高視聴率の謎!韓流ブームが韓国の視聴率を変えた?

特集 韓ドラここが知りたい 韓ドラを2倍楽しむ
まず、韓流視聴率TOP30の表を開いて驚いてほしい! 第1位「初恋」65.8%、第2位「愛が何だ」64.9%・・・
なんと、TOP30の中で、50%を超えたのが25作もあるのだ。かつて、80%の視聴率をたたき出したNHK紅白歌合戦だって、最近では40%を超えるのがやっとだというのに、特番でもなんでもない普通の連続ドラマでこの数字は、いくらドラマ大国といえども凄すぎる。日本のドラマは視聴率20%で大喜びし、30%なんて超えた日には、スタッフ・キャストが大騒ぎするというのに・・・。
どうしてこんな視聴率が稼げるのか?

(C) MBC&iMBC All right reserved.(C) MBC&iMBC All right reserved.もう一度、表を見て欲しい。TOP30が1990年後半~2000年初めに放送されたドラマに集中しているのがよくわかる。比較的新しい作品では、「チャングム」「パリの恋人」「朱蒙」「製パン王キム・タック」「私の名前はキム・サムスン」の5作のみ。日本でも話題の「華麗なる遺産」や「善徳女王(2009年)」が入っていない。これはどうしたわけだ。
この10年、特に1998年~2003年は、視聴率を見るときに大きな意味を持ってくる。

韓国の歴史に詳しい方はすでにお気づきだろうが、1998年といえば、民主化運動家として有名だった金大中(キム・デジュン)元大統領が、第15代大統領に就任した年だ。韓国では、1997年に深刻な通貨危機がおき、その翌年に就任したキム大統領は、映画を含めた文化全体を産業として育成する方針を打ち出したのだ。「一台の車を輸出するより、一本の映画を輸出しろ」と大統領が宣言したのだ。だから、1998年なのだ。韓国映画は「シュリ」や「ブラザーフッド」「シルミド」、世界に通用する映画を制作し、ドラマの質も飛躍的に進歩した。なんと、韓国政府が映画に充てる予算は、年間100億円!当然、韓国国民も映画やドラマを楽しんだ。これがメガトン級の視聴率を叩き出した。

(C)KBS&KBSi All rights reserved.(C)KBS&KBSi All rights reserved.では、メガトン級の視聴率の終焉が2003年というのはどういったわけだろう。2003年といえば、日本では、「冬のソナタ」のブレイクで韓流ブームが一気に広まったころだ。この前年、2002年には日韓共催のサッカーワールドカップが開催されている。そして、韓国では、段階を経て日本の映画や音楽などが解禁された。韓流ブームの初めは、日本の一方的なラブコールだったのが、徐々に韓国からも日本へのラブコールも始まったのだ。すると、これまで韓国ドラマや韓国映画鑑賞が一般的だった娯楽のあり方が変わるのは自明の理。さらに、IT大国の韓国ではネット環境が整っているので、リアルタイムにテレビでドラマを視聴するのも減ってきた。このあたりは日本の事情と同じ。日本でも、放送各社が見逃し配信などの環境を整えてきつつあるが、韓国はすでに環境が出来上がっている。もちろん、ドラマだけでなく、ゲームや携帯電話といったイマドキの遊びも、大きな影響を与えたのはいうまでもない。

(C) MBC&iMBC All right reserved.(C) MBC&iMBC All right reserved.かくして、韓国でも2003年以降、メガトン級の視聴率をとるドラマは消え去ったのだ・・・。
このあたりの事情を踏まえた上で、改めてTOP30の表を見ると、2004年の「チャングムの誓い」「パリの恋人」、2005年の「私の名前はキム・サムスン」、そして2006年の「朱蒙」、2010年の「製パン王キム・タック」がどれ程凄い記録を出したのか想像つくだろう。

※韓国での高視聴率の謎が解けただろうか?[韓ドラここが知りたい!]では、ここに紹介したドラマの見どころを紹介しているので、あわせてお読みいただきたい。

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・「チャングムの誓い」は こちらから
・「私の名前はキム・サムスン」はこちらから
・「朱蒙」は こちらから
・「冬のソナタ」は こちらから
ここで紹介したドラマは、KBS DownloadMall 及び、 MBC JAPAN で配信中。
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