日産自動車は、時速300km以上のスピードを誇る世界最速の電力駆動レーシングカー「Nissan ZEOD RC(Zero Emission On Demand Racing Car)」を6月21日に公開した。
同車は、革新的で新しい技術を紹介する車両のための「ガレージ56」枠で2014年の「ル・マン24時間レース」に出場するが、今年の夏の終わりにテスト走行を始める予定。
日産/ニスモが運営する同車の開発チームは、新たに日産のダイレクター・オブ・モータースポーツ・イノベーションに就任したベン・ボウルビーが指揮する。彼は、2012年に同レースに出場した「Nissanデルタウィング」のプログラムを率いた。
同社の副社長のアンディ・パーマーは、「日産は、ゼロエミッション・モビリティのグローバルリーダーです。世界で最も歴史があり、最もタフで、最も有名な耐久レースにおいて、日産がこれまでバッテリー技術の開発で培ったことをみなさんにお見せできる機会を心待ちにしています。
また、ガレージ56枠での出場は、日産が将来的にル・マン24時間レースのLMP1クラスに復帰をめざす上で、日産の技術力を、今後、どのように活用できるのかということを評価するための貴重な技術開発の機会となります。日産は、非常に多くのデータを得ることができるでしょう」と語る。
また、同社の設計者であるベン・ボウルビーは、このクルマの開発が将来のレースカーの「電気化」における重要な一歩となると確信する。
「日産はこれまで電気自動車の技術開発において学んできたことを、新しいレーシングカーの開発に生かしたいと考えています。Nissan ZEOD RC開発チームは、パッケージングと空力性能の開発にも注力してきました。これらは極めて高い走行性能を実現するだけでなく、高いエネルギー効率をも実現します」と語る。
なお、同社は、同車用のタイヤを製作するため、フランスのタイヤメーカーのミシュランとパートナーシップを結ぶ予定だ。
YouTubeの「Nismo Channel」では、「Nissan Le Mans Garage 56 - LIVE REVEAL - 21st JUNE, 2013」により、同車が今年の同レースでお披露目された際の最新映像を約32分にわたって紹介している。

◇YouTube「Nissan Le Mans Garage 56 - LIVE REVEAL - 21st JUNE, 2013」