その兄は、会社をのっとられた恨みを晴らすため、元社員たちと一矢を報おうと機会を狙っている。上司を愛しながらも、兄とは知らない男にも心を残す部下・・・。どうだろう?韓ドラの現代劇にありがちなストーリー展開。これが、チェオクの剣のあらすじだ。衣装を背広に着替えればそのまま現代劇になりそうだ。今回は「チェオクの剣」の主役3人の魅力に迫ってみたい。
舞台は17世紀末の朝鮮王朝時代。これ以前のドラマでは男性を主役に据えるのがほとんどだが、この時代からは女性を主役に描いたドラマも多い。しかし、その多くはお家騒動や宮中に渦巻く男女の愛憎劇が多い。
「チェオクの剣」はこれまでの歴史ドラマとは大きく趣を異にしている。テーマを「愛」に絞込み、長編が多く、少々冗長になりやすい歴史ドラマの中で、全14話とコンパクトにまとめ、テンポよく物語が展開する。ワイヤーアクションやコンピュータグラフィックスなどを多用し、韓国で初めてHDワイドスクリーン・5.1ch音声で放送した。ワイヤーが画面に映り込んだりするシーンもあったが、主役陣のアクションシーンの素晴らしさは、これを補って余りある。今では、なんでもないこれらの技法も、当時(2002年)は珍しく、「チェオクの剣」はこれまでの歴史ドラマの域を超えた「フュージョン時代劇」というジャンルを作り出した。
この新しい試みは若者の心を捉え、若い視聴者層から圧倒的な支持を取り付けた。あまりにドラマにはまりすぎたファンを「茶母廃人」と呼んだほどだ。若者達をこれほどまでに虜にした主役3人とはどんな俳優なのか?
茶母とは、役所などで下働きする女性のことで、主人公のチェオクは、今で言う警察署(捕盗庁)に属している茶母。しかし、その聡明さとずば抜けた武術の腕が認められ、犯罪事件の捜査で活躍する。今で言うなら腕利き女捜査官といったところ。このチェオクをハ・ジウォンが演じている。

その後も演技の幅を広げ、ついに「チェオクの剣」で歴史ドラマに初主演する。その後は、「バリでの出来事」、映画「恋する神父」「デュエリスト」などの作品で、日本でも絶大な人気を集める女優となった。若手トップスターのカン・ドンウォンと共演した「デュエリスト」は、この「チェオクの剣」がモチーフになって映画化された作品だ。
このあとの作品で、妓生(キーセン)の生涯を描いた「ファン・ジニ」はNHKで放送された。ハ・ジウォンは「ファン・ジニ」でKBS演技大賞を受賞している。そういえば、ドラマ、映画の各分野での新人賞を全てさらったのはハ・ジウォン、彼女だけではなかっただろうか。
セクシーさと純粋さ、残忍な微笑と優しい涙など、複合的なイメージを表現豊かに演じきれる貴重な女優だ。次は、男性二人の主役に迫る!
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※ MBC JAPANlで「チェオクの剣(茶母)」配信中