来日記念でライブ映像も一挙配信!ギターの神様・エリック・クラプトン、その波乱万丈キャリアに迫る!

2008年12月30日21時10分音楽

あの”スローハンド”をもって世界にその名を鳴らすギターの神様、エリック・クラプトンが遂に来年、待望の来日公演を行う!その来日を祝し、完全無料ブロードバンド放送「GyaO」は、12月30日(火)より、貴重な過去ライブ映像を一挙配信した。そう、「Eric Clapton 〜 Japan Tour 2009 GyaO Edition」と題されたファン大歓迎のこの企画により、目の前に控えた来日公演を前に、”予習”が可能となった訳である。

ブルース&ロックの代表的ギタリストであるエリック・クラプトンは、ジェフ・ベック、ジミー・ペイジ(レッド・ツェペリン)らとともに世界3大ギタリストと称されてきた押しも押されぬリービング・レジェンド。そんな偉大なる彼がこの度、通算18回目となるジャパン・ツアーを組んでくれた。この嬉しいニュースに添い遂げられるよう、下記で少々クラプトン御大のキャリアを”復習”したい。

1.御大、0歳

その生い立ちは1945年3月30日、イングランドのサリーにて。

2.御大、思春期を迎える

やがて18歳になったエリック・クラプトンはルースターズに加入しギターをプレイ。偉大なるキャリアの一歩を踏み出した。しかし、自分の思い通りの音楽をやれた訳ではなかったようだ。わずか6ヶ月あまりの在籍の後、早々に脱退してしまった。それは、1963年の夏。御大の思春期は中々波乱に満ちていた。

3.御大、ヤードバーズに加入

ロンドン発の大注目ロックバンド「ヤードバーズ」にエリック・クラプトンが加入。ルースターズ辞めて良かったね御大!念願の本格ブルース・サウンドへ一歩趣向を深めたものの、まだこの時期はマニアックに追いすぎた。何故ならば、一曲に30分近くも時間を使ってブルースしちゃったのだから。やがてポップ志向を見せるメンバーたちと御大は対立。レコーディング時に”昼寝”を決め込むというなんとも可愛らしい抗議活動に打って出たものの、やはり、ほどなくして「ヤードバーズ」を脱退。だが、その選択は正しかったのだと後の歴史が証明することになる!なお、このバンド「ヤードバーズ」は時期を変えてジェフ・ベック、ジミー・ペイジも在籍!のちに神様となられる方々はこんな意外な場所で運命を交錯させていた。

4.伝説の「クリーム」結成へ!

ヤードバーズ脱退後、バンド「メイオール」にてプレイし、自身のスタイルの礎を築いたエリック・クラプトン御大は、ジャック・ブルースやジンジャー・ベイカーとともに伝説のバンド「クリーム」を結成。この世の宝物、名曲「ホワイトルーム」などが生み出されたのはこの時期だ。アフリカン・アメリカンのオーセンティックなブルースをロックとともに改革したエリック・クラプトンの才能はまさに名実とともに開花(しかも満開)した。だが残念なことにバンドは人間関係の悪化という末路を辿り、解散してしまった。そう、御大はフレンドリーで優しい性格なのだが結構バンドを幾つも遍歴しているのだ。

5.御大、渡米

英国に飽きたのかもしれない。エリック・クラプトンは単身渡米し、デレク・アンド・ザ・ドミノスを結成!1970年のことである。南部のミュージシャンと組んだそのバンドのサウンドは、クラプトンの”らしさ”を加速させて、またもこの世の宝物、名曲「いとしのレイラ」を完成させた。ジャラララララーンと、そのドラマティックな傑作ギターイントロは世界を震撼させた。しかし、やはり人間関係の悪化によりバンドは解散。たった一年あまりの活動となってしまった。

6.離婚、そして愛息の死

エリック・クラプトンはその後、受難の時期を迎える。離婚を経験し、アルコールに浸った時期もあった。だが、さらに悲劇が訪れた。二度目の結婚でもうけた愛息がビルから飛び降り自殺してしまったのだ。彼は父親として深く心を痛めた。一時期、「音楽がもうやれないと思った」とその後GQ誌で述懐した。しかし、彼は音楽を続けることを決意!深いダメージから再生を切った御大の姿に全世界が感涙した。エリック・クラプトンは亡き愛息のために名曲「ティアーズ・イン・ヘヴン」を書いた。そして時代は90年代を迎える。

7・チェンジ・ザ・ワールドのリリース!

90年代半ばにリリースされたカバー曲「チェンジ・ザ・ワールド」は全世界でとんでもないセールスを記録。グラミー賞のソング・オブ・ザ・イヤーを獲得したこのナンバーにより、御大はファンを若年層にも広げた。なによりもこの時代のトピックは”クラプトン・サウンド”が崇高な高みへ音楽的完成を見せたことだ。円熟味を増し、酸いも甘いも噛み分けて人間的な魅力を深めたエリック・クラプトンのギターは、その指がそっと触れただけで”泣きのサウンド”を放った。アルバム『レプタイル』や『ピルグリム』のブルース&ロックの音楽的達成を前にして、世界は永遠のスタンダードが生まれる瞬間に立ち会うことになったのだ。


と、ざっくりとキャリアを振り返ってみたが、まだまだ語りきれてはいない。だが、もうここまでとしたい。エリック・クラプトンの偉大さを知るためには、エリック・クラプトンのサウンドを聴けばいい話なのだ。その歴史だってアルバムの歴史が雄弁に語ってくれるさな、ロックファンよ!元来、音楽は体感することで経験できる無上の官能の喜びなのだ!そして行くべし来日公演!拝むべし、神様を!

今回、”予習”としてGyaOが配信してくれるのは、2001年に行なわれた最大規模のワールドツアーから「コカイン」のライブ映像である。しかも、別途 「Layla (Unplugged Live)」、「チェンジ・ザ・ワールド」 、「Tears In Heaven」といった名曲も特集コーナー内にクリップされているのが嬉しい!

尚、配信は2009年3月2日まで。視聴は無料だ。

Eric Clapton 〜 Japan Tour 2009 GyaO Edition