王の涙…奇跡の治療法を求めて!「イ・サン」第73-74話あらすじと見どころ動画-NHK
サンとソンヨンの息子ヒャンは正式な王位後継者、世子(セジャ)と定められて、ソンヨンも正三品の昭容(ソヨン)から側室としての最高位の正一品の宜嬪(ウィビン)に格上げとなった。(側室の身分については、豆知識の「◆宮女の身分」を参照) また、サンは父の墓を移動した水原華城に遷都するための準備を着々と進めていた。
第73、74話は、サンを演じたイ・ソジンにこれまでで一番悲しかった、といわせた場面が放送される回。女優ハン・ジミンのソンヨンが乗り移ったような迫真の演技も見逃せない。実際に泣きはらしたような目が印象的だ。ソンヨンと向き合ったサンの男泣きのシーン、テスの悲痛な心の叫び…視聴者も心してかからないと、明日は泣きはらした目が開かないかもしれない。また、遷都のための築城に向けてチョン・ヤギョンが、次々と驚きの発明品を考案していくのもみどころだ。
今回から最終回まで、これまでよりネタばれが多くなります。気になる方は、ドラマ視聴後にお読みください。もちろん、ネタばれしてもドラマが楽しめるように配慮しております。
第73話:悲劇再び
この回のオープニングは、サンとソンヨンとヒャンの幸せな暮らしぶりから始まる。しかし、どうもその映像が気になる。まるで過去の出来事を映しているかのようだ…。
(c)2007-8 MBC嫌な予感は的中するもので、ソンヨンとヒャンが2人でいるシーンからドラマは悲しい展開を見ることになる。ヒャンが、はしかにかかって危篤状態に陥ってしまったのだ。これは「朝鮮王朝実録」にも残っている事実で、73話が始まってほんの10分もたたないうちに、ヒャンは天に召されていく。(「朝鮮王朝実録」については豆知識の「◆歴史記録書」で紹介している) ヒャンの死因については“はしか”と記されているが、老論派による毒殺、もしくは内医院を抱き込んだ老論派によって適切な手当てをさせなかったためとの説もある。
ヒャンの荷物が東宮殿から運び出されるシーンで、サンが悲しみに顔を背ける姿がなんとも辛い。宮中が悲しみに包まれる中、ソンヨンは食事をしっかり取り薬も欠かさず飲んでいた。ソンヨンは二人目の子を懐妊していたのだ。しかし、なぜか女医による脈診だけは拒んでいた。ソンヨンは、医学書で自分がある病気を患っていることを悟っていたのだ。(さすが「チャングムの誓い」で女医役を演じただけのことはある) それでも一抹の望みを託して、テスに町医者を呼びに行かせるシーンが切ない。果たして町医者の診たては…。
一方、サンに水原(スウォン)での築城を任されたチョン・ヤギョンは着々と準備を進めていた。重くもろい石に比べて軽く丈夫なレンガを発明する。何者かが情報を盗み出そうとするが、ソッキとジャンボがこれを未遂で終わらせ、新軍事組織となった壮勇衛(チャンヨンウィ)が貞純大妃の隠れ家のひとつをみごと始末する。
そんな中ソンヨンの体調はますます悪化していた。彼女を心配するサンやヒョイ王妃の目をごまかすことが出来なくなったソンヨンは、療養に行くという名目でサンのそばから離れる決意をする。ソンヨンの病気を知らないサンはソンヨンの望みを叶えてやる。さあ、このままソンヨンとサンとは永遠の別れになるのか?しかし、今回もテスが2人の別れを防いだ。サンのそばを離れようとした理由を話すソンヨンに、搾り出すような声で胸のうちを吐き出すサンの言葉には、涙腺決壊間違いなし。サンの男泣きのシーンをお見逃しなく。
第74話:最後の肖像画
サンは国中に治療法を探し、ヒョイ王妃は1ヶ月間1日も欠かさず三千拝を捧げてソンヨンの回復を祈ったが、ソンヨンの病は悪化の一途をたどった。なんとしてもソンヨンを失いたくない、というサンの強い気持ちが彼の全身から噴き出しているようだ。遂にサンは当時未知の分野の西洋医学にまで救いを求める。西洋医学の手術を残酷な医療行為という言葉に、ふと日本のドラマ「JIN-仁-」を思い出した。
(c)2007-8 MBC唯一の治療法を求めてテスが清国に発つ日、サンに余計な心配をかけたくないと引き止めるソンヨンに、テスが言った言葉が彼女の胸を打った。テスに与えられた時間は1ヶ月!この1ヶ月の間にソンヨンはもっとも彼女らしい方法で、サンへの愛を形に残そうとする。そして、幼い子を諭すような言葉でサンにある約束をさせる。果たしてソンヨンの愛の形と、サンにさせた約束とは…。
サンが狙われたときも、ソンヨンが誘拐されたときも、ホン・グギョンの判決文を読み上げるときも、いつもテスが守ってくれた。今度もテスは清国から名医を連れてくるのか?その日までソンヨンの命の灯火は消えないでいてくれるのか…。
イ・ビョンフン監督は、ドラマのいたるところに布石を打つ名人だが、ここで最高の布石を使ってしまう。これまでサンとソンヨンとの愛のシーンで何度も活躍した思い出の帯を使うシーンは、どうぞ落涙、嗚咽、号泣、悲泣、哀哭…お好きな形でお泣きください。m(__)m
宮中が悲しむ中、サンは必死で悲しみをこらえ、横たわるソンヨンの手に愛の帯を結びながら静かに語る。サンの言葉を一言一句お聞き逃しのないように。
この後のサンはこれまで以上に政務に打ち込んだ。チョン・ヤギョンもサンの期待にこたえるように忙しく立ち働いていた。さて、監督は前シーンであまりにも視聴者を悲しませすぎたお詫びのつもりか、ほんの一瞬サンのカワイイ姿を見せてくれる。報告会にヤギョンが遅れて駆けつけるシーンで見られるのでお見逃しなく。
これまで準備してきた改革も徐々に姿を明らかにしてきた。ここでヤギョンはとてつもない機械を考案する。歴史にも残る華城の城郭は何もかもこれまでの城とは違っていた。レンガを使ったのも華城がはじめてで、城壁が低いことも珍しい。これまでは敵兵が上ってこないように、塀を高くしてきたが、華城では大砲の攻撃に耐えられるように低くした。防御ではなく攻撃型の築城だ。そして驚くべきは、こうした画期的な工夫を凝らした築城に、わずか28ヶ月しかかかっていないということだ。それを可能にしたのが、ヤギョンが考案した「挙重機」にある。ところで、第13話で橋の工事があったのを覚えておいでだろうか。あそこで大きな石を運ぶ大変さを見せているのは、この「挙重機」のための布石と見るのはちと考えすぎだろうか。
ともかくこの機械のおかげで、工期は大幅に短縮され、同時に王の親衛部隊は壮勇衛から壮勇営となりますます強固な部隊となった。
ついにそのときは来た!サンは重臣たちの前で、華城を第二の都市にすることを発表した。もちろん現在の都、漢城で甘い汁を十分吸っている老論派の重臣たちは猛反対をするが、サンは聞き入れない。いよいよサンの理想の国造りのための計画が実行される。
そして、それは貞純大妃たち老論派にとって、最後の生き残りをかけた戦いのスタートでもあった。
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