日本の漫画が原作の「花より男子」をいち早くドラマ化した、台湾版の「流星花園」の主演男性陣4人を“F4”と呼んでアジア中の女性を虜にした。韓国でも2009年に韓国版「花より男子」が放送されF4と同じく“花美男旋風”が吹き荒れた。(台・日・韓の「花より男子」については特集で紹介)

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だがイ・ジュンギの実像は大きく違う。身長178cm、体重63kgというと、韓国ではそれほど大きな体とはいえないが、その性格は相当激しく、かつて親しい仲間からは「火のようだ」といわれたと聞く。「王の男」で女形芸人コンギルにキャスティングされたのを知って、周りの反応は、「男っぽい彼がなぜ…」といぶかしがったというから、その激しさは相当のものだったのだろう。
出来上がった映画「王の男」は120万人を軽く越える動員数で大ヒットとなった(2008年の数字)。もちろん、イ・ジュンギの演じたコンギルが女性より美しかったことも大きな要因だったろう。
しかし、おすすめ隊は彼の“美しさ”より彼が見せた“やりきれなさ”の詰まった切れ長の目に釘付けになった。“切なさの貴公子”とは、「エデンの東」のソン・スンホンの愛称。“やりきれなさ”には、“せつなさ”より一段高い、我慢できないぎりぎりの思いが詰まっている(と筆者は思っている)。(ソン・スンホンについては、[四季シリーズ]のページで紹介)。
彼はこの後2本の映画に出演しているが、残念ながら彼の“やりきれなさ”は引き出されていなかった。タイトルは控えるが、興行成績も伸び悩んだ。そんな彼に転機をもたらしたのは、2007年はじめての主演に抜擢されたドラマ「犬とオオカミの時間」だった。

このドラマでイ・ジュンギが演じたのは国家諜報部員スヒョン。彼は、チンパンという犯罪組織に、同じく諜報部員だった両親を殺され復讐を誓い犯罪組織に潜入する。ところが、彼が復讐を誓った相手は愛する女性ジウの父親…。しかも、敵である犯罪組織のボスとスヒョンは、人として互いに心を通わせてしまう。これはまったくやりきれない!
しかも、スヒョンのやりきれなさはそれだけではなかった。身寄りをなくしたスヒョンを引き取り、実の息子と分け隔てなく愛し育ててくれた養父を危険な目にあわせてしまい、兄弟のように育ったミンギまで危険にさらしてしまう。

イ・ジュンギは、スヒョンという主人公を通してMBC演技大賞で、男性優秀賞を受賞している。
“このドラマを観ずしてイ・ジュンギを語ることなかれ!”とは、少々言いすぎだろうか?それほど、イ・ジュンギにぴったりの作品だった。彼は、この翌年、「一枝梅(イルジメ)」という新感覚史劇(時代劇)でも、存分にやりきれない目で魅せてくれる。この目があれば、あと数年彼の人気は安泰だろうが、彼はそうはしなかった。
イ・ジュンギが次に挑戦したのはなんとコメディー「HERO(ヒーロー)」だった。「ヒーロー」は、富や名声はなくても、正義感で団結した若者たちが不条理な権力層と真っ向から対立する物語を愉快な笑いで描いている。コメディーといってもそこは韓ドラ!もちろん、単なるコメディーでは終わらない。きっちり涙も流させてくれるので、ご安心あれ!ヒーローの冒頭20分はMBCグローバルメディア で無料視聴できる。
ここまでイ・ジュンギのカッコよさばかりを強調したが、彼の可愛いところを見つけてしまった!「犬とオオカミの時間」では、その華麗で迫力あるアクションにばかり目がいったが、彼の走る後姿はあまりスマートではない。アクションをやりやすくするためか、やや幅広のパンツで華麗に戦った後の走りっぷりは、どこか走りなれていない幼児を思い出し、思わず母性本能がくすぐられてしまう♪
次は、「犬とオオカミの時間」の魅力的な他のキャストの魅力を紹介。

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※「犬とオオカミの時間」はMBC JAPANで配信中
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