
この図を見て欲しい。→家族の呼び名の図
これは自己の親族、つまり自分の家族の呼び名だ。当然、配偶者となる相手の家族の呼び名も別にあるワケで、これらを全て理解して親戚付き合いしていくのは至難の業。まあ、愛があれば何とか乗り切れるだろうが・・・。仲良く親戚付き合いしたいならここは力を入れて覚えるしかない!
ドラマも同じ・・・。古い話で恐縮だが、戦後の日本の家電“3種の神器”といえば“テレビ・洗濯機・冷蔵庫”だが、韓ドラのそれは“不治の病・身分の差・出生の秘密”といったところだろうか?最近ではこの3種が登場しない場合もあるが、仮に出生に秘密があろうがなかろうが、“家族”がやたらと登場する。
日本の字幕も随分よくなってきたが、それでも親族の呼び方のビミョウなニュアンスが分かってドラマを観るのと、そうでないのとではオモシロさも随分違ってくる。例えば、naviconでもいつも上位にランキングされている『乾パン先生とこんぺいとう』で、主人公のテインと義理の母とのやり取りを例に挙げよう。
この二人なさぬ仲である。義理とはいえ母息子な訳だから、「オモニ(お母さん)」「アドゥル(息子)」と呼びあうところ、テインは「セオモニ」、義母は「セアドゥル」と呼ぶ。この“セ”という言葉は“新”という意味で日本流に訳せば新しいお母さん、つまり“継母”となる。もちろん日本にも“継母”という表記はあるが、これはあくまでも書き言葉であって言葉にすることはない。息子もしかり・・・。
その後、テインがあるきっかけで母を認めようとしたとき初めて「オモニ」と呼んでいる。
直接本人には言わないまでも他の人に説明する場合などは、“セオモニ”と比較的血縁関係を明らかにしておくのは韓国の流儀。
図の①②のグループは父方の親族、③④のグループは母方の親族である。韓国ではこれをはっきり区別して呼んでいる。祖父母は普通“ハラボジ、ハルモ二”と呼ぶが、母方の祖父母には“ウェ”という接頭語をつけてウェハラボジ、ウェハルモニと呼ぶ。ちなみに“ウェ”という言葉は“外”という漢字があてはまる。
また、歳や立場の上下もはっきりさせる。日本では、伯父に当たる字は“伯父・叔父”があり、父母の姉妹の夫。父母の兄には「伯父」、弟には「叔父」の字を用いるが、言葉にするときは全て「おじ、おば」である。韓国では父方か母方かに加え、年上かどうかもあわせて②④の呼び方をする。ちなみに②の“クナ(またはクノ)”は大きいつまり父の兄で、“チャグ”は小さいで父の弟をさす。
また、⑤の自分に直近の家族の呼び方も、呼ぶ人間=自己が男か女かではっきり区別しなくてはならない。これは厄介だ!
次は、配偶者の親族の呼び方について。
[韓ドラここが知りたい!TOPへ]>[文化に親しむメニューへ]