涙腺決壊必至!ドリアン助川×河瀬直美×樹木希林『あん』1/31NHKBSプレミアムで放送!予告動画
映像作家の河瀬直美がドリアン助川の小説を樹木希林と永瀬正敏で映画化した『あん』が、明日1月31日(火)NHKBSプレミアムシネマにてよる9時から放送!映画公式サイトで予告動画が視聴できる。
原作の『あん』(ポプラ社)は、作家、詩人、道化師、ミュージシャンなど多方面で活躍しているドリアン助川が20年来の構想を経て2013年2月に出版した小説。しかし、ハンセン病を描いた作品ということで、一度は出版社から断られたものの、心ある編集者によって世に出ることになった。小説は、元ハンセン病患者の老女が尊厳を失わず生きようとする姿を丁寧に紡ぐ人間ドラマとして、第25回読書感想画中央コンクールでも指定図書(中学校・高等学校の部)に選定された。
ドリアン助川にとって思い入れの深い本作は、「映画化するならぜひ河瀬直美監督に」と要望し、河瀬直美がメガホンを取った。また、主人公の徳江は、原作者が樹木希林を当て書きにしたと明かし、樹木に決定。だが、映画化は出資者がなかなか見つからなかったそうで、フランスとドイツの資金もあって実現した。
樹木希林からあん作りの手ほどきを受けるどら焼き店の雇われ店主・千太郎役を永瀬正敏、常連客の中学生ワカナ役を内田伽羅が扮した。内田伽羅は2010年女優デビューした女優で、父は本木雅弘、母は内田也哉子、主演の樹木希林の孫にあたる。他にも、市原悦子、浅田美代子、水野美紀ら演技派女優が脇を固めている。
本作で初々しい演技を見せてくれた内田伽羅は、2011年にも是枝裕和監督の映画『奇跡』で樹木と共演しており、『あん』は2度目の共演となる。ちなみに、内田は『奇跡』で高崎映画祭最優秀新人女優賞を受賞した。
樹木は円熟した演技で、元ハンセン病患者の老女が尊厳を失わず生きようとする姿を丁寧に演じ、第39回日本アカデミー賞 優秀主演女優賞をはじめ、山路ふみ子女優賞やアジア太平洋スクリーンアワード 女優賞、TAMA映画賞と第37回ヨコハマ映画祭では永瀬正敏とW受賞するなど国内外の女優賞などを総なめにした。
また、2015年のカンヌ映画祭・ある視点部門オープニング作品にも選ばれ、名誉会長ジル・ジャコブ氏たちも本作を絶賛した。
2015年5月に行われたプレミアム試写会で原作者のドリアン助川は、「ハンセン病元患者の人生を描いているが、人はなぜ生まれてきたのか、人生を全うするというのはどういうことか、生まれてきただけで世界は与えられているんじゃないか、そんな思いを持って描いた物語。人類の普遍的なテーマに立ち向かっていった、そのあたりを観ていただければ」と熱い想いを語った。
桜の季節から始まり桜の季節で終る本作。美しい映像と胸に沁みる物語と名優たちの丁寧な演技に、鑑賞の後も長く心に残る名作として明日1月31日のNHKBSプレミアムでの放送をぜひお見逃しなく。
■あらすじ
どら焼き屋の雇われ店長として単調な日々をこなしていた千太郎のもとに、店の求人募集の貼り紙をみて、働かせてほしいと熱心に頼む老婦人、徳江が現れる。彼女の作る粒あんがあまりにおいしかったので雇ってみたところ、みるみるうちに店は大繁盛。そんな中、徳江は店の常連客で中学3年生のワカナと親しくなる。ところがある日、徳江がかつてハンセン病を患っていたことが近所に知れ渡り…。
■スタッフ
プロデューサー:福嶋更一郎、澤田正道、大山義人
監督・脚本・編集:河瀨直美
原作:ドリアン助川
■キャスト
樹木希林、永瀬正敏、内田伽羅、水野美紀、太賀、浅田美代子、市原悦子 ほか
◇NHKBSプレミアムシネマ番組公式サイト
◇映画『あん』公式サイト