Netflix「終末のフール」第8・9話:カン・ソクウから選択を迫られるユ・アイン、残された残酷な希望にアン・ウンジンと涙

05月03日23時45分ドラマ
Netflixシリーズ『終末のフール』Netflixにて独占配信中

Netflixで配信中の「終末のフール」の第8話では、セジョン(アン・ウンジン)の提案から始まった救出作戦が成功するも、正しい行いをした者達が苦難を味わう理不尽な姿が描かれた。また、第9話では、ユンサン(ユ・アイン)とセジョンが再会したペク神父(カン・ソクウ)から出された選択に葛藤し、涙しながら苦渋の決断をする姿が見られた。

ここでは第8話、第9話のあらすじと見どころ、感想などを紹介する。(ネタバレ)

【「Netflix」で独占配信の韓国ドラマ】



「終末のフール」は、小惑星が地球に衝突する200日後の未来を待つことしかできずパニックに陥った世界で、愛する人を守るためにトラウマを抱える元教師のセギョンが立ち上がる物語。⇒【関連記事・各話のあらすじ】

第8話では、作戦の成功と引き換えに苦境に陥るユンサン、イナ(キム・ユネ)、ソンジェ(チョン・ソンウ)。これにセジョンは罪悪感を抱く中、更なる事実が明らかになり、一同に衝撃を与える。
第9話では、再会したペク神父に怒りを堪えるユンサンとセジョンに、彼は脱出の話を持ちかける。これに葛藤していたユンサンは、セギョンから涙の決意と願いを聞き、涙を呼んだ。

正義を貫き、結果的に多くの子供たちを救ったセジョン、イナ、ユンサンが苦しい思いをする様子は非常に胸が痛んだ。正しい事をしたのに自己嫌悪、罪悪感に苦しむセジョンの姿を見て、終末の世界では正しくあることすら許されないのかと、また新たな絶望を見た。

また、セジョンとユンサンに再会したペク神父の態度は恐怖を感じさせた。騙す形となって別れた彼らに悪びれる様子もなく、それどころか神の教えをも語ったペク神父。その後の彼の口から出た、人を選別するという言葉は、自分自身を神と思っているように感じられた。終末で人柄が変わったのか、それともこれが本性なのか、はたまた何かに操られているのか。こんな考えが浮かぶ程までに、彼の姿は狂気じみていた。

■キャスト
チン・セギョン役:アン・ウンジン
ハ・ユンサン役:ユ・アイン
ウ・ソンジェ役:チョン・ソンウ
カン・イナ役:キム・ユネ
 その他

原題:종말의 바보



■第8話あらすじ
修練院から子供たちを連れて帰還する道中、セジョンはユンサンの様子が明らかにおかしい事が気にかかる。子供たちを病院に輸送した先では、今回独断で軍を動かしたイナが合同捜査隊の聴取を連れて行かれ、セジョンは罪悪感を禁じえない。

そんな中、セジョンはヨンジからペク神父の目撃情報を聞く。彼がいたという祈祷院を探し、イナにこの情報を共有しようとするも、手が止まる。そして自分の行動がイナやユンサンの迷惑になっていると思い、今回は単独で動く事を決めるのだった。

一方ドライブレコーダーに残されていた映像に驚くソンジェ。そこには金目の物を持ち出して、教会を去るペク神父が映っていたのだ。これを証拠として提出しようとシスター(パク・ジュヒ)が言うも、ソンジェは一瞬躊躇う姿を見せる。その後、セジョン、ユンサン、イナもこの映像を見て、ペク神父の生存を確信する。ソンジェはショックから部屋に引きこもり、ユンサンがいくら鼓舞しようとも姿を見せなかった。

教会を後にし、祈祷院を目指すセジョンはユンサンから止められるも、それを振り切る。イナはそんなセジョンを心配し「どうせ死ぬのにどうしてそこまでするの?」と、憂いを帯びた目で問う。これに対し、ペク神父に頼み込み、子供たちだけでも逃がしてもらう考えを明かすセジョン。涙を堪えるイナに「大丈夫、必ず戻る」と約束するのだった。

その後、セジョンが運転する車は合同捜査隊により止められてしまう。何事かと思っている間に助手席に乗り込んで来るユンサン。驚くセジョンに「1人で行かせられない」というユンサンは、彼女に代わってハンドルを握り、共にペク神父の元に向かうのだった。

■第8話見どころ
第8話の見どころはやはり、ユンサンの口からタイトルの「終末のフール」を意味する言葉が出た部分だ。私利私欲、保身のために人を踏みつけにすることも厭わない人物が相変わらず目立っている。そんな彼らは生き残れたとしても罪の十字架を背負うことが確定している未来に走っている愚か者だ。
その一方で、終わりを迎える世界の中で小さな希望を見出し続けようとしているものも、イナからふと出た「どうしてそこまでするのか」という言葉の視点から見ると、悲しくも愚かだとも言える。
「終末のフール」というタイトルは、世界の終わりを前にした人々の行動を皮肉ってつけられたものなのだろうか。8話にしてタイトルの意味を考えさせられる。



■第9話あらすじ
ユンサンとセジョンはペク神父に笑顔で迎えられ困惑する。そんな2人をよそに行方不明前と同じ調子で話し続けるペク神父。2人はこみ上げる怒りを必死で抑えながら、戻って来て欲しいと頼む。しかし、ペク神父から返ってきたのは神父とは思えない言葉と、ユンサンを迎えに行くというひと言だった。

戻った後、ペク神父の言葉を思い返して苦悶の表情を浮かべるユンサン。葛藤の末にセジョンの元に向かうも、セジョンは自身を頼ってきたハユル(キム・ドヘ)の元に走って行ってしまう。ずっと話せなかったふしだらな父親の悩みを吐露するハユルに寄り添うセジョン。この優しさに触れた瞬間、ハユルはこれまで耐えていた涙を、セジョンの胸で溢れさせるのだった。ハユルを優しく抱きしめるセジョンの姿を見ていたユンサンは、複雑な表情を浮かべ、顔を伏せる。

その頃、弾薬の窃盗疑惑をかけられていたイナは、特殊任務隊こそが真犯人だと睨む。彼らに脱出計画があると推測したイナは、不審な動きを続けている米軍基地の捜査に踏み切るのだった。
セジョンはそんなイナに、ペク神父と会った時に得た情報を共有する。そして皆で力を合わせてユンサンを迎えに来る場所を特定しようと奮闘する。

休憩時、話し合いをする事にしたセジョンとユンサン。「私なんか置いて逃げて」というセジョンにユンサンは、涙を堪えきれない。そんなユンサンに生徒たちを失ったトラウマと、秘めてきた絶望感をセジョンは明かす。残された生徒たちは守り抜きたい意思を告げると共に、そのために犯した罪も告白するセジョン。
悪い予想が的中してしまったユンサンは悲しみと心配が入り交じった涙を零す。セジョンから「私の代わりに生徒たちを連れて脱出して欲しい」と頼まれるユンサン。唯一残された希望に混じる残酷さに、2人は抱き合ってひたすら泣くのだった。

■第9話見どころ
第9話で何度も葛藤していたユンサン。しかし、場面毎にその種類は異なっていたように感じる。ペク神父からの脱出の提案に悩んでいた時は自分視点のものだっただろう。
しかし、セジョンがハユル抱きしめている姿を見た際は、セジョンの視点が彼に加わったように感じた。相変わらず生徒思いの彼女が愛おしいが、生徒を置いて逃げてほしい心境を考えると台詞がなかった理由もうかがえる。最終的にはセジョンの「自分ではなく生徒を連れて逃げて」という願いを叶えるべきか否かの葛藤に涙したユンサン。
この葛藤の変化はあまりにもリアルで、思わず彼に感情移入してしまい、息が苦しくなるほどに胸が痛んだ。

「終末のフールはNetflixにて全12話独占配信中だ。

終末のフール | オフィシャル予告編 | Netflix【日本語字幕 CC】

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