JAXA、古川聡宇宙飛行士の最新情報とISS長期滞在中に実施する実験についてダイジェストビデオで紹介

2011年06月01日22時46分暮らしと文化
ソユーズ宇宙船(27S)を確認する古川宇宙飛行士ら27S
クルー(S.P.Korolev RSC Energia)

宇宙航空研究開発機構(JAXA)の宇宙ステーション・きぼう広報・情報センターは、「SPACE@NAVI-Kibo WEEKLY NEWS 第134号」を公開、古川聡宇宙飛行士の最新情報と国際宇宙ステーション(ISS)長期滞在中に予定されているミッション内容について簡単に紹介する。

同宇宙飛行士は、6月8日午前5時15分にカザフスタン・バイコヌール宇宙基地からソユーズ宇宙船(27S/TMA-02M)で打ち上げられ、第28次/第29次長期滞在クルーのフライトエンジニアとしてISSに約5か月半滞在する。
同宇宙飛行士は、ISS長期滞在に向けた最終訓練を行うためにアメリカからロシアへ移動し、ガガーリン宇宙飛行士訓練センター(Gagarin Cosmonaut Training Center: GCTC)で、ISSのロシアモジュールとソユーズ宇宙船に関わる訓練を行った。
訓練期間中には、シミュレータを用いてソユーズ宇宙船の操作方法などを確認するソユーズ統合シミュレーション訓練の模様が報道関係者向けに公開された。
訓練公開当日には、記者会見も行われ、同宇宙飛行士は長期滞在への意気込みを語っている。
訓練公開には、ISS長期滞在に向けてGCTCで訓練を行っていた星出彰彦宇宙飛行士も立ち会い、報道関係者に対して訓練内容や訓練設備について解説した。

古川宇宙飛行士がISS長期滞在中に行われる実験は、以下のとおり。
科学利用分野は、「植物の重力依存的成長制御を担うオーキシン排出キャリア動態の解析(CsPINs)」。重力形態形成に関わると考えられている「CsPIN1」と、水分屈性に関わると考えられている「CsPIN5」に着目し、その働きを明らかにする。
「マランゴニ対流におけるカオス・乱流とその遷移過程(Marangoni EXP)」と「マランゴニ対流における時空間構造(Marangoni UVP)」は、マランゴニ対流(表面張力により引き起こされる対流)のメカニズム解明に向けた基礎データを取得する。
「微小重力下におけるTLZ法による均一組成SiGe結晶育成の研究(Hicari)」は、熱対流の影響を受けない宇宙ならではの環境を利用して、高品質の半導体結晶を育成。JAXAが独自に研究開発に取り組んできた、「TLZ法」という育成方法の有効性を検証する。

応用利用分野は、「微小重力環境を利用した2次元ナノテンプレートの作製(2DNT)」。宇宙でナノレベルの物質(ペプチド-PEG)を板状のプレート(基板)の上に規則的に配列させて、凹凸(マスクパターン)を作る。
「創薬・医療に繋がるタンパク質結晶生成実験(PCG)」は、対流や沈降のない微小重力環境を利用して高品質なタンパク質結晶を生成する。

医学実験は、「国際宇宙ステーションに滞在する宇宙飛行士の身体真菌叢評価(Myco)」。宇宙飛行士がISS滞在中に呼吸によって体内に取り込んだり、環境中の空気に曝露されることで皮膚に付着する微生物叢の変化を評価する。
「長期宇宙滞在宇宙飛行士の毛髪分析による医学生物学的影響に関する研究(Hair)」は、宇宙環境による人体への影響を、毛髪分析から評価し、宇宙飛行士の健康管理に役立てる。
「長期宇宙飛行時における心臓自律神経活動に関する研究(Biological Rhythms)」は、長期宇宙滞在する飛行士の24時間心電図記録を行い、生物学的リズムの変動と、睡眠中における心臓の休息度などを評価し、宇宙飛行士の健康管理技術の向上に役立てる。
「宇宙医学実験支援システムの機能検証」は、取得した医学データを宇宙医学実験支援システムに取り込み、古川宇宙飛行士の医師の視点から、操作性、データインターフェースの信頼性など、利便性を検証し、今後の軌道上における運用へ向けた課題を抽出する。
「宇宙放射線計測(「きぼう」船内および個人被ばく)」は、きぼう船内の宇宙放射線環境の計測と、宇宙飛行士搭乗時の被ばく線量を計測する。
「骨量減少・尿路結石予防対策実験(Bisphosphonates)」は、骨粗鬆症の治療薬(ビスフォスフォネート)を用いて、長期宇宙飛行の骨量減少と尿路結石リスクを軽減させる。

ビデオライブラリ「SPACE@NAVI-Kibo WEEKLY NEWS 第134号」





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