9月8日、NHK総合で土曜ドラマスペシャル「負けて、勝つ～戦後を創った男・吉田茂～」がスタート、渡辺謙が強烈な個性を放つ吉田茂に挑む。マッカーサーに象徴される占領政策下の環境で外相、そして首相として日本を支え続けた男の生き様を描く。

吉田茂という戦後日本の重要人物を主人公にしているということで、その他登場人物も日本政治史の有名人が多く並ぶ。そしてそれらを演じるためにいずれも実力派の役者が集結しているのが大きな見どころだろう。主演の渡辺以外にも白洲次郎に谷原章介、鳩山一郎に金田明夫、広田弘毅に佐野史郎、佐藤栄作に高橋和也といった配役を見るだけで興味は尽きない。他にも松雪泰子、田中圭、鈴木杏、永井大、篠井英介、吉田栄作、佐野史郎、石橋蓮司、嶋田久作、中村敦夫、野村萬斎、加藤剛らの絢爛豪華な俳優陣に目を奪われる。
本作は脚本家の坂元裕二によるドラマオリジナルで、敗戦国を舞台にした復興と人間模様が壮大に綴られた物語だ。坂元と言えばドラマ史に残る「東京ラブストーリー」「ラストクリスマス」に始まり近年では芦田愛菜を一躍有名に押し上げた「Mother」などに携わるヒットメーカーとして知られている。そんな坂元がこれまでに無い硬派のドキュメンタリーを手掛けたという点も注目に値するだろう。
第1話は昭和20年8月、連合軍による日本占領開始直後から始まる。進駐軍の逆鱗に触れた前任者の代わりに外相となった吉田（渡辺）は、戦前戦中と反戦派の立場を取っていたことで連合国側から適任と見なされたのだった。吉田がマッカーサー元帥と渡り合っていく一方、旧知の友である元首相の近衛文麿（野村万斎）は戦犯として追及される立場に立たされていた。
戦争に負けても外交で勝つという意味が込められたこのドラマタイトルは、逆境からの復活を誓う心意気が伺える。当時の日本人の姿は、現代の我々に多くのことを訴えかけてくれるだろう。

ドラマ「負けて、勝つ～戦後を創った男・吉田茂～」は8日スタートの全5回、毎週土曜日よる9時から10時13分まで放送。予告動画はNHKテレマップMOVIEで視聴出来る。NHKオンデマンドでは翌9日午後6時から見逃し番組で配信予定。

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