前回第3話は、収容所送りとなった日系人たちの悲惨な生活を中心に描かれていたが、今回は、アメリカが日系二世たちに迫った“忠誠登録”の結果、彼らに課せられた過酷な運命を描く。TBSオンデマンドでは第3話の見逃し配信を開始した。

前回、第3話のあらすじ
1941年12月、日本とアメリカが交戦状態となったことで、FBI（連邦捜査局）は、日本語学校や新聞社など、日系コミュニティーの主要人物を次々と拘束し、長吉（中井貴一）も検挙され拘留所へ連行されてしまった。さらに、翌年にはアメリカ国籍を持つ一郎たち二世も含めた日系人たちが収容所に送られることになった。

これは、ときのフランク・ルーズベルト大統領が、「軍事活動に重要とみなされる地域から,いかなる人物でも追放できる権限」を軍に与えたことで、アメリカ陸軍省と西海岸の政治家達からの圧力によるものだった。

一郎（草なぎ剛）たちは先の見通しが立たないまま、二束三文ですべての財産を売り払い、最低限の身の周りのものだけを手に仮収容所へ向かうしかなかった。劣悪な環境で暮らして一ヵ月後、平松家は新しくできたカリフォルニア州のマンザナー収容所へ移動させられ、小宮太助（笹野高史）とその息子・弘（中尾明慶）と同じ小屋一つ屋根の下で一緒に生活を送ることになる。
施設での生活は、日本人に任せられ、労働に応じて賃金をもらえ、通信販売で買い物もでき、学校や農園を造ることも許されることになった。そこで、一郎としのぶは収容所の中にできる学校の先生に志願し、次郎は農園を拓くことを希望する。

日系人の必死の努力が実り、収容所での生活は見違えるほどになっていたが、依然として罪もなく囚われの身のなっていることには変わりなく、日系人たちの心理的な苦痛は続いていた。
そんな中、アメリカは、収容所で暮らす17歳以上の日系人に、アメリカへの忠誠心を問う “忠誠登録”と呼ばれる質問状を突きつけてきた。

アメリカは拘留している日系人を、いずれは解放しなければいけないことを理解していたため、誰が安全かを見定めたうえで収容所外に開放しようと考えたのだ。1943年のことである。忠誠登録は日系人の間に怒りと誤解を招き、将来への不安もあり、多くの家庭内で口論を引き起こし、家族を引き離す結果にもなった。平松家でも、質問状にイエスと答えると、軍隊に入ることになると察知したともが、一郎と次郎にノーと答えるよう説得をする。しかし一郎は、アメリカで胸を張って暮らせるようにと、忠誠登録にイエスと答える。一郎と生涯を共に過ごしたいと願うしのぶ（仲間由紀恵）も、イエスと答えた。

第4話の見どころ
ともが予想していいたとおり、忠誠登録にイエスと答えた一郎にアメリカ陸軍への入隊の知らせが届く。夫だけでなく息子までアメリカに取り上げられるとも（泉ピン子）の嘆きの演技に注目だ。
一郎が配属されるのは日系人だけで編成された四四ニ戦闘連隊！イタリアとフランスで激しく繰り広げられている戦地で戦うことになる。家族のため、愛する人のため、敵国の兵士として戦うしかない一郎たち日系人の悲しい心の叫びをお見逃しなく。

また、次男の次郎（松山ケンイチ）が、全てを捨てて尽くしてきたしのぶに対して誠意を示すべきだと、兄の一郎に結婚を勧める場面も見逃せない。愛しているからこそ“結婚しない”のか、その愛にこたえて“結婚する”のか、一郎の答えが第4話で出される。


当時の日系人たちの暮らし（番組サイト「スペシャルコンテンツ」より）

1.アメリカへの忠誠心
1942年の春に収容所開設直後から、アメリカ政府は、アメリカに忠誠心があるとされた日系人は、一時的に収容所から出て、戦争に取られた農園労働者の代わりに働く許可を得ることを許可していた。また、人道主義者や宗教団体が後ろ盾となり、二世の大学生を収容所から出して学校に戻すといったこともあり、アメリカ国家の安全を脅かす人物ではないことを証明し、地域住民の反対がない地区で仕事と住居を見つけられた場合は、収容所を去ることもできた。しかしこれは、アメリカ社会に順応している若い二世にとって有利だったが、年老いた一世は収容所に残される結果を招いた。

2.YESと答えた者-第442連隊戦闘団
YESと答えたものが収容所からでるもうひとつの手段が、軍への入隊だった。映画「442日系部隊・アメリカ史上最強の陸軍」当時日系人は、第442連隊戦闘団という日系の兵士だけで編成された部隊に配属された。イタリアとフランスでの激しい戦闘で活躍し、後の日系アメリカ人の一般的なイメージの向上にも貢献した。しかし、同時にアメリカ軍への入隊は、「日本の天皇への忠誠心の放棄」を意味し、日系人間に大きな亀裂を残した。
「第442連隊戦闘団」については、11月13日より映画「442日系部隊」が公開される。詳しくはこちらで紹介。

3.Noと答えた者-ツールレイク強制収容所
アメリカ政府への不忠誠と見なされ、監視度の高い隔離センターであるカリフォルニア州北部のツールレイク強制収容所に移される。戦時転住局によって運営されていた10ヶ所ある収容所の一つだったが、不忠誠と見なされた日系人たちのための、隔離センターへと変更された。およそ千人の警備員が導入され、二重のフェンスが建てられ、軍用戦車が収容所を取り囲む監視の厳しさだった。

第4話は本日（6日）TBSにて夜9時から放送される。TBSオンデマンドでは現在第3話の見逃し配信も開始している。第4話の見逃し配信は、7日（土）午前0時（本日深夜0時）からの予定。視聴価格は各話420円。
TBSの番組公式サイトには見どころ動画が公開されている。

TBS「99年の愛～JAPANESE AMERICANS～」
TBSオンデマンド「99年の愛～JAPANESE AMERICANS～」

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