イ・ビョンフン監督の名作メディカル史劇「馬医」ドラマの3つの見どころと予告動画
何度観てもまた繰り返し観たくなるイ・ビョンフン監督の名作医療時代劇「馬医」の3つの見どころを紹介!Youtubeで予告動画が視聴できる。
「馬医」は、賎民の身分で馬医(馬の医者)から出発して獣医としての名声を手に入れ、のちに内医院の医官から御医にまで上りつめた実在の人物男、白光炫(ペク・クァンヒョン、1625~1697)を描いたメディカルドラマ。
以下、馬医の3つの見どころをご紹介。テレビ各局での放送やネットで配信されている作品。すでに視聴された方も多いだろうが、【「馬医」を2倍楽しむ】では、詳しい時代背景や各話の詳細あらすじ、見どころ、インタビュー、豆知識などをまとめているので、また違った視点で視聴されては?
■見どころ①実在の医官の物語
ペク・クァンヒョン(白光炫)は、第18代顕宗(ヒョンジョン)と第19代粛宗(スクチョン)の時代に活躍した実在した医官で、身分の低い馬の医者・馬医から王の主治医・御医となった人物。(白光炫紹介)「朝鮮王朝実録」に4回ほど記述があるだけで、ドラマが放送されるまで、ペク・クァンヒョンのことは韓国でもほとんど知られていなかった。(朝鮮王朝実録 【改訂版】
「王のご典医」の一言から「チャングムの誓い」でアジア中を席巻したイ監督が実在の神医をどう描いたのか?また元馬医だっただけに、馬もたくさん登場する。特に序盤は、子役のクァンヒョンと馬との心温まるエピソードもある。演技派(?)名馬の演技にも注目。
■見どころ②実力派俳優たちの名演技
ソン・チャンミン、イ・スンジェ、ハン・サジンら韓国史劇おなじみの名優たちによる名演技は安定感抜群。そんな名優たちの見守る中、メインキャスト3人が光った。主人公のペク・クァンヒョンを演じたのはチョ・スンウ。当時、テレビドラマファンにはなじみの少なかった俳優だが、映画『マラソン』や、ミュージカル『若きウェルテルの悲しみ』(2002)、『ジキルとハイド』(2004、05、10-11)などで演劇界のトップスターだ。イ監督の熱烈オファーを受けてテレビドラマ、しかも時代劇に挑戦。映画や舞台で培った実力でみごと主演の大役を果たしたチョ・スンウは、MBC演技大賞で最優秀演技賞を受賞し、ドラマ界に新たな実力派俳優が誕生した。
ヒロインのカン・ジニョンを演じたのはイ・ヨウォン。「善徳女王」で国民的女優の名を持つ彼女に、イ監督はダメもとで交渉しOKをもらった。イ監督では本作でも「善徳女王」のようにイ・ヨウォンに男装させるという遊び心でドラマファンを喜ばせた。
そして、ジニョンを見守るイ・ソンハ役を任されたのは日本でも人気の爽やか俳優イ・サンウ。ソンハは主人公二人の恋路を邪魔する嫌な男の役のはずだったが、イ・サンウのあまりの爽やかさにイ監督にソンハを悪者にするのを断念したというエピソードもある。このエピソードについては詳しくは、【「馬医」を2倍楽しむ】イ監督のインタビューで詳しく紹介している。
■見どころ③イ・ビョンフン監督の挑戦
イ・ビョンフン監督は、「ホジュン 宮廷医官への道」をはじめ「チャングムの誓い」「イ・サン」「トンイ」等、大ヒット作を世に多く輩出している。
かつて年配の方のジャンルとされていた時代劇に、美しい衣装や親しみやすいセリフ、そしてよく練られたストーリーと魅力的なキャラクターで万人ウケするジャンルにしたイ監督。視聴者は主人公に自分を重ね、一緒に喜怒哀楽を味わってドラマを楽しんだ。
韓ドラ史劇を変えた“アジアの宝”とまで言われているイ監督は、そこに胡坐をかくことなく次なるチャレンジをした。それが「馬医」だ。「馬医」は、動物と人間の交流、動物と自然、自然と人間、これまで韓ドラであまり描かれることのなかったテーマに作った新しいドラマ。見どころ①でも紹介したが、本作では、韓ドラ史劇によく登場する戦場で活躍する馬ではなく、少年との演技で泣かせてくれる。他にも猿の愛らしい演技を披露する。他にも王女の猫や羊などが可愛い演技を披露。韓国でもこうしたことが話題になり、「動物演技大賞」なるランキングなるものが発表された。これについては第7話の詳しいあらすじで紹介している。
これまでのイ監督作品に比べて「馬医」は、視聴率の上で大ヒット作とはならなかったものの、イ監督の新たな挑戦作として注目すべき一作といっていいだろう。
本作の後2016年、イ監督は朝鮮時代を舞台に初めて弁護士制度を扱った「獄中花」(主演:チン・セヨン、コ・ス)で更なる挑戦をした。
◇Youtube「馬医」予告動画
【作品詳細】 【「馬医」を2倍楽しむ】