ベルリンフィルライブ、5月17日はアバド指揮によるブラームスの「リナルド」ほか

2010年05月16日15時30分音楽
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ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団のフィルハーモニーホールにおける公演のライブ配信「Digital Concert Hall」。5月17日(日本時間)のライブでは、指揮者デイヴィッド・ロバートソンとヴァイオリンのルノー・カピュソンをゲストに、リスト、クラウディオ・アバドの指揮で、ブラームスのリナルドほかが演奏される。

年齢が進むとともに自身のレパートリーを徐々に減らす指揮者がいる一方、クラウディオ・アバドのように飽くことなく新しい楽曲や別な編曲を聴く者に提供し続ける指揮者がいる。間もなく77歳になるこの日アバドは、オランダの若手メゾソプラノ歌手・クリスティアーネ・ストーティンとドイツの中堅テナー歌手・ヨナス・カウフマンを率いて、シューベルト、ブラームス、シェーンベルクの声楽曲を演奏する。

コンサートは滅多に聴くことのないオーケストラ編曲版のシューベルトの3つのリートで始まる。ベルリンフィルの演奏により、繰り返し演奏されて聞きなれたピアノ伴奏の原曲とはまた趣きの異なる美しさを見出すことになるだろう。
「グレの歌」は、シェーンベルク初期の最も成功を収めた作品で、5人の独唱者と4群の合唱群、全3部からなる大曲だが、この日は第1部最終曲(第11曲)のメゾソプラノによる山鳩の歌を演奏する。

コンサートはブラームスのカンタータ「リナルド」で幕を閉じる。ヘンデルのオペラとして有名なこの題材は、11世紀のエルサレムを舞台にした叙事詩。ブラームスは生涯オペラを書かなかったが、色彩豊かな本曲を聴くうちに、よもやブラームスのオペラかくあったかもしれぬとの思いを抱かせてくれる。

〈演奏〉指揮:クラウディオ・アバド
    メゾソプラノ:クリスティアーネ・ストーティン
    テナー:ヨナス・カウフマン
    ベルリン放送合唱団(合唱指揮:サイモン・ハルゼイ)
    バイエルン放送合唱団(合唱指揮:ミヒャエル・アルバー)

〈曲目〉・フランツ・シューベルト:管弦楽伴奏版歌曲
     「糸をつむぐグレートヒェン」、「夜と夢」、「魔王」
    ・アーノルド・シェーンベルク:「グレの歌」より第1部11番
    ・ヨハネス・ブラームス:カンタータ「リナルド」

ベルリン・フィル「Digital Concert Hall」
配信開始:5月17日(月)午前3時(日本時間)
視聴方法:公演ごとの視聴と年間通しチケットによる視聴がある。アーカイブの視聴も可能。
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