嵌るツボその2は脚本の素晴らしさ。「韓国史の紹介」であげたドラマのいくつかを製作順にならべると『ホジュン→チェオクの剣(茶母)→海神→薯童謠(ソ・ドンヨ)→朱蒙→太王四神記』となる。『チェオクの剣』を視聴したときソンベク(キム・ミンジュン)の強烈なキャラクターが気になった。朱蒙 Copyright(c)MBC, iMBC All Rights Reserved. 数年後、『朱蒙』でヘモス将軍を見たとき、「ソンベクはヘモス将軍の化身に違いない!」と思った。その読みは的中で、脚本家はどちらもチョン・ヒョンス。ネット上では「ソンベク=ヘモス将軍」説が話題になっていた。『朱蒙』のもう1人の脚本家チェ・ワンギュはホ・ジュンの脚本家。『薯童謠』は『チャングム』の脚本家。つまり、視聴者のツボを知り尽くした人気脚本家が前作以上の思いを込めて描くのだから、おもしろくならないわけがないのだ。
嵌るツボ3はアクション。足の運びに注目してみよう。元来、日本には独特の「ナンバ歩き」という歩き方がある。陸上の末續選手がこの走りを取り入れたソドンヨ Copyright(c) SBS, SBSi All Rights Reserved. ことでここ数年スポーツ界でも有名。簡単に言えば、手足を同方向にふり出し、摺り足で進む歩き方。これなら、草履も脱げないで、日本舞踊だって「チン・トン・シャン」と舞える。“直線的”でどこか潔い。対する韓国は踵(かかと)から踏み出す歩き方。韓国舞踊に見る身のこなしは“曲線美”。ゆったりと円を描くようで優雅だ。どちらがいいかはお好み次第だが、隣国でもこんなにも違う。そういえば日本の衣装の侍の裃(かみしも)は直線的で、韓国武将の衣装は、回ったときにきれいに広がるよう工夫され曲線的。