感動の最終回!兵どもの夢の跡は…「千秋太后」第80話あらすじと見どころ動画-BS朝日
カン・ジョが高麗の大将軍として散り、ヤン・ギュとキム・スックンも見事な最期を遂げ、契丹軍を撤退させることに成功した。いよいよ最終回は、長きに亘った戦が終わり、顕宗により戦後の決着がつけられる。最終回は、11月22日BS朝日にて、正午から放送。
ドラマ原作およびDVDは全78話ですが、BS朝日では最後の4話を6話に編集して全80話で放送しています。[2倍楽しむ]はテレビの放送にあわせて紹介しますが、放送内容と一部ずれが生じる場合もあることをご理解ください。
第80話(最終回)
長きに渡る戦が終わり、これ以上人の命を犠牲にしたくないと考える顕宗は、戦時中に自分を裏切ったキム・シモンらに温情を施す。ところが、そんなありえない温情を受けた輩が、戦死者への追贈を発表した顕宗に対して、「カン・ジョはなりません!」と猛反対をする。これに対して穆宗はこれ以上の政争を避けるため、「カン・ジョの件は、穆宗殺害の真相がわかってから…」ということであえてうやむやにする。さらに、富国強兵策も見送りになってしまう。こうなれば、「穆宗殺害冤罪」は、憎っきイ・ヒョンとアン・ペの自白でしか晴らす手立てはなかった。
そんなイ・ヒョンたちは、忠臣ユ・チュンジョン内官によって命を落とす。ユ内官の命を賭した仇討ちを、決してお見逃しのないように。涙腺決壊間違いなしの感動場面となっている。この仇討ちで、名将ハン・ゴンジンも命を落とすことになる。果たしてユ内官はどんな方法でカン・ジョの恨みを晴らしたのか…。
しかし皮肉にも、この命がけの仇討ちが、カン・ジョの「穆宗殺害容疑」を晴らす最後の手がかりも奪ってしまった。
カン・ジョの汚名も晴らせず、命がけで推進してきた富国強兵策も見送られたスに、最後の望みは、キム・チヤンとの子・黄州小君を連れ帰って強い国を築くことだけだった。また、謀反を起こそうというのか!これではチヤンと同じではないか!スはこれをカン・ガムチャンに相談するが、もちろんそんなことガムチャンが納得するはずはない。スは、女真人の村にトギョンを訪ね、息子を返してくれるように頼む。いまや族の将来を担う後継者となった黄州小君を族長もトギョンも手放すことはなかった。スが何より辛かったのは、肝心のわが子がトギョンを母として慕い、実母である自分にまったく見向きもしないことだった。
スは、カン・ジョの遺骨を川に撒き、長きに亘った戦いの日々に自ら幕を閉じた。
それから8年後、契丹が攻め入ってくるが、71歳のカン・ガムチャンが、見事に撃退する。歴史に残る「亀州の戦い」だ。10万の兵で攻め入った契丹軍は、逃げ帰るときには数千人しか残らない大敗した。これがきっかけで両国は講和へと歩み寄ることになり、高麗に平和が訪れた。
最終回に寄せて
ここから先は、ドラマのまとめとなります。そのため、ストーリー、台詞などの相当部分をネタばれします。気になる方は、ドラマ視聴後にお読みください。もちろん、読んでからドラマをみても十分楽しめるよう配慮しています。
10代から始まったスの凄惨な人生。歴史ドラマの常として「結果が決まっている」だけに、視聴者にとっては納得のいかない結末も受け入れざるを得ない。そんな中、一番の心残りはカン・ジョの“穆宗殺害冤罪”だろう。これに関して、スが、彼の遺骨を川に撒くシーンで素敵な言葉を残している。語りはじめが“カン教官”で最後が“カン将軍”になっているところに、共に生きた時間の長さと、彼に寄せた信頼の深さが感じられる。
カン教官、あなたのおかげで夢に向かって進めました。
私を支えてくれたあなたの汚名を晴らせそうもありません。
カン将軍、歴史はあなたを逆徒と記録するかもしれません。
でもさびしく思わないでください。あなたが汚名を着るならば
私もあなたのおそばで、その汚名をあなたとともに背負います。
カン・ジョは歴史に「第7代王・穆宗殺害」の首謀者として名を残している。世に言う「康兆の政変」である。スもまた妖婦として否定的に記されている。カン・ガムチャンはドラマの中で“ス擁護派”として登場させているが、視聴者もすでにお気づきだろうが、彼は決してスの味方ではない。実際に、スに対して随分手厳しい対応もしている。“新羅系臣僚”という、共通の敵がいたからこそ二人は味方でいられたのかもしれない。
Licensed by KBS JAPAN.(c)KBS All rights reserved新解釈の歴史ドラマを観るたびに「歴史は勝者が作ったもの」という言葉をいやというほど思い知らされる。もちろん、この時点での歴史の勝者はカン・ガムチャンであり、顕宗である。勝者の側に“カン・ジョ擁護”の意識がもっと高ければ、歴史の1ページも変わっていたかもしれない。
最終回では、成人した黄州小君との感動の再会シーンも描かれている。最後にもうひとつ、スの印象的な台詞があるので紹介しよう。スが農事をする顕宗を訪ねた場面。
確かに今は平和な時代のようです。
今後は剣を持つ者ではなく、農具を持つ者が必要とされるでしょう。
私のような者は何の役にも立たぬ世です。
私はこの地に染み込んだ汚い泥水なのです。
私の時代は去りました。
陛下は最後まで手入れをして、実りを収穫なさい。
私の望みはもうそれだけです。
長い歴史の一点で、スは高麗の戦乱の時代を生き抜き、顕宗は新しい扉を開けて平和の時代を長く治めた。ドラマの年表(統一新羅・渤海・高麗)で確認しよう。
物語としてはスの“無念の結末”となってしまったが、この台詞でそれが救われている。最後のこのシーンでは、農事に勤しむ顕宗をスが手伝い、カン・ガムチャンが側で見守るという形で締めくくられる。熊まで登場させた大草原で始まったドラマ「千秋太后」は、豊かな田園風景で幕を閉じた。
本作は、歴史の敗者(ス)を主人公に据えたドラマの結末によく見る、主人公の無念の死、非業の最期を持ってくるのではなく、主人公を勝者二人(カン・ガムチャンと顕宗)と絡ませ、穏やかなエンディングにした演出が光った。また、登場人物一人一人の描き方もとても丁寧ですばらしく、脇役に焦点を当てたスピンオフも見てみたいと思わせるすばらしい仕上がりとなっている。
少々早過ぎたのでは?と思わせたヒロインの交替時期、男性主役の交通事故による台本の見直し、そのためか、物語の展開に途中少しもたつき感もあったが、後半部の盛り上がりはそれらをすべて補っても余りあるほどのすばらしさで、さすが“大河のKBS”と唸らせてくれる見事な作品だった。(2010年11月20日「千秋太后」を2倍楽しむ-完)
7月から始まった見どころ紹介も、今回で完結です。ドラマの中に登場する、新羅、高句麗、伽耶といった国を舞台に描いたドラマの紹介も、[韓ドラここが知りたい!]のコーナーにたくさんあります。ドラマの年表(三国時代)、ドラマの年表(朝鮮王朝時代)でチェックしましょう。どうぞ、そちらもあわせてご覧ください。また、コーナーでは、ドラマのタイトルからも記事が探せるようになりました。→[ドラマのタイトルから探す]
長い間のお付き合いありがとうございました。本シリーズの感想やご意見などはこちらからどうぞ。
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※ 「千秋太后」公式サイト 見どころ動画公開
※ BS朝日「千秋太后」番組サイト
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Licensed by KBS JAPAN.(c)KBS All rights reserved【PR】DVD情報
「千秋太后」DVD-BOX1 8月4日以降、順次発売予定(全8BOX)
発売元:コリア・エンターテインメント/デジコア
詳しくは、「千秋太后」DVD-BOXのコーナーで紹介。
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