【誕生~少女時代】(第1話~第3話あたりのネタバレあり)
廃位ユン氏の毒殺刑を執行した後のチャングムの父・チョンスは、ひとりの老師に出会う。ここで、チョンスは自分の運命が3人の女に握られることを知る。一人目は“はしたない女”でチョンスがその命を奪う。二人目は“順な女”でチョンスが命を助ける。そして三人目は“良い女”で、この女のためにチョンスが命を落とすことになる。残念なことにチョンスはすでに一人目の女に出会っている。ユン氏だ。なんとしても二人目の女を避けたいが、後のチャングムの母・ミョンイと出会い、それが二人目の女だと気づく。後は、三人目…。
ミョンイのことは気になるが、呪われた運命のため彼女から遠ざかろうとするチョンス。行き場のないミョンイはチョンスに寄り添いたいと慕う。
ドラマ「チャングム」は「よくできているが、恋の部分だけは物足りない」とはよく聞く評価。実際、監督と脚本家たちもこれを痛感し、2005年にはドラマ「薯童謠(ソドンヨ)」で、描ききれなかった“恋”を描こうとした。(詳しくは新ヒーロー登場?‐『ソ・ドンヨ』チョ・ヒョンジェ編を)
確かに、ドラマの中で“恋”だけは若干弱い気はするが、美しい大自然の中で初心な二人、後のチャングムの両親が繰り広げる“恋の追いかけっこ”は胸キュンものだ。朝鮮王朝のドラマは宮廷モノが多く、ロケ地といっても王宮や韓国民族村などの建造物の中が多くなりがちだが、「チャングム」は美しい自然を実にうまく利用している。韓国ソウル近郊には「チャングムの誓い」ロケ地が点在しており、「大長今テーマパーク」まである。チャングムに限らず、MBC制作のドラマは自然をうまく生かした作品が多いような気がする。
ところでもうお気づきだろう。三人目の女は、チョンスとミョンイの間に生まれた娘・チャングムだ。予言どおり、チャングムのせいでチョンスは命を落としてしまう。詳しくはドラマでお確かめいただきたい!
さて、このドラマに「チョンスは生きてチャングムをどこかで見守っている」という都市伝説があるのをご存知だろうか。実際チョンスの明確な生死についてはどこにも描かれておらず、第25話ではチャングムが父の死について調査依頼する場面も出てくる。実は、企画段階ではチョンスは生き伸びることになっていたらしい。実際に最終話までで、彼の登場シーンがあるかどうかはご自身でお確かめあれ!

そういえば、韓ドラには“洞窟”がよく出てくる。「朱蒙、風の国、薯童謠、チェオクの剣…」洞窟でいくつもの名シーンがうまれている。歴史モノ、現代モノに関わらず、最新作でも「善徳女王(MBC、イ・ヨウォン)」や「スタイル(KBS、リュ・シウォン主演)」に名場面がある。どうしてこんなに洞窟がよく出てくるのだろう。気になって、朝鮮半島の地理を調べてみた。
「アジア大陸の北東部に位置している朝鮮半島は、イギリス、ニュージーランド、ルーマニアとほぼ同じくらいの広さ(韓国の国土は45%)。このうちなんと70%が山岳地帯。北部と東部に密集し、平野は主に西部と南部に広がっており、三方の海には3400ほどの島がある…(韓国観光公社より)」
フムフム、たくさんの洞窟があっても不思議ではない。しかも、洞窟は古今東西神秘的、黄泉の国へつながる道とも言われており、秘め事のシーンに使うにはもってこいの場所。韓国も日本同様、四季がはっきりと分かれた地域で、夏は暑く雨が多い反面、冬は寒い。そんな中でも洞窟は夏は涼しく・冬は暖かい。待てよ!まさか、監督が暑さ寒さを凌ぐため洞窟を選んだということはあるまい。
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