出版界初、講談社刊「小田実全集」全101巻を電子書籍化、「何でも見てやろう」など発売開始―eBookJapan

2010年06月26日07時00分iPad
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国内最大級の電子書籍販売サイトeBookJapanは、講談社が企画発行する「小田実全集」(全101巻)の電子書籍版の販売をを6月25日から開始した。Windows、MacなどPCのほか、iPhone・iPod touchでの購読も可能。これだけの規模の文芸書全集がiPhone向けに電子書籍化されるのは、業界でも初の試みという。

「小田実全集」は、主に反戦論などの論壇で活躍した文筆家・小田実の小説32篇と主要な評論32篇が網羅されたもので、小説・評論あわせて全101巻の刊行を予定している。この日リリースされた第1回分のタイトルは「何でも見てやろう」(上・下)、「日本の知識人」、「壁を破る」、「わが人生の時」(上・下)、「明後日の手記/泥の世界」の計5点。価格は630~1050円。今後は2014年5月までの間、毎月数冊ずつ、第4金曜日に発売していく予定。

1951年に19歳で作家デビューし、多数の小説を書き続ける一方、1960年代から70年代にかけてベ平連(ベトナムに平和を!市民連合)代表として反戦評論に取り組んできた小田実の文筆は、2007年にこの世を去った今でも同時期を生きた団塊の世代から若い世代まで、幅広い支持を得ている。

ただ、年代がたち、絶版となった著作も少なくなく、さらに次の世代へ引き継ごうとの狙いから、電子書籍版として今回、復刻させることとなった。eBookJapanでは今後、文芸書の電子書籍化も積極的に進めていきたいとしている。


小田実全集 eBookJapan