若者の恋と熟年の恋の演出の違いは?「ラブ・アゲイン症候群」ファン監督、独占インタビュー再現レポ(前半)!予告動画
韓国ドラマ「宮 ~Love in Palace」「イタズラなKiss~Playful Kiss」のファン・インレ監督が描く大人のピュアラブストーリー、「ラブ・アゲイン症候群」のDVD発売を記念したトークショー&第1話試写会が、9月28日にポニーキャニオンで開催されたが、その前日、ナビコン記者がファン監督への単独取材をしたので再現レポでご紹介!ドラマの予告動画は公式サイトで視聴できる。(ドラマの詳しい紹介はコチラ)。
今年は、韓ドラエンタメ10周年ということで記念イベントなども開催されているが、ブームの初めは韓国ドラマといえば比較的年齢層の高い大人の女性のモノとの印象が強かった。ところが今では10代の若者ファンも多い。そのきっかけを作ったのが「宮 ~Love in Palace」(以下、「宮」)だと、記者は固く信じている。(その理由についてはコチラで紹介)ファン監督は、「宮」の監督!そういうこともあって記者は、かねてからファン監督にぜひともお目にかかりたいと思っていた。お聴きしたいことは山ほどある!果たして、うまく取材することはできるのか?では、単独インタビューの再現レポートをどうぞ!以下、( )は、記者の心の声など。
<インタビュースタート>
27日午後、場所はポニーキャニオン本社。持ち時間は40分!
広い会議室の真ん中テーブルを挟んでファン監督と向き合って座る記者。(ヤバイ!かなり心拍数が高い)
ご挨拶の後、「宮」「イタズラなKiss~Playful Kiss」「帰ってきたイルジメ(美賊イルジメ)」そして「ラブ・アゲイン症候群」をすべて視聴していることをアピール!(優しげな笑みをたたえるお顔立ちは写真の通り)
<原作が漫画の場合とドラマの場合の違い>
記者:「ラブ・アゲイン症候群」(以下、「ラブ・アゲイン」)は、日本のドラマ「同窓会」をリメイクしたものですが、「宮」などのように漫画をドラマ化するのとでは演出法など違いましたか?
監督:原作が漫画だから、ドラマだからと言ってリメイクする際に演出法を変えるということは特にありません。私は原作の「同窓会」を観ていませんでした。韓国のドラマ制作会社のドラマハウスから推薦されたのがこのドラマ。ちょうど中年たちの愛情物語を描きたいなと思っていたところで、原作を拝見しとても面白いなと思いました。韓国でも以前“アイ・ラブ・スクール”というのが一時期流行ったことがあったので、韓国の皆さんにも受け入れられるのではないかと思ったのです。(インターネットの普及の早かった韓国では2000年ころ、“アイ・ラブ・スクール”という同窓生探しのサイトが大流行した)
記者:原作は、日本で2010年に放送されましたが、当時日本でも“同窓会恋愛”という恋愛事情がちょっとブームになりました。
(C)JTBC Co., Ltd all rights reserved<キャスティングは主役から>
記者:韓国版は、キャスティングのバランスがとてもよかったと感じました。最初に思いついたキャスト、または、最後まで難航したキャスティングを教えてください。
監督:キャスティングはほとんどの場合、主人公を最初に決め、バランスを考えて周りの方々を決めます。今回は、ヒロイン(キム・ジスさん)が最初に決まりました。ところが男性の主人公がなかなか決まりませんでした。元々別の方と連絡を取り合っていたのですがうまく調整がつかず、リュ・ジョンハンさんにお願いすることになりました。
記者:リュ・ジョンハンさんの魅力は?
監督:彼は、テレビでの演技が初めて。しかし、ミュージカル界では“皇帝”と呼ばれるほどの俳優なので、大勢の人の前で演技をし、そのフィードバックも十分経験しているので、テレビでも演技できるだろうと期待しました。そして彼の演じるヨンウンは、警察署の強力チームの刑事なので男性的なイメージや男性美にも十分あうと思いました。(リュ・ジョンハンさんは、1997年の『サウンド・オブ・ミュージック』で舞台デビューを果たし、近年では『エリザベート』『レベッカ』など大作で主演)
記者:ピッタリのキャスティングでしたね。(監督もにっこり笑顔。) その際、日本のキャストは意識しましたか?
監督:ええ、やはり意識はしました。原作のヒロインはとても有名な女優ですね。ただ、男性主人公との年齢差が大きかったとか。また、チェ・チョルホさんが演じた役も個性的なキャラクターで、日本の俳優さんも印象深く演じていましたね。
記者:韓国のキャストはとてもバランスがよく、実際に年齢もほぼ同じですね。(原作のドラマもとてもよかったですよ。)
監督:ええ、そうです。(ソンジュ役のユン・イェヒとスジン役のチョン・ヘスは、「宮S」でも監督とタッグを組んだ女優たち)
<魅力ある3組のカップルたち>
記者:監督は、3組のカップルの中でどのカップルがお気に入りですか?ちなみに私はミヒ&テジンです。(主人公カップル=ジヒョン&ヨンウク、主人公たちを応援するカップル=ミヒ&テジン、謎の失踪をしたカップル=ソンジュ&ウチョル)
監督:(笑顔で)ええ、韓国でもそうでした。私の場合は…みんなお気に入りですね。ミヒ&テジンのカップルは本当にたくさんの方に愛されましたが、彼(チェ・チョルホさん)の場合は、実生活でも厳しいことがあり、苦痛にあえいでいた時でもあり、そうした苦痛に打ち勝って演じるエネルギーの様なものを感じましたね。
記者:監督のおススメのセリフやシーンは?
監督:(苦笑?)もうだいぶ経ちましたからね。(一生懸命考えて) そういえば、日本の原作では心理描写や考えの変化などをヒロインのナレーションで表していました。私はそれもいいなと思ったのですが、作家が、それは嫌だというのでその手法はやめました。
記者:私も作家に賛成です。(笑)そのおかげで、3組のカップルがそれぞれ際立ち、3つの恋の物語のようでとてもよかったです。
監督:ええ、私もそれが重要だと思いました。
<熟年の恋と若者の恋、やりやすいのは?>
記者:若者と中年ラブラインではどちらが演出しやすいですか?
監督:やはり中年の愛の場合は、熟練した俳優さんを使うことになりますからね。(笑)枠組みだけを与えただけで、彼らは自分たちで呼吸感を計ってくれるので、作業をするのも楽ですよね。それに対して、若者の愛を描くときには、新人を使うことが多く、彼らにはこちらで指導しなければならなかったので、こちらも緊張し、集中が必要になります。
記者:そうはいっても、監督は新人俳優をスターに育てるのがお上手ですよね。ユン・ウネ、チュ・ジフン、チョン・イル・・・。
監督:(照れ笑い?)これまでの作品でキャスティングする際に、他の監督の作品に出ていて固定的なイメージのついた俳優さんをそのまま使うことは避けたいなと思っていました。なので、新人俳優を使ったり、これまでとは反対のイメージの方を探したいと思っていました。
記者:日本では、韓国ドラマは主婦が観るドラマでしたが、「宮」のおかげで若者も韓国ドラマを観るようになりました。ありがとうございました。(記者が、今日必ず伝えたかったこと。深く一礼)
監督:(大テレで)こちらの方こそありがとうございました。
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