめ、新星が暗かったことから数日間かけて観測したデータを分析し、位置情報を日本時間10月20日午後8時過ぎに天文電報を通じて世界に速報した。
この速報を受けて、NASAの天文衛星Swiftが緊急追跡観測を10月21日午前0時から実施した結果、今までに知られていない明るいX線源であることを確認し、この天体は銀河系内の数万光年以上の遠方にある大質量星を伴星とする中性子星、または、ブラックホールである可能性が高いと予測された。
MAXIは、国際宇宙ステーション(ISS)のきぼう日本実験棟の船外実験プラットフォームに取り付けられており、MAXIの視野はISSの進行方向と天頂方向。ISSが約90分で地球を1周する間に、全天を観測することができる。
MAXIチームは、JAXA、理化学研究所、国内の大学の研究者による純日本チームだが、JAXAのX線衛星「すざく」とならび、アメリカ、イギリス、イタリアを中心とするSwiftチームとも緊密な連携を結んで観測を進めている。
今回の発見は、MAXIチームのメンバーである山岡和貴助教(青山学院大学)とSwiftチームのJamie A. Kennea博士(Penn-State大学)が中心となって行った。
ビデオでは、MAXIチームメンバーのコメント映像も収録されている。

ビデオライブラリ「SPACE@NAVI-Kibo WEEKLY NEWS 第115号」